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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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イノシシ編 第39階層

飛ばされて、身体から自然に声が漏れる。


ぐうぅ


直撃ではないがなんて衝撃だ・・・。

冒険者になって死にかけたことは何度かあったが、こんな強烈な衝撃を受けたのは初めてだ。

内臓が揺れるそんな感覚で気持ちが悪い。


よろよろと立ち上がると、ビックボアは急停止して既に俺に突っ込もうと狙いを定めていた。

ディナミスが懸命に足を攻撃しているが、少し嫌がる程度で俺への追撃の方が優先らしい。


また、突っ込んできた。

距離も大して離れていない為か速度は先ほどよりも速くはない。


タイラントボアを見据えつつ回避するタイミングを計る。

ふと、ふんわりとした温かい空気に包まれた。

ミレイちゃんが回復魔法をしてくれたようだ。完全に傷がふさがった。


タイラントボアの体当たりを横っ飛びで避ける。


「ひでぶ…。」


またしても、避けきれず吹き飛ばされる。

タイラントボアは速度が最大まで加速していない分、微妙に方向を変えれるようだ。


立ち上がり、タイラントボアに顔を向ける。

既に俺へ体当たりをする準備ができているようだ。


ダメージは、先ほどよりかはマシだが、内臓まで響くほどの衝撃は何とも言えない。


また、ミレイちゃんの回復魔法で傷が癒える。


そしてまた、タイラントボアに轢かれる。


何度かタイラントボアに轢かれ、その度にミレイちゃんに癒される。

身体は癒されても装備は既にボロボロになっている。

買ったばかりなのに。少し寂しい気持ちになりつつもディナミスの様子を見る。


ディナミスが懸命に攻撃しているが、タイラントボアを足止めするには至っていない。



ディナミスのように躱せる気もしない。

こうも何度やってもだめなら、躱すのは止めて俺が突っ込むしかない。


「うおぉー」


声を上げ自分を奮い立たせ、無謀にも突っ込む。

激突する両者、巨大な野獣(タイラントボア)と俺


見事に吹っ飛ぶ俺。

身体が吹き飛ばされ、ボロボロになった服も宙に舞っているのが見えた。



ドクン


空中で態勢を立て直し、華麗に地面に着地する。

産まれた時と同じピュアな恰好になり、力がみなぎってくる。


ドクン


全てを脱ぎさったことで、全身に力が漲ってくる。


ドクン


すぅー、はぁー、深呼吸をして感覚を研ぎ澄ます。

タイラントボアに顔を向け、見据える。


ビクン


今なら負ける気がしない。



『ブオォォー』

「ウオォォー」

獣と紳士の咆哮が重なる。


同時に走り出す。

一匹は涎を流し、一人は股間を揺らしながら一撃に賭ける。


激突する両者、巨大な野獣(タイラントボア)全裸の紳士(わたし)


タイラントボアは牙を振り上げ。

私は金棒を振り落とす。



ドォン


鈍い音が鳴る。



血の雨が降りだした。



血の雨の中一匹は倒れ、私は一人血の雨の中立っている。



ズシンと巨体が倒れると塵となって消えていった。


そこには大きな宝箱が一つと巨大な魔石が転がっていた。


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