イノシシ編 第33階層
とりあえず、メールで連絡する。
なんだかドキドキするな。
悪い意味で不安しかない。
変態だと思われてるしな・・・、
自分でも否定できないぐらい傍から見たら実際そだしな。
お礼だけ述べてササっと済ませよう。
メールを送ると直ぐに返信が来た。
明日、いつもの防具屋の近くになる喫茶店で待ち合わせすることになった。
んー何かお礼でもしないとな・・・。
季節的にはお歳暮か?
ん~、プレゼントか、いやキモイからやめよう。
無難に済ませるべきだろう。
とりあえず、一番高いお歳暮のお菓子詰め合わせにしておこう。
自分のセンスのなさに嫌気がさしつつも、
寝慣れたベットは寝心地が良く直ぐ眠ることができた。
―翌日―
とりあえず、近くのデパートでお菓子の詰め合わせを購入し、
待ち合わせの時間までまだまだある、軽く食事でもしつつ待とうかと思ったが、
既にミレイちゃんがいました・・・。
早い!
ただ、窓際に佇んだ姿がなんとまあ、絵になる事やら。
可愛い子は何しても絵になるね。
「あ・・・。」
少し見過ぎたようで、ミレイちゃんも気が付いたようで目線が合った。
ども、と軽く会釈をしてからテーブルにつとりあえず、お礼を述べて、お菓子を渡した。
傷についてもミレイちゃんの職業「聖母」のスキルで呪いを解いて回復をしてくれたらしい。
なんであの場所にいたのかは少し濁されたが、助けて貰ったので深くは追求せず感謝だけで十分だろう。
さて、この顛末も教えて貰ったからそろそろ帰ろうか、どうするか。
これ以上何を話していいものか・・・。
「あのですね・・・。」
難しい顔をしていたのか、伺うような表情でミレイちゃんが話しかけてきた。
情けない大人で申し訳ない。
「あ、あの、お願いがあります・・・。」
ん・・・、この流れはまさか!?
「良ければ私と付き合ってください。」
えっ・・・。
付き合うって・・・。
これはまさか・・・。
30歳にして初のモテ期到来か!?
「その、一緒にダンジョン攻略してください。」
ですよね~。
分かっていたさ、分かっていたけど、俺も男なんだ!
少しぐらい期待して何が悪い。
っと少し落ち着かないとな。
「なんで俺なんか誘うんですか?」
素朴な疑問をぶつける。
「実は、今のメンバーでは今後の攻略は厳しいと感じています。それにケンさんはギフトは非常に特殊ですが非常に高いステータスがあってとても逞し、いえ強い方ですので。」
「なるほど・・・。」
ん~、良いのかな。
こんな女の子に誘われて断りたくもないけど、勝手に決めたらムトウのおっさんに怒られるしな。
「ダメでしょうか・・・。」
悩んでいると、上目使いでこっちを見てくるミレイちゃん・・・。
「私で良ければ!喜んでお手伝いします!」
こんな性格も良くて、胸も・・いや、可愛い子に頼られて断れるわけないな。
なるようにしかならないか・・・。
とりあえず、俺の防具を待って一緒に冒険することになった。
俺はミレイちゃんと別れ、帰る途中ムトウのおっさんへの言い訳を考え続けていた・・・。
ただ、その足取りはとても軽かった。
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