イノシシ編 第31階層
ご感想・ブクマありがとうございます。
数メートルは離れていたはずだが、一歩で肉薄して私の喉に向けて突きを放ってきた。
多少早く動けるようだが、今の私には脅威ではない。
軽く上半身を捻り躱し反撃をしようと思い拳を振りぬく。
上手く腕でガードされたようだが片腕を粉砕させ、また数メートル吹き飛ばした。
「うっ、ぐぅぅ・・・。」
激痛をこらえているようだが、まだ余裕のある表情でこちらを見ている。
ニヤついた表情で
「腕一本持ってかれたが、お前はもう終わったな。」
私の首筋から勢いよく、血が噴き出てきた。
「なっ、避けたはず・・・。」
首の傷口を抑え、いろいろと思案し推測する。
確実に避けたはずだが、私の首が切れ今もドクドクと血が流れている。
あの刀が特殊なのか、奴のスキルなのか分からない。
ただ予想ぐらいは出来る。斬撃を飛ばす類の物だろう。
しかもこの私の鋼の身体にキズをつけるとは、かなり厄介な相手だ。
いつもなら直ぐに治る傷も、一向に治る気配がしない。
このまま長期戦はヤバい、早急に決着をつけないと・・・。
「ん、外野が騒がしくなってきたな、今日はもう帰るか・・・。どうせこのままお前は終わるんだからな、終わりが見れなくて残念だが、退散させてもらう。」
「くっ・・・。」
深追いできる傷でもないしな。
私も一刻も早く血を止めないと逝ってします。
私は睨むことしか出来ず、刀の男はニヤついた顔で後退りながら闇へと消えていった。
とりあえず、今は血を止めないとな。
助けを呼ぶか病院へいかなければ・・・。
大通りに向けて歩こうとすると足音が聞こえてくる。二人、救急車を呼んでもらおう・・・。
おっち、警〇の方でしたか、丁度よかった、救急車を呼んでもらおう。
「おい、お前たち何をして・・・。へ、変態っ!!」
「こちら現場、至急応援をお願いします。」
「まず、私は紳士です。それと救急車をお願いしたいのですが。」
「公然猥褻罪で現行犯で逮捕します。救急車はお前のような変態には要らんだろうが!」
そう言って、手錠を掛けられ、再度傷口から血が噴き出した・・・。
だから、紳士だと言おうと主張しようとして、一歩踏み出そうとした瞬間目が霞んできた。
あ、これマジでヤバいやつですね。
そのまま、冷たいアスファルトに倒れ込んだ。
目が覚めるとそこは、
見慣れないベットの上でした。
綺麗な灰色の天井だな~と思い体を動かそうとしたがまったく動かない。
しっかりとハンニバル・レ〇ター先生のような手錠をされているのか、視界も悪いし手も顔もまったく動きませんな。
とりあえず、生きてるって素晴らしいな。
今後ともごひいきに




