イノシシ編 第14階層
「まず、何で俺なんでしょうか?」
とりあえず、宗教とかに誘われないでよかったと安堵した。
しかし、ミレイちゃんが俺を選んだ理由がさっぱり分からない。
俺なんぞのパンツ一丁のおっさんと一緒に探索しても罰ゲームとしか思えない。
「どこから話をしましょうか。まず、ケンさんを選んだ理由はステータスの高さです。それと1人で冒険をされているようでしたので誘いやすいからです。」
「俺のステータスが分かるんですか・・・?」
「はい、私は鑑定スキルを持っていますので・・・。
ケンさんのステータスやスキル、本名や年齢、全て見れます。
一応、この事はくれぐれも御内密にお願いします。色々と面倒なスキルなので。」
なるほど、鑑定スキルかそれなら納得だな。
しかし、うらやましいな。
対象物、人物を鑑定できるスキル。
レベルを上げればどんなものでも鑑定できる超便利スキルだ。
誰しもが欲しがるスキルの中で上位に入るものだ。
俺の変態スキルとは実用性は大違いだな。
希少という面ではそこそこ同じかも知れないがちっとも嬉しくはない。
レア職業にレアスキル、恵まれているのは胸だけじゃなかったんだな。
天は二物を与えずとは言うが、目の前に三物以上持っている方がいると思うと、
人は平等じゃないんだなとシミジミ感じる。
「ケンさんは、今の状態でもレベルの割にはそこそこ高いステータスですが、
少し、露出の高い服装というか、ダンジョンでお会いしたと時の格好ですと
物凄く高いステータスでしたので・・・。」
顔を少し赤くしながら話すミレイちゃん。
あんな格好で冒険してて、俺としてはごめんとしか言えないです。
さて、個人的にも周りからみてもご褒美でしかない依頼で色んな野郎が殺到しそうだ。
どうしたものか・・・。
流石にあの格好で女の子に囲まれてダンジョン探索は厳しいな。
普通の格好でなら良いか・・・、しかしムトウのおっさんには露出のスキルを使用する約束もしているしな・・・。
「普通の格好で良いなら、構いません。
あと、分け前は皆で等分という事で良いでしょうか?」
半日ぐらいは精神的休憩として、半日はいつも通り頑張れが良いだろうと自己判断して、
了承した。決して下心があって了承したわけではない・・・とは言い切れないな。
「あ、ありがとうございます!
格好についても、分け前についても構いませんのでよろしくお願いします。
断られなくて良かった。これからよろしくお願いしますケンさん。」
嬉しそうに返事をしてくれたミレイちゃん。
今日始めて彼女から自然なとびきりな笑顔を向けられたおっさんは、
この前の休憩所で感じていた不安は無くなり、年甲斐も無く胸をドキドキさせていた。
その後は、足取り軽く自分の部屋へと戻るのであった。
所持金
約 150万円
=内訳=
41万+35万x4日分で181万
レベルアップを3回してLv.12⇒Lv.15 で-27万
ステータスは未確認
その他食費 -4万
評価・ブックマークありがとうございます。
今後ともご贔屓に。
ゲート付近の物価は高いという事にしている為、主人公の食費も高いです。




