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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第二章 ウサギ編
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ウサギ編 閑話 リン目線

お口直しに

私はここのダンジョン専用の冒険者。

このダンジョンは、極秘扱いになっている。

なぜならば唯一安定して次元袋(アイテムぶくろ)の主な材料となる皮が手に入るからだ。


次元袋(アイテムぶくろ)とは、

見た目は袋だが、中に体積以上の物を詰めることが出来る便利性の高いダンジョンアイテムだ。

材料も希少だが、加工する物もそれ以上に希少でどこで作られてるかさえ知らない。

ここで安定して材料が手に入れれば、どこがで生産者が加工しているのだろう。


もう少し、出世していれば知ることが出来たかもしれないが・・・。


元々、私は防衛省に勤め、エリートと呼ばれるほどの出世を重ねてきた。

しかし、ゲートの出現と私の適応力が発覚すると上からの命令で無理やり、

このダンジョンでひたすらビックラビットを狩り、その皮を手に入れる為だけの冒険者になった。

出世の階段から外され、その鬱憤をこの大きな兎に当て、憂さ晴らしをしていた。


しかし、今日から後任者の冒険者が来る事になっている。

その冒険者はスキル「露出(へんたい)」の持ち主。

いったいどんな変態がやってくるかと不安に思っていたが、

眼つき以外は普通の男だった。


一緒にダンジョンに入る時に心配そうな顔と

私の胸を見て少し残念そうな顔したのだけは見逃さなかった。


ダンジョンでの戦闘能力も問題なく、

武器を持ち込めないこの特殊ダンジョンで

素手でも兎を一撃でトマトのように簡単に潰せるスキルも持っていた。


あの一撃はどう見てもスキルを使ったに違いない。

眼つきに似合って強力なパンチだった。


一応、初日だけは夕食を共にしたが、

異常なまでの威圧する眼つき以外は特に問題なく、害は無い、そんな印象だった。

スキル「露出(へんたい)」の持ち主という点を抜かせば

悪い人ではないとは思うがあまり関わりたくない。


その後、一通り人格、戦闘能力も確認したので本部に報告と連絡を入れ、

明日からは1人で魔石と皮の収集を行ってもらうことにした。


昼過ぎになり、変態(ケン)さんが戻ってくると、

私が一日がかりで取ってくる数の皮を持ってきた。


あ、ありえない。

あんなに広い敷地を走り回りビックラビットを見つけては倒すなんて、普通じゃない。


そもそも、このダンジョンは広いがためモンスターが密集しておらず、

見つけるのは簡単だが近づくまでが遠くて体力を消耗する。


半日でこの数の皮を手に入れるとは、

今まで行っていた私の評価が悪くなってしまう。

なんとか言いくるめて、今後あまり数を取って来させない様にしなくては。


ブックマありがとうございます。

減ったり増えたりしており、落ち込んだり喜んだりしております。

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