ウサギ編 第16階層
言い訳も聞いてくれず、問答無用ですぐさま拘束された。
そのまま顔と股間を隠され、装甲車に詰め込まれた。
もちろん、銀行から出る時にスマホでカシャカシャと写真を取られてる音だけは確認できた。
一時間後には、独房に着いたのか個室では、腕に足、首を拘束された。
そして冒険者用であろう特別な部屋で放置プレイ。
拘束され身動きできずに一人さびしく、肌寒い夜を明かした。
翌朝、目が覚めると
とりあえず服を着せてもらった後に尋問が始まり、事細かく事情を説明した。
防犯カメラのお陰で俺の話が正しいことが判明されたのと、
ムトウさんが迎えに来てくれた為、昼前には釈放になった。
自分がした事の重大さに頭を悩ませる俺。
次に銀行から引き落とした30万円が燃えカスになって落ち込む俺。
1円も俺の手元に帰ってこなかった。
苦笑いのムトウさんは慰めに缶コーヒーをおごってくれた。
「まあ、元気出せよ。」
ついでにと一緒にゲートに戻り、今後についてムトウさんから色々と話しがあった。
「もう分かっていると思うが今回一件で、お前の顔がいろんな所に出回ってしまった。
SNSでお前の画像が日本中に出回っているから、当分はパーティーは組めん。
あと、今後の探索は顔を隠したほうがいいだろう。」
まあ、そうなるな。
ハーレムなパーティーの夢は崩れ散ったようだ。
夢が砕け散るだけならまだしも、全裸で銀行で大暴れした事がSNSで拡散して
俺の顔もバレてしまっている、仕舞いには名前までもバレそうだ。
いつもなら死んだように動くことも鳴くことも無く、
ひたすらにアプリをする為だけのスマホだったのに今では、
着信とメールでブルブル動き、鳴り続けいてる。
これじゃあ、落ち着いてアプリゲームも出来やしない。
そんな事を呆然と考えながらゲート管理室の事務所で座って動けないでいた。
「最後に俺からの提案だが、今日からここに住め。
まあ、多少の宿泊費用は貰うが、ゲートも休憩所も近くて立地も良いし最高だろう。
今の状態で外に出たら色々と面倒だろうし、一室開いているからほとぼりが冷めるまでは使うと良い。」
ムトウさんからの思わぬ提案もあり、その好意に甘えることにした。
こうして、住む場所が決まりひっそりと職員専用の部屋で寝泊りする事になった。
部屋は12畳ほどの部屋が1つ、ベット、冷暖房、トイレ、ユニットバス付き。
キッチンは無いが、まあ外食で全て済ませれば良い事なので問題は無い。
拘束されて寝たので身体の彼方此方が痛む。
ベットには既に布団や枕も準備されていたのが地味にかなり嬉しかった。
早速、昨日の疲れを癒す為にシャワーを浴びて今日はゆっくり寝ることにした。
明日からは新しいダンジョンか・・・。
安堵して静かに眠った。
ブックマありがとうございます。今後ともご贔屓に。
すっかり忘れてました。
所持金
350万円(報酬+特別手当) ⇒ 320万円 (30万円は燃焼)




