ウサギ編 第12階層
ダンジョンでの探索のつなぎみたいな話になりますが、引き続き読んでいただけると幸いです。
危なそうなおっさんに呼ばれ、事務室へ向う。
「おはようございます。冒険者のケンです。失礼します。」
元サラリーマンとしての対応は今でも染み付いて離れないなと思いながら、
きちんと挨拶をして事務所に入った。
「お、おはようさん。私はムトウだ。
お前さんが次に来る予定になっているダンジョンのー責任者だ。」
そういえば、普通はダンジョン攻略はいくつかのチームを組んで行うんだったな。
そのチーム及びダンジョンの運営を取り仕切るのがギルドと呼ばれる役人さん達、
ギルドマスターってことはこの強面のおっさんは偉い人になるという事か。
今のところ、チームも組んでないし、今回のダンジョンは俺専用みたいなものだったからな。
ようやくこれで俺もチームが組めるんだな。
もしかしたら可愛い子とかいるチームかな、俺にもそろそろ春が来るのか・・・。
主人公補正のハーレムとかになったりしないかな。
そんな期待を胸に秘めながら、質問に答えていく。
数時間もして、昼食の時間も過ぎているが一向に休憩にもならない。
何時間、何回同じ質問をするんだこいつは・・・。
腹減った、喉も渇いてきた。お茶の一杯も出てきやしない。
流石にイライラしてきたが、此処は我慢だ、我慢・・・。
「もうこんな時間か、とりあえず面談は終了だ。
今回の報酬は今日中に銀行に振り込まれるから心配しなくても大丈夫だ。
よし、じゃあ行くぞ。」
「お疲れ様でした。ん?どこに行くんですか?」
ようやく開放されると思っていた矢先に急な展開に驚いた。
「もちろん、俺の管轄に決まっているだろ。」
ニカッとサムズアップするムトウさん。
そんなムトウさんにイラつきを覚えたが渋々、次ゲートに向かう事になった。
元々、大した荷物も無かったので移動の準備にも時間があまり掛からなかった。
ようやく昼食になったが、コンビニのお弁当とお茶で簡単に済まされた。
夕刻から移動しても夜には着くらしい。
評価、ブックマありがとうございます。
今後も末永くよろしくお願いします。




