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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第二章 ウサギ編
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ウサギ編 第9階層

戦闘シーン頑張りました。

走りながら、一呼吸置いて心を決めた。


俺はズボンを掴み、引き裂いた。



ドクンッ!



心臓が一段と大きく力強く脈打った。


最高にハイな気分だ。

しかし、頭は冴えている。


不思議な感覚だ、

パンツ一枚で草原を走っているのにも関わらず、

快感、気持ちよさだけが私を満たしている。


頭は十分に熟睡して朝起きたかのようにすっきりとしており、周りの状況がはっきりと把握できる。


奴との距離、迷彩服との距離、放たれる火の矢。


縛られたものから開放された感覚(かいらく)

噛み締めて、大地を蹴る。

そして一歩一歩確実に奴との距離が縮めていく。


月兎は臼を振り上げて、迷彩服に襲い掛かった。


その時、私はようやく月兎に追い付き、

打ち下ろされた臼を迷彩服を庇う様に受け止めた。


ようやく対峙できた。

良かった。

ギリギリだったが間に合って本当に良かった。


やれる事をしないで後悔するのは、

サラリーマンの時に嫌と言うほど味わった。

これからはそんな生き方はしたくない。

たとえスキル露出(へんたい)を使うことになってもだ。


迷彩服は地面に伏せているが、

死んではいないはずだ。

耳に集中すれば迷彩服の呼吸音も確認できる。


生きてはいる、魔力でも尽きたのか。


戦闘中いつもならこんなに余裕を持ってはいないのだが、

今日は力も漲ってくるし、頭も冴えている。


全く負ける気がしない。


月兎は臼での攻撃をあっさりと止められて動揺しているのか、

バックステップで一旦、私と距離を開けた。


今度は私から攻めようと一歩踏み出す、

月兎がその一歩に合わせる様に襲い掛かってきた。


スローモーションで見ているかのように、

鮮明に月兎の動きが見える。

しかし、避けてしまうと後ろの迷彩服に当たってしまう可能性がある。

仕方なく全て受け止める。


まったく痛みを感じない、

子供がじゃれてくる程度に衝撃が来るだけだ。


お前の力はその程度か!と心の中で叫ぶ。


月兎は何発、何十発も臼で叩いても叩いても、

私にはまったく意味が無いと分かったようで、

強力な一撃を放とうと、臼を大きく振りかぶった。


私はその動きが見えた瞬間に拳に力を込めて、

奴の腹に渾身のストレートパンチを放った。



ズキュウウゥゥン!



月兎は背中から骨と内臓を撒き散らしながら、上半身と下半身が別れ離れに吹き飛んだ。


汚ねぇ花火だ・・。


さて、片付いたか。

後ろに倒れている迷彩服を確認しようとすると、

迷彩服は気が付いたらしく顔を上げていた。


そして目が合った。


「えっ、リンさん?」


「きゃあぁぁーーー! へんたぁぁぁい!!」


迷彩服がリンさんだったことに驚いたが、

リンさんも驚いたようで、

しかも私に向って何発も火の玉を出してきた。


なんたる無礼な女なんだ、

美人だったらなんでもして言い訳ではない。

それに私は変態ではなく、正式な冒険者だ。

しかも女性に優しい。


ここは一言、言って誤解を解かなければ。


「私は変態ではない、私は紳士(へんたい)だ。」


「やっぱり、変態ぃぃぃー!!」

リンさんは、もう一度絶叫して、

何発か火の玉を放ったあとまた気を失った。


なぜだろう、

きちんと一言で上手く説明したと思ったのだが。

紳士では通じなかったのだろうか・・・。


それにしても、命の恩人に魔法を撃ってくるとは、まったく失礼な(ヒト)だ。


月兎からの魔石と毛皮を持って、

ついでにリンさんも担いで帰還ゲートに向った。


個人的に一番好きな展開を書けて自己満足しています。

明日(7月7日)は申し訳ありませんが、更新しないかもしれません。

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