研修編 閑話 ダンジョン管理者
予定よりも長くなりましたが、第一章はこれで終わります。
―研修者用ダンジョン 管理者目線―
今回の研修生は優秀な者が多いようだな、
ステータスの伸びや、魔石の収穫など見ても我々の想像以上の成果をあげている。
第一応募のように統率されておらず、
戦闘訓練・経験も無いのにダンジョンでの戦闘を難なく行っているのだから。
いままのでの研修生についてだが、第一応募については
警察、自衛隊で選抜され、ダンジョン適性は中から高までとなっていた。
もちろん戦闘能力は高く統率もきちんと取れており、今頃は、ダンジョンの攻略・調査役、
もしくは冒険者の監視役になっている。
次に第二応募についてだが、
表向きには一般応募だが、実際には犯罪者の再雇用中心のためガラが悪かった。
ダンジョンの適性は低から高と幅が広い。
とにかく第二応募は酷かった。
気性の荒い連中が多く、纏めるのに時間がかかった。
しかも、ダンジョン適性も低いくせに来ている連中もいて、
今でもこの研修者用ダンジョンでのんびりのらりくらり過ごしている。
今回の第三応募の者達は、
ダンジョン適性を最優先して、義務教育を済ませた者となっている。
なのでダンジョン適性は高ランクの者のみだ。
検査方法はいたって簡単だ。
応募と一緒に採取した被験者の血とダンジョンの魔力をある装置で
干渉レベルを調べるだけで大体は分かる。
そして今回の第三応募の関東地方だけでも
3人ぐらいはステータスの伸びを見てもきっと最高ランクのSSSランクだろう。
しかも、その1人は「職業:勇者」なのだから今後彼の活躍は期待せずにはいられまい。
国のためにも、潰れないようにチームは女性で固めた方が良いな。
最低でも1人は我々の関係者を加えて上手くコントロールしなくては。
しかし、悩ましい問題ではあったある研修生が片付いてよかった。
よりにもよって「特性:露出」とは、残念な「ギフト」を貰った者が現れた。
レアなスキル・特性・職業の者もいたが「露出」とは、もはやただの変態でしかない。
そもそもスキル・特性・職業は本人の潜在意識からくるものと、
国の研究チームは推測、結論としている。
となると、あの冒険者は自身も認めておらず、まったく気が付いていないが、
「露出」という変態性を持っているということになる。
ステータスの伸びから見てもSSランクに分類されてダンジョン適性もなかなか良い。
魔力は無いに等しくこれっぽっちも上がっていないが・・・。
やる気があるのか無いのか分からん者だが、
ユニークモンスターを1人で倒してしまうのだから戦闘力については上位に入るだろう。
彼が卒業する時は嬉しくてついつい笑顔になってしまった。
しかし、上層部何を考えているのか。
期間を限定しているとはいえ、彼をあのダンジョンに配属させるとは・・・。
まあ、今の私には関係の無いことか・・・。
そんなことよりも「勇者」の今後について色々と手を打っておかないと・・・。
この案件が国にとっても私の組織にとっても最重要事項だ。
この話で、第一章「研修編」終了いたします。
今まで読んでくださって皆様ありがとうございます。
次から第二章が始まりますので引き続き、読んでいただけると幸いです。
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