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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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ウシ編 第21階層

一日一話頑張ります・・・。

誤字脱字の訂正毎回ありがとうございます。痛み入ります。

あと、ご声援ポイントお願いいたします。

花山の攻撃をひらりと躱す白髪白髭の爺さん、反撃の機会を疑うように花山の動きを観察している。

その後ろでは、袖から暗器を取り出し渡部へのけん制、花山の妨害をして爺さんのサポートをする白い中国伝統衣装の漢服を着ている色白な優男。


それを抑えつつ、爺さんにも攻撃を繰り出す渡部。

この四人の中で誰よりもレベルが高く冒険者としての戦闘経験も長い事で頭一つ抜けた戦いをしている。しかし、どれも決定打に欠けておりこのままいけば渡部の体力がなくなり花山の負荷が増えてしまう。

そうなれば、現状でもいっぱいいっぱいの花山ではこれ以上負荷が増えれば崩れてしまう。

それほどまでに日本チームの二人には余裕が無かった。


中国チームの連携は日本チームよりも洗練されておりどこか余裕を残しつつ戦闘をしている事もあり一時間以上も継続して戦闘が続いていた。



中国チームの女隊長が江崎との戦闘を終わらせるためにスキルを使って一人でダンジョンから抜けたことで、渡部側での戦闘もあっけなく終った。



「もうこの辺でええじゃろう。」


顔色が悪かったり、一言もしゃべっていなかった事、操られているような雰囲気だったのでまさか敵が急に喋りだしたことで驚き攻撃を止めてしまった花山。



その隙に距離を開けて色白の優男の傍へと移動した。

「年寄りに連戦はつらいのぉ。」

なんとも間の抜けた事を言いつつ腰をトントンと叩く爺。


「どういうつもりだ?そちらが仕掛けてきた割には調子の良い事を言ったものだな。」

銃口を向けて未だ戦闘態勢を崩さない渡部。


「こちらに非がある事は詫びよう。しかし、まずはこちらの話を聞いてもらえないだろうかの?お互い悪い話じゃないじゃろうて」

白い立派な髭を触りながらも毒気を抜いたように話す爺さん。


その後ろでは優男も武器を仕舞ってやれやれといった具合で顔の札を引き剥がした。

「ハク爺も札取れば?もう必要ないでしょ。あぁ疲れた。もう帰ろうよ。」


「おぉ、そうじゃったそうじゃった。これでどうじゃ?ところで、少しは話を聞く気になったかの?」


渡辺は武器をおろし花山にも同様に武器をおろさせた。

ただ、まだ何が起こるか分からないので警戒は解かない。


「ふぅ・・・、いきなり襲い掛かって悪かったのワシらも好きでやっている訳ではないんじゃ、あの札が貼られている限り命令を聞かざるを得ないのじゃよ。隊長も帰還したんでのわしらが戦う意味もないってことじゃ。おぬしらも簡単にワシらを倒せるとは思えなかろ。」


「そうか、ただお前らの今回の行い全て報告させてもらう。」

我々の体力を出来る限り節約するためには合意するしかないか・・・。


「まあ、それは構わないでの。ワシらに非があるのは明確じゃからの。」


「分かった、なら好きにしろ。」

食えない爺だったがとりあえずはボス撃破が最優先だ。


「話が分かる奴が隊長で良かった良かった。ならワシらはこれで・・・。」

軽い足取りで中国チームの二人がゲートの方へ戻っていった。



ダンジョン内でミノタウロスを蹂躙している一組がいた。

「ハク爺なんで殺さなかったの?別に大した事無い奴らだったじゃん。」

首に刺していた短剣を抜き何事もなかったように平然と会話している優男ことリー。


「まあ、あの二人だけだったらのぉ、しかしもう一人が加わると負けないが割に合わん(・・・・・)仕事になるところじゃった。」

片手でミノタウロスを投げ飛ばして地面へと叩きつけているハク爺。


「確かにあの動きとか再生能力は凄かったね。遠めから見ても分かるほどだったもんね。でもちょっと戦ってみたかったなぁ。」


「まあ、どこかでまた会うじゃろう、その時は好きにすれば良い。」

物騒な世間話をしつつ道中のミノタウロスを蹂躙していくのであった。


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