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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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ウシ編 第12階層

毎回読んで頂きありがとうございます。もちろん誤字脱字の訂正ありがとうございます。

珍しく継続更新です。

集合場所に集まると、既に皆が待っており準備を進めていた。どうも今日の探索では荷物が多いようだ。準備を手伝えなかったのでみんなに謝りながら挨拶をすます。


「今日はいつもの時間になっても食堂に居なかったようだが、どうかしたか?」

渡部のおっさんには珍しく心配してくれたことに驚きつつも昨日の事を説明した。

怒られるかと思ったがバツの悪そうな顔をして「そうか」とだけ言ってこの話は終わった。



ゲートに入りダンジョン内に出来た遺跡前で渡部のおっさんが今日からの探索を説明する。


「今日からはアメリカ・中国チームと合同でダンジョン攻略を進める。

 合同と言っても一緒に戦う訳ではない。探索したデータを共有するだけで攻略自体は今まで通りだ。ダンジョン内だ、何が起こるか分からない、さらに気を引き締めろよ!」


『サーイエッサー』


ちょっと最後の言葉が気になったが、ダンジョン内の遺跡へと足を進める。


モンスターは牛から牛頭人身に変わった。まあ、平たく言うとミノタウロスだ。

人型になった事で、花山君も俺も戦いやすくなった。

毎日ダンジョン内で渡部のおっさんから指導を受けているし、毎週の休日には渡部のおっさんのしごき(いじめ)によって多少は対人戦に強くなっているはずだ。


俺に限ってはレベルアップによるステータスの向上の方が大きいような気もしないでもないけど・・・。



島野さんが索敵と罠の解除、俺と花山君が前衛で戦う。後方から蓮池さんと渡部のおっさんが援護するといった具合だ。


遺跡内部は入口に比べて中は広くなっており、通路も5メートルほどあるので広々している。

渡部のおっさんは、戦闘以外でも後ろの警戒やら地図の作成と忙しそうだ。


ミノタウロスは巨大な斧もしくは、こん棒を持っていてその巨大な武器を振り回すのが基本的な戦い方だ。懐に入ると素手で攻撃してきたりと意外と器用に戦う。


ただ、大振りの攻撃が多いので焦らず避けて殴れば大体一発で終わるのでそこまで強敵ではない。と俺は思っていると花山君に話してみたら花山君からは「江崎さんが異常です」と笑われてしまった。


そんな花山君も危なげなくミノタウロスの攻撃を避けて切りつけている。

攻撃を避けながら相手を切りつける様子は中々サマになっていてかっこいいなと思える。

俺も刀とか剣とか物語の主人公っぽい武器で戦ってみたい。


見た目も異常、武器無しで素手で戦う時点で俺が異常なのは自覚している。

でも好きでこんな状況になっている訳でもないし、勇者のようにチートな能力がある訳でも無い見た目以外は普通だと思っているんだけどなぁ。

まあ、花山くんとも冗談を言えるぐらい仲良くなったという事だろう。


そんな事を考えつつも、今日の探索も特に問題無くダンジョンの攻略を終えるのであった。



遺跡内部の探索も一週間ほど経過すると遺跡内部の構造が大体分かってきた。

俺ら日本チームとアメリカ・中国チームの情報をまとめると大体ボスがいるであろう場所が粗方推測できるらしい。


厳しい表情のまま渡部のおっさん曰く、ここからはボスの奪い合いになるから攻略に速度が求められる。

小声でモンスターだけでなく他国のチームも敵になりえるので警戒が必要との事だ。


まず前者についてだが、その推測は正しいようで、今後の攻略は一週間はダンジョン内で連続して探索を行うようお国から指示が出たとの事だ。

きっと他国のチームも同様もしくはそれ以上に長いだろうというのが渡部のおっさん個人の予想だ。

俺そういえばいつも日帰り攻略だったからダンジョン内で何日も居たことなかったけど心配だな。


早速、翌日からはダンジョン内で寝泊まり出来る準備を持って攻略になった。

島野さんの職業「怪盗」が超絶便利で、荷物を全てポケットに入れれるらしく、攻略時に持つ荷物自体はまったくいつもと変わらない。


なんて便利な職業なんだ、チートやん・・・。

俺は「引籠もり」でほとんど特性がない、まあちょっと便利な能力があるだけで戦闘能力が上がる訳でもない。ほんとこの世は不公平だとそう改めて実感した。

今分かっていることは「無職」や「引篭もり」の場合は、後天的に職業が備わる可能性があるようだ。なので希望を捨てるなというのが渡部のおっさんから聞いた最新の情報だ。


ダンジョン内の長期攻略の為、いつもよりこまめに休憩を挟みながら進む。

渡部のおっさん曰く、体力・気力共に気を配らないといけないらしい。他の国はみな美女がリーダーで羨ましいと思ったが、こういった指示・指導事だけは頼りになるおっさんだ。


そんな事を思っていると渡部のおっさんに睨まれた。勘が鋭すぎるだろ・・。


そんな風に思っていると早くも一日目の探索を終える。

蓮池さん、島野さんが簡単に夕食の準備をしてくれる。


俺は索敵はあまり得意ではないが、体力に余裕がある俺と何でもそつなくこなす渡部のおっさんとで回りを警戒する。

ダンジョン内部では絶対に安全な場所という所もあるらしいが、今回のような事前の情報がないダンジョンでは、確証までとれない為警戒し続けなければいけないらしい。


いちよう渡部のおっさんの情報と勘を元に決めた場所なので多分きっと安全といった具合だ。

暖かい夕食が食べれるだけで精神的に安堵できた。

しかも性格はさせておき美人な蓮池さんとリアルJKの手料理、それだけでおっさんは幸せです。


もちろん、テントは男女で別れて、交替で見張りをする。

もちろん体力馬鹿の俺と最年長のおっさんは長めだ。まあ、交替してもらえたので初日は意外と苦にならなかった。


ここで初めて「引篭もり」の職業が役に立った。

ダンジョン内にいると体力の回復などがあがるらしい、しかも長く居続ければ続けるほど効果が大きくなるらしい。

まあ、いまだにダンジョンや職業に関しては正確な数値や効果は分かっていない様なので「引篭もり」も時と場合によってはかなり有効な職業らしい。

それでも俺は「引篭もり」なんて職業は嫌だけど・・・。


そんなモヤモヤした事を考えつつ皆が寝静まったテントを背に周囲を見渡すのであった。


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