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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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ウシ編 第7階層

ゲートをくぐる。


一歩足を踏み入れると、強い日差しを受けて思わず目を細めた。

日差しが強い、直にも地面からの照り帰りも強く暑さを感じるが、時折感じる風が心地良かった。


今、僕(花山恭平(はなやまきょうへい))はアメリカのラスベガスにあるとあるダンジョンにいる。

お金は欲しかったけど、まさか自分が選定されるとは思わなかった。



「刑罰」なのだろうか・・・。


あの日、僕は人を傷つけた・・・。


昔、僕をいじめていたアイツらを斬った。

昔と同じように人を見下すような目で僕を見ながら、仲間でまた悪口を言っているのだろう。


暗い感情が沸々と沸き上がっているのを感じた。

また、昔のように傷けられると思うと我慢できなかった、勝手に身体が動いた。

「奪われる・虐げられる側」にまたなるぐらいなら「奪う・虐げる側」になってやる。


僕は飛び掛かっかっていた。



決着はあっけなかった。



アイツらは思ったよりも考えていたよりも弱かった。

僕自身が強くなったというのもあるが、何度も殴るとアイツらは動かなくなった。


その後、すぐにギルド職員に取り押さえられてそのまま冒険者用の刑務所に入った。

自分が犯した罪は大きのだろう、でもその時は、その時だけはとても清々しい気分だった。



その日のうちに僕の冒険者のライセンスをはく奪された。



武器の使用はしていないという事で、実刑は免れたのは幸いだったかもしれない。

だが、その後は特に何をするわけでもなく、また同じように部屋に引き籠もる生活に戻った。


ただただ、浪費する時間。

今さらながら募る後悔、またダンジョン攻略がしたいと夢に見ながら・・・。



ただただ時間だけが過ぎていった。



そんな日が数カ月は続いただある日、今回のダンジョン攻略の選定に選ばれた。

その連絡が来た時は嬉しかった。

もちろん、すぐに参加することに決めた。


両親は、危険な仕事と分かっていたがそれでも外に出ていく僕を応援してくれた。

きっと部屋で死んだような顔で生きているよりも、外で命の危険があったとしても活き活きと生きていて欲しいのだろう。


いつか、同じチームのみんなには本当の事を言えたらと思う。


チームのみんなは見た目は変わった人ばかりだけど、悪い人は居なさそうだ。


以外だったのが、まさか同じチームに女性が二人もいた事だ。

ただでさえ、人との会話が苦手なのに、可愛い子と綺麗な女性がいると少し緊張して何も話せない。


渡辺さんは顔が怖くて話にくいし、口調も怖い。

今回のダンジョン攻略について細かく、丁寧に教えてくれているので信頼できる人だ。


最後に江崎さんは見た目がヤバい。

何がヤバいって、どう見ても敵キャラもしくはモンスター寄りの装備だ。

ダンジョン産の装備は効果が大きいもの、見た目が気持ち悪いもの色々あると聞いていたが、実際に見てみると見た目の破壊力も圧倒的だった。



見た目だけでなく戦闘でも圧倒的だった。




蓮池さんの巨大な魔法と物騒な独り言も驚いたけど、江崎さんの戦闘を見たら些細な事のように思えた。


誰よりも速く動き、敵を倒していた。



しかも素手でだ。


車よりも大きなモンスターを素手で破壊していく。

どう見ても慣性の法則にあっていないようにモンスターが吹き飛び、血肉を飛び散らせ光になっていく。



冒険者になる前は浪人生じゃなくて、ただの引き籠りだったのでインターネットやスマホゲームをして一日を浪費していたので、ネット小説「なろう系」というのも読み漁っていたし、夢だと分かっていても「チート」にも憧れていた。


その「チート」に近いような戦闘能力には驚いた。

防具の効果もあるはずだけど、凄い人だと思った。


しかも、その後特に威張る訳でもなく恥ずかしそうに申し訳なさそうに戻ってくる辺りがなんとも言えない哀愁を漂わせていた。



蓮池さんだけは特に驚いてはいなかったけど、渡辺さん、島野さん、そして僕は苦笑いと冷や汗が止まらなかった。



そんな激動な一日が終わり、また明日からダンジョン攻略が始まる。

心配事は多いけれど、江崎さんをはじめ心強い仲間がいる、未知のダンジョンがある。


それだけで心がワクワクしている。

きっと、胸を張って日本へ帰れる。そんな希望を胸にで明日のダンジョン攻略に向けて自分の部屋へと戻るのであった。


毎度読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] >車よりも大きなモンスターを素手で玉砕していく。 玉砕は特攻隊のように 自分の命を捨てて相手を攻撃する時に使う言葉です。 鎧袖一触で相手を倒してしまうような場合には 相応しくありません。…
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