ウシ編 第2階層
誤字脱字の訂正いつもありがとうございます。
末永く読んでも会えれば幸いです。
「おいっ!起きろこのクソ○○ッ!!」
ガンガンと扉を激しくたたく音とおっさんの声で起こされる。
「えっ!?」
「えっ?ではない、イエッサーだ!そして最初にサーを付けろ!」
「サー・・・、イエッサー、」
「声が小さいッ!!もう一度!」
急に視界に軍服姿の強面のおっさんが出てきた。
しかもこれよく言う「鬼軍曹」ってやつか?
「早く言え!このクソに湧くウジ虫が!!」
「サーイエッサー!」
「よし、ならば俺に付いて来い〇ジ虫!」
「サーイエッサー!」
なんだ、なんだと混乱しながら「鬼軍曹」に付いていくしかなかった。
3度ほど俺と同じような事を繰り返し、4人になり別の場所に移動することになった。
他の3人も混乱しているのか辺りをキョロキョロしながら皆で「鬼軍曹」に付いていく。
1人フードを被っていた女性がいたのが気になるが、聞ける雰囲気でもなかったのでそっとしておいて黙って付いて行く。
数分歩いただろうか、建物から出て外庭に着いた。
1人の受付に鬼軍曹が簡単に報告し、特に何をするわけではなかった。
「全員その場で待機!」
「サーイエッサー。」
何もないだだっ広い外庭に立たされ、特に指示もないまま待っていると、5人ほど人がやってきた。同じように軍服を着たおっさんが受付に報告して、待機している。
「中国5名、 確認しました。」
数分待っていると、また5人ほど出てきた。
「アメリカ5名確認しました。」
「アメリカ 5名、中国5名、日本 5名 全員揃いました!」
どうやら、今回のダンジョンは日米中の合同探索らしい。
全員オレンジ色のツナギを着ており、人相が悪そうな奴が混じっている。
各国から4名の犯罪者扱いされている冒険者と監視役のようなまとめ役1名でチームを組んでダンジョンを攻略するようだ。
俺ら日本の場合は「鬼軍曹」、中国は少し華奢で切れ長の目が特徴の女性、アメリカは金髪でスタイル抜群の女性。
しかも二人とも種類は違えど美人だ。
なぜだろう、日本だけ現実が厳しい。
なぜ、おっさんなんだ。しかも厳つい渋いおっさんなんだ・・・。
見ているだけで口の中まで渋くなるような絵に書いたようなおっさんなんだ。
じっーと鬼軍曹を見る俺、周りの日本勢も見ていたようだ。
恨めしい感情が皆出ていたのだろう、日本勢だけ変な空気が流れる。
鬼軍曹に「あっ?」と睨み返され、俺含めて皆はビビって目を逸らすしか出来なかった。
その後、今回の合同ダンジョン攻略の取りまとめの偉そうなおっさんが何やら英語でしゃべっている。
英語なんて学生時代から何年も使って聞いてもなかったのと俺の英語力も相まって何言っているのか全く分からなかった。
眠い・・・。
このまま立ったまま寝てしまいそうだったが20分後にようやく謎のおっさんによる謎の演説が終わり、各国ごとに解散となった。
無慈悲な現実と、謎の演説で意気消沈する日本勢だったがその後ようやく食事の時間になった。
軍曹ももちろん一緒なので食事中に簡単な自己紹介が始まった。
「まず私から」と鬼軍曹が話し始めた。
「名前は渡辺だ。職業は軍曹。基本的にはお前らの取りまとめ役であり、このチームのになる。指導・教育を行いつつ、ダンジョン攻略を行う。」
似つかわしくないほどの元気女の子が食い気味に話し出す。
「名前は島野ななです!女子高生やってました。職業は怪盗で、罠とか敵とかを見つけるのが得意です!」
じゃあと、ちょっとなよなよした若い男が始める。
「僕は花山です。浪人生で大学試験勉強中です。」
なら次は順番的には俺なので、
「名前は江崎です。色々あって今回のダンジョン攻略に参加しました。」
最後はフードを被っていた女性になった。
フードを外すと見たことある顔・・・。
俺とその女性とでもなんとも言えない雰囲気が漂う。
「名前は蓮池よ。私も色々とあってね。」
ここまでくると腐れ縁なのだろうか、二人して深いため息をついた・・・。
「よし、一先ずの自己紹介は良いとして、前衛は島野、花山、江崎の3名、後衛は私と蓮池といったぐらいで今後のダンジョン攻略を行う。早速明日からバシバシ行くから今日は早めに休んでおくように。」
目の前に並んだピザとサラダを食べ終えた。
シャワー室は男女で別れているが共同のようだ。しかもシャワーしかないのか・・・。風呂に入りたい。
その後は特にすることも無いので刑務所のような部屋に戻った。
部屋の鍵は自由なので不自由はないけど複雑な気分でベットに潜り込み直ぐに眠りに落ちた・・・。
ご声援よろしくお願いいたします。