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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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ヘビ編 第8階層

読んでいただきありがとうございます。

歩いているとふと、人影が見えた。

この階層にいる冒険者は珍しいな。と思った瞬間火の玉がこちらに飛んでくる。


なっなんだ、横に飛び退いて避ける。

避けた先から次々に飛んでくる火の玉。十発程度避けたあたりからは火の玉が飛んでこなくなった。

人影がゆっくりと近づいてくる。


「ふーん、動きは結構早いんだね。でも魔法は打てないし他にスキルはないみたいだね。」


勇者しかりチャラ男だった。


「何のつもりだ?」


「何って目障りだから消しに来たんだよ。お前を消してからここのボスを倒して、聖女ちゃんと婚約、俺のハーレムの一員になってもらうんだよ。」


「気分で人を殺すのか?そんな物語みたいな事の為に人の人生を踏みにじるのか?」


「気分で人を殺して何が悪い?どんな時代も強い奴が正義だ。聖女ちゃんも絶対に俺のことを好きになるさ。俺は強いしかっこいいからな!」


「まったく、話にならないな・・・。」


「男でしかも変態と話したくもないし、そろそろ消えて貰おうか。」


手に持っていた剣で切りかかってくるチャラい勇者。


金棒と剣がぶつかり合い火花を散らす。

腕力で無理やりチャラ男を吹き飛ばす。


その反動を利用して後ろに飛び退いて距離をあけるチャラ男。

火の玉を放つ。


避けきれない距離の為、俺は金棒で火の玉を打ち落す。


そのスキに俺との距離を縮めていたチャラ男。

俺の首掛けて刃が向かってくる。すんでのところでブリッジ、1人ジャーマン・スープレックスで避ける。


ただ、かなり不安定な姿勢になってしまった。

チャラ男に蹴り飛ばされ、数メートル飛ばされ、地面に転がる。

身体にドロが付き脇腹がかなり痛む。


片手で金棒を杖替わりにして直ぐに立ち上がる。


ニヤついているチャラ男


「おぉーしぶといね。下手なモンスターよりもタフだし見た目も動きも気持ち悪いね。」


チャラ男はまだ全力ではないのかかなり余裕そうだ。

剣を片手持ちにして、空いている手がぼんやりと光りだし、火の玉がどんどんと大きくなっている。


「でもまあ、そろそろ終わりにしようか?時間の無駄だしね。」


手を掲げると数メートルはあるのか、火の玉はチャラ男の頭上でどんどんと巨大になっていく。


「変態の割には強かったね、じゃあ消えろ。」


振り下された手。


迫りくる火の玉、いや火炎

視界いっぱいにまぶしい光、肌に感じる熱がどんどんと強くなってきている。



流石にこれはやばいな・・・。

巨大な火の玉が俺目掛けて飛んでくる。避けれる気がしない、茫然と動けなくなってしまった俺。



「何諦めてるんですか!」


リンさんが俺の前に立つ。

「えっ!なんでリンさんが、っていうか危ないです、逃げてください。」



「この程度の火炎魔法、私にかかれば・・・、」



何やら集中して、両手を前に出す。

チャラ男が出した火の玉ほどの大きさではないが、それでも一瞬にして巨大な熱の塊が両手から放たれた。


二つの火の玉がぶつかり合い相殺される。

爆風のなかまだまだ余裕そうな顔つきで近づいてくるチャラ男。


「ヒュー、流石だねリンちゃん。でも、邪魔だからどいてくれないかな?」

「私が邪魔だというなら、あなたが退けばいいでしょうが!」


リンさんの両手から青い火の玉が次々とチャラ男へ向かって放たれる。


「流石にこれはちょっとヤバイかな。俺も少しだけ本気にならないとね。」

「本当は既に本気なのでは?黒沢(くろさわ)さん」

「リンちゃんなら特別に騎士(ないと)くんって呼んでくれても良いですよ!」


青い火の玉を避けつつ接近してくるチャラ男、俺と戦っている時よりも動きが速くなっているように見える。

火炎魔法の弾幕をくぐり抜けどんどんとリンさんに接近する。


俺は助けて貰って何眺めているんだ。

自分自身に激を入れ、これ以上リンさんに接近させないよう二人の間に割り込む。


「邪魔だ変態が!!」

「うるせえ、好きでこんなスキル持ってるんじゃない!」


チャラ男の剣を金棒ではじく。

これ以上リンさんに接近させないよう間に割り込む接近戦でなら俺にも勝機があるはずだ。


「うざってぇな。リンちゃんも無駄に抵抗しなければ可愛がってあげたのに、もう面倒だ二人とも消してやるよ!」


巨大な火の玉を出すチャラ男。


「芸のない人ですね。その程度ならさっきと同じですよ。」

「別に1つしか出せないとは言ってないからね。」


ニヤつくチャラ男の周りに無数の火の玉が出て、どんどんと巨大になっていく。


「残念だけど、一緒に消えて貰うよ。」



迫りくる火の玉

視界一面に広がる炎。



皮膚に強烈な痛みが走る。


手袋が、ブーツが燃え尽き・・・意識も消え入りそうになる。

マスクだけは燃えないようでギリギリの状態で()の意識を保っている。



止むことのない炎の嵐、爆風の中ただただ耐える事しかできない。



既に熱い痛いという感覚もなくなってくる。

視界も炎で何も見えない。頭も朦朧として、思考も出来なくなってきた・・・。

ただ、炎が過ぎるのを待つしかないのか。




炎の嵐が過ぎ去った後、沼地は湿気が失われたかのようにひび割れた地面となっていた。


二人の人影があった。

「おぉーリンちゃんだけは生きてたんだね。」

ぱちぱちと拍手をしながらボロボロになり、立っているだけでも辛そうなリンに近づいていく。


「はぁ、はぁ、これ以上は近づかないで・・・、ゲスが・・・。」

「まあ、ここまでやる必要もなかったんだけどね。ほらね一様俺って勇者じゃん舐められたら国の沽券ってやつにも影響するでしょ?」


「ケンさんは?彼は?どこに?」


「あぁ、燃え尽きてしまって原型も残っていないみたいだね。

 まあ魔法の一つも使えない奴で魔力も豆粒程度しかないから魔法が使えても大した威力にもならないだろうけどね。」



「さてと、少し話過ぎたかな、そろそろこのダンジョンを攻略してカワイ子ちゃんとイチャイチャしないといけないからさ。消えて貰おうか、じゃあね。」


チャラ男が構える。

リンに向けた手から炎が放たれボロボロになったリンを襲う。


感想・ブックマ・評価ありがとうございます。

細々で申し訳ありませんが毎週更新しますので今後ともご声援よろしくお願いいたします。

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