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俺には〇〇が憑いている!?  作者: 読書最高(^o^)/
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起承転結の結

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。


承。


「福の神だと!? 俺の不幸を幸福に変えるだと!? バカバカしい。」

「仕方ないだろう、私は福の神なんだから。」

「そんな話が信じられるか!」

「貴様が信じる信じないはどうでもいい。」

「な?」

「重要なことは、私が貴様に憑りついているということが重要なのだ。」

「なに!?」

「もし私がいなくなれば、貴様は襲い掛かって来る不幸に押し潰されて、死んでしまうだろう。だから、今年の不幸12に選ばれたのだ。私が貴様に憑りついている限り、貴様の不幸は幸福に変わるだろう。」

「そ、そんなこと信じられるか!?」

「不幸の上に、頭も弱いのか・・・本当に不幸の塊だな。」

「うるさい! ほっとけ!」


福の神の女は、ヤレヤレといった顔で、首を横に振り、手をあげてお手上げアピールをする。


転。


「わかった、私がどれだけ、ありがたい福の神様か、教え込む必要があるようだな。」

「なにをする気だ?」

「貴様、これから女子更衣室に行け。」

「なに!? 俺は覗きの趣味はないぞ!?」

「普通なら、変態! 痴漢! とボコボコにされるだろうが、私が憑りついていれば別だ。貴様の愚行も正当化される。」

「そんなバカなことが・・・、しかし、女子更衣室・・・男のロマンだ。」

「ホレホレ、いいことがやってきただろう。」

「こ、今回だけだぞ、俺は別に好き好んで、行くわけじゃないからな。」

「おい、その割には、顔がにやけてるぞ。」

「そうですか。エヘヘ。」


俺と福の神は、女子更衣室の前までやって来た。


「憑依!」


福の神は、俺の頭に憑りついた。後頭部に胸が当たる感触が、微妙に嬉しかった。


「本当に大丈夫なんだな?」

「安心しろ。私が貴様にくっついている間は、貴様は無敵だ。」

「いくぞ!」

「いけ!」


ガチャっと女子更衣室の扉を開けた。


結。


「キャアアア!!!」


女子更衣室の中は、女子高生が着替えの最中だった。男として非常に良いモノが見れた。が、女子の悲鳴を聞き、死を覚悟した。


「ご、ごめんなさい!?」

「キャアアア!!! ゴキブリ!!!」

「え!?」

「リエちゃん、ゴキブリを退治して!」

「は、はい!」


悲鳴は、女子更衣室に入って来た俺にではなく、女子更衣室に現れたゴキブリに向けられたものだった。俺は、パン! とゴキブリを一撃で倒した。


「リエちゃん、ありがとう。」

「ゴキブリを倒せるの、カッコイイ。」

「そ、そうかな。アハハハ。」


ゴキブリを倒した俺は、女子更衣室で裸や下着の女性に囲まれて幸せだった。


「な、私の言ったとおりだろ?」

「そ、そうか?」

「貴様の不幸は、ゴキブリに転換され、露出した女子高生にチヤホヤされる、いいことがあっただろう? どうだ? 福の神を信じる気になったか?」

「誰が信じるか! これも俺の日頃の人気のたまものに違いない! やっと俺の良さが女子に認められたんだ!」

「・・・あっそう。私を否定する奴は、死ねばいい。」


そう言うと福の神は無表情で、俺の頭の上から去って行った。


「キャアアア!!! 変態!!! 痴漢よ!!!」

「え!?」

「キャアアア!!! 覗き!!!」

「ええ! 俺はゴキブリを倒したじゃないか?」

「問答無用!!!」

「そんな!?」

「女の名前してるからって、女子更衣室に入って来るな!!!」

「た、助けて! ギャアアアア!!!」


こうして俺は、怒り心頭の女子どもにボコボコにされ、生と死の狭間を彷徨い。女子更衣室から出てくる頃には、福の神のありがたみが身に染みていた。


「私のありがたみが分かったか?」

「はい。お、お世話になります。」

「分かれば、よろしい。アハハハ。」


こうして俺は、福の神の存在を信じ、不可思議な共同生活を送ることになった。


つづく。

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