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俺には〇〇が憑いている!?  作者: 読書最高(^o^)/
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不幸を呼び寄せるの起

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。ちなみに俺のクラスメートは、新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。


承。


「いやあ~、ランチの貴様が先生に問題が解けなくて怒られる不幸は、食べ物がおいしいというか、気持ちがおいしいというか、とにかく、おいしいな。」

「怒られる前に助けてよ。」

「助けたら、不幸が食べられないじゃないか?」

「そんな、アホな!?」


俺とハッピーゴッドが、屋上で楽しく会話をしていると、屋上から飛び降りようか、飛び降りないでいようか、足を上げたり、足を下げたり。はっきりしない女子高生がいた。


「あれも貴様の不幸を呼び寄せるスキル、リエの呪いに引き寄せられて来たんじゃないか?」

「ええ!? 俺のせい!?」

「まったく、罪な奴だ。エヘヘ。」

「俺が不幸を呼び寄せるのは、全自動だ! 俺は悪くない!」

「知るか!」

「できるだけ、関わらないでいよう。」

「貴様も、飛び降り自殺経験者だろ!? そこは、俺には君の気持ちが分かるから、自殺なんかしちゃダメだ! って止める所だろ!?」

「嫌だ。だって、不幸は俺にやってくるんだもん!」

「あの・・・人が屋上で自殺しようとしたら・・・止めるのが日本人じゃないでしょうか?」

「うわぁ!?」

「不幸がやってきた!?」


恐るべし、俺の不幸を呼ぶチカラ・・・。


「君の名は?」

「モゴモゴ・・・。」

「え? もう一回言ってくれるかな?」

「モゴモゴ・・・。」

「聞き取れない・・・大きな声でしゃべってもらっていいかな?」

「地味な佐藤さん・・・です。」


女子高生は、俺と同じ渋谷キャラ高校の女生徒の制服を着ていた。しかし、俺は、こんな地味な女の子を知らない。俺にはお化けか亡霊に思えてきた。背筋がゾワゾワ・・・。


転。


「地味な佐藤さん!?」

「し、下の名前も無いん・・・です。」

「同じ学校だよね? クラスは何クラス?」

「Cクラス・・・。」

「Cクラス!?」


俺は驚いた。Cクラスとは、過去作品でも、悪役か、ちょい出演で、たまたま名前が付いただけのキャラである。ちなみに俺は主役ばかりのAクラス。やったね!


「佐藤さんは、どんな作品に出ていたの?」

「バスケと妖精さん・・・。」

「その作品はどうなったの?」

「コンテストの字数に到達したら・・・完結した。」

「その中で佐藤さんは、どういう役柄だったの?」

「火の精霊さんのマスター・・・でした。」

「すごいじゃない!」

「・・・でも、私がモゴモゴしゃべるから、火の妖精さんに愛想を尽かされて、去られちゃったの・・・。」

「確かに、そのしゃべり方ではね・・・。」

「それ以来の登場・・・です。」


不幸なキャラクターを一から作るよりは、思い出して再登場。


結。


「不幸と福の神がウリの作品だが、ここまで暗い女に世間の需要があるのか?」

「福ちゃん、何もそんなハッキリ言わなくても。」

「大丈夫、私の声は憑りついている貴様にしか聞こえない。」

「聞こえて・・・います。」

「え!?」

「なに!?」

「私、子供の頃から、霊感とか強くて、妖精さんとか、小人さんとか、少し変わった者が見えるん・・・です。」

「そうなんだ。地味にすごいね。」

「福の神さんって・・・カワイイですね。ニヤッ。」


地味な人間が不気味に笑う。これ以上、背筋がゾクゾクすることはない。


「貴様! 早くこいつに触れろ! 寒気のする不幸を浄化してやる!」

「佐藤さん、少し触れるよ? ペチャ。」

「キャア・・・。」


地味な不幸が俺の体に移動してきた。


「俺まで地味になってきた・・・早く食べて・・・。」

「貴様の不幸、頂くよ!」


福ちゃんは、俺から不幸を手で掴み、ア~ンと口を開け、パクッと食べて、口の中でモグモグと味わい、ゴックンと食べて、プワーと一息を吐く。


「おいしかった!」

「危ない、危ない! もう少しで地味になるところだった・・・。」

「地味な方が不幸がたくさん、やって来そうだな。」

「勘弁してよ・・・。」

「暗い会話は、やめて下さい!」

「え!?」


俺と福の神が、地味に暗い会話をしていると、間の前に光輝く女子高生が現れた。


「私は、佐藤光子。なんだか光り輝いてます!」

「さ、佐藤さん!?」

「地味女が光を放って、輝いている!?」

「もう私は、地味じゃないんだ! わ~い!」

「こんなに変わるか~?」

「貴様が地味な不幸を吸い取ったのだろう・・・。」

「屋上で自殺なんてしている場合じゃないわ! 光り輝く高校生活を送らなくっちゃ! さようなら!」


地味な佐藤さんは、明るくなって、去って行った。


「こういう使い方もあるんだな・・・。」

「食べたこっちが地味になってきた・・・トイレで出してこよう・・・。」


がんばれ! 俺と福の神・・・。


つづく。

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