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俺には〇〇が憑いている!?  作者: 読書最高(^o^)/
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久野文香の承

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。


承。


「なんだか、嬉しそうだな?」

「そうか。ニヤ。」

「なにか、いいことでもあったのか?」

「聞きたい? 聞きたいなら教えてあげてもいいけど。」

「別に・・・。」


学校を終え家に帰って来た俺を福の神の福ちゃんが出迎えてくれた。自然と不気味に笑えてしまう。自分の部屋に入り身支度や片づけを終え、落ち着いてから話し出す。


「実は今日、転校生の女の子がやってきて、俺の彼女になりたいって言われたんだ。アハハハ。」

「よかったな、おめでとう。」

「リエちゃん、オカマ、男女・・・いろいろ言われてきた、不幸の塊の俺にも、やっと幸せがやってきたんだ!」

「私も福の神として、役に立ててうれしいぞ。」

「福ちゃんは、研修でいなかったじゃないか?」


最初は、福の神に研修なんかあるのか? 俺は福の神にすら見捨てられたと思い込んでいた。やっぱり不幸の塊なんだと。


転。


「俺は福の神に頼らなくても、久野文香ちゃんがいれば、幸せに暮らしていけるんだ! 神様! ありがとう!」

「アハハハ・・・。」

「文香ちゃんは、リエっていう俺の女みたいな名前も素敵って言ってくれるんだ! オンリーネームだって! そんなことを言ってくれた女の子は、初めてだ! 生きててよかった!」

「そうだね・・・。」

「春だ! 正月、早々に春が来た! 山に来た! 海に来た! 俺に来た!」

「・・・もう付き合いきれん。好きに騒いでろ。」

「ハハハハハッ! キャハハハハ! ウワッハハハハ!」


そういうと、福の神は部屋を出て、廊下に去って行った。


結。


「しまった!? やり過ぎたか!?」


福の神は、何をやったのだろう?


「いや、しかし、オカマの注目を逸らさないと、福の神である私が襲われて、あいつの餌食になってしまう。それだけは回避しなければ!」


鋭い名探偵は、もうミステリーを解決しているだろう。


「私は研修に行っている訳ではない。」


どこに行っているかというと、光リエと同じ学校に行っている。


「久野文香をひらがなに直すと、くのふみか。並び替えると・・・ふくのかみ! 漢字に直すと福の神。そう、転校生の久野文香の正体は、私なのだ!」


そうとも知らない俺は、布団を力強く抱きしめていた・・・。


「文香ちゃん! 大好き!」


それを廊下から、こっそり覗いている福の神はゲッソリしていた。


「気持ち悪う・・・おえ。」


やはり人間と福の神は分かり合えないのだった。


つづく。

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