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「ちょっとずつ壊れてる」「心のない心の私」
「ちょっとずつ壊れてる」
なんだってんだ
病んだってもう
いっつも気付けば
10年以上たってる
普通だって言ってたってもう
病んでたって言われたってもう
許してくれなんていわないから
ただほっとかないでって
でも構わないでって
どうしたいのって
それが病んでんだって
そんなことって
みんな知らないふりして
ホントは知ってるくせに
壊れなきゃ気付かないなんて
嘘だよ
「心のない心の私」
悪気のない悪意の日常の雨が降り
作為のない突き刺さる騒音の雨が降り
薄皮もないシーンへの共感の雨が降り
覚悟のない人間としての自覚の雨が降り
心のない心の私に
全ての雨が染み込んでいく
そして
突然に
ハリネズミみたいに
全ての傷口から
吹き出した
外がわへ
内がわへ
心のない心の声の
心のない心の詩は
眠ったままの蝉の寝言と
黙ったままの深海魚の泡と
胎児の声なき泣き声と
せんべいの割れる音になって
この透明すぎる世界に
この汚泥と汚染の世界に
この見えない聞こえない届かない世界に
霧散してして
波のまにまに
溶けて
消えて
しまった