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「あの日の山の上で」「そ」
「あの日の山の上で」
ろーぷうぇいで山に登って
少しだけ山道を歩いて
質素な売店を過ぎて
温泉があって
その横に
頂上がありました
夏草が光っていて
五月の風が吹き渡り
遥かにきらきらと光っているのは
海です
弁当を広げて
お茶を飲んで
子どもはまだ小さくて
私は寝転んで目を瞑って
しばらく寝てしまって
あの山の上には
まだ半分しか
哀しみを知らない
私がいました
まだ
未来を信じていた
妻がいました
将来の尻尾を掴みかけていた
私たちがいました
「そ」
そしたらちょっとだけ
好い詩を書けたらいいな
そんなことばかり
いい年をして考えてます
そこらじゅうには
出来なかった事ばかり転がっています
それでもそうやってしか
生きることが出来ないんです
そろそろあきらめて
これでも仕方ないかなと思っています




