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【詩集】伝えたいこと  作者: につき
13/20

野ざらしのプレゼント

白いくすり

ちいさなくすり

少し青いくすり


たくさんくすりが降って来る

決められた量は飲まなきゃいけない


スチームで温められた

室内と白いベッド

窓の外は雪がちらついている


談話室へ行きましょう

だれもダメだとか違うとか言わないなれど

外に出たいと言ったら

それだけはダメなんですと

厳しい顔で怖い顔で顔が近いよ


物語は三匹の山羊が怪物に勝ってしまう

赤ずきんちゃんは狼にどうなってるの

三匹の仔豚は食べられるのかな


みんな本当の事ばかり言うんだ

昨日の昨日の昨日のことばかりとか

細かい細かい細かいピンの曲がり具合とか

黙って黙って黙ってじっと全部わかってる目で見てたりとか


閉鎖病棟のクリスマスは

サンタが来ない

サンタは許可証を持ってないから


みんな嘘を受け入れて

喜んだふりを受け入れているうちに

だんだんとやけくそに楽しくなってきて

トイレで一人泣いてるんだ


これが童話なんだよ

優しいこころばかりの人たちの

優しいばかりからの狂暴性の

押さえつけされるばかりの

思い思い思うクリスマスなんだ


みんなサンタなんか知らないんだ

ただしってるのは

お父さんと

お母さんと

幻になった家族の

温かみの中で語られていた

夢の夢のその中の幻の幸せな綿ぼこりの帽子


だから、そんなことじゃないんだって

鳥の足とか、飾りつけとか

セリフとか、コスプレとか

そんなことのもっともっと奥にあるものだよ


誰と食べるとか

何を語るとか

どこで話すとか

これからどうするとか


その瞬間だけの誤魔化しだけじゃなくて

もっと先のこと

そして今のこと

そして昔のこと


サンタは置いていくだけで、決して持って行ってはくれない

どうしようもない抱え込んだものを持って行ってはくれない


丸焼きにされた放り出された患者たちは

今日も野ざらしのまま

プレゼントの恰好をして

受け取り手を待っている




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