表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【詩集】伝えたいこと  作者: につき
12/20

叡智と芸術のはるかな尻尾の先へ

わたしはバイオリンが弾けないけれど

その美しい旋律が胸の中で響くとき

鈍く疼く冷たい鉄の扉を感じる


扉の中で何かが身じろぎしている

胸の詰まるようなこの思いを

刺すような痛みとともに

旋律は呼び覚ます


頭の中では軽やかな音譜の流れが踊り

耳からは透明な拍手が響く

脳裏に描かれるのは

白いふっくらとした面影


たおやかな腕は弓をひき

ときに機敏に

ときにゆっくりと

奇跡の音色を奏でる


その音色は決して扉を開けることはない

静かに外側から働きかける


扉の奥まで響く慎重に選ばれた音は

奥で身じろぐ眠れないものを眠らせて


鍵穴から忍び込む哀切漂う旋律は

血を流し猛るものを静まらせる


ふゆの澄み切った空気を震わせて

幽閉された窓の中にも

輝ける響きは届く


病気のこころたちよ

嘘に傷ついたこころたちよ

己のアバラを内側よりばきばきと開くことしか知らぬ

愚かな私よ


先人たちの

叡智と芸術のはるかな尻尾の先へ

連なることが出来たなら


生きるとは厳かな光のあるものだと

感じることが出来るだろう


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ