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【詩集】伝えたいこと  作者: につき
11/20

夢を食う鯨

昨日の夢は

咳の中で死んだ


今日の夢は

車に轢かれて死んだ


明日の夢は

やがて来る喧噪にもう死にそうだ


延々と死に続ける

夢は遥々と夢を見る


昨日は地球の一番内側の

一番熱いマグマの中で

ぐらぐら熱い夢を見る


今日は赤道直下のジャングルの

極彩色の鳥の巣の中で

何時か飛び立つ夢を見る


明日は南極の氷の山の

全てを凍らす嵐の中で

白熊の子を探す夢を見る


華やかなりし

緑の回転木馬は

死んだ夢の夢を乗せて

時速1700キロで廻る廻る


廻り回って見る夢の

色は鮮やかに

音は朗々と


登場するさまざまの

迫力もぐいぐいと


わたしの沈んだ胸の奥の流氷を

ばきばきと割って

大きな鯨が顔を出す


優しい顔をした白い鯨の

髭の先に

昨日死んだ夢が

まだ引っかかっている


白い鯨は死んだ夢を食べて

私の胸の中で

どんどん

大きくなっていく


やがて

わたしが死んだなら


巨大になった鯨は

わたしの死骸を

ばくりと ひとのみにして

ゆらあり ゆらあり と

海の底のもっと底の

誰も知らないところへ潜り

それきりどこかへいってしまうのだろう





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