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全てが終結したこの世界で  作者: 兎鈴
1章 光速を求める敵
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光速を求める敵:水銀の狼

「何者だ」


 ロバートの声に殺気が含まれているのを、イリヤは感じ取った。


「……私のコードネームは、サタンだ」


 水銀を纏った機人は、そう答えた。


「JOKERだな」

「そうだ。お前たちは、Nemesisに所属するロバートとイリヤで、間違いないな?」

「そうだと言ったら?」


 瞬間、ロバートは掌を展開させた。ほぼ無音で放たれたレーザーは、サタンが放った水銀の針を見事に消滅させた。


「手荒い歓迎だな」


 サタンは両腕を剣のように鋭い形に変えると、凄まじい勢いで突進してきた。その切っ先は極音速すら超え、轟音を撒き散らしながらロバートに迫った。

 速度特化型ですら認識できるかどうかの速度の攻撃に、思わずロバートは動きを止めてしまった。

 バァンッ!という破裂音。薄暗い廊下に、夥しい量の血液が四散した。

 突然の出来事に、イリヤの動きも止まった。

 致命的な隙だった。

 ザクッ、という音がした。イリヤの首は、水銀の刃によって綺麗に両断されていた。


◆◇◆◇◆


「こちらサタン。二人は仕留めた。とんだ雑魚だった」


 水銀に覆われたサタンは、薄暗い廊下に散らばるイリヤの首やロバートの肉片などを見ながら言った。


「了解だ。そろそろ戻ってこい。客人を歓迎する」


 サタンは無線を切ると、音もなく廊下から去った。

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