第ニ章、 決心6
卸本町の蜃気楼オリジナル文章
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html
春菜は、自分のデスクに座り、俯いていた。
その周りでは、社員達が事情を聞きつけ、集まっていた。
他の女性社員一人が、「み..未来の人にしては、地味ね..。
パーマも掛けてないし、化粧も地味で、高校生みたいだけど」。
<作者:この時代の人は、最先端と言えば、やたら、ど派手な人だった。>
また他の女性社員が、「ねえ..西条 敏郎まだ生きてる?。死んでないよね、
大好きなのよ~」。
この時代の、男性アイドルだった。
だが、春菜にとっては、あまりに昔のアイドルだけに、覚えが無いので首を傾げた。
洋子が、「敏君、今25でしょ、春菜の時代では65でオジサンよ、知るわけないでしょ!」。
すると男性社員、「テレビはやはり、壁掛けかい?」。
春菜、「はい、新しいデジタル、フルハイビジョンは壁掛けで、液晶です..」。
男性社員、「デジタル?フルハイビジョン?液晶?。それは凄そうだねぇ~」と、関心していた。
女性社員が、「ねぇ、春菜の時代はラーメン一杯、幾らなの?」。
春菜、先ほどの財布から、サービス券を取り出し、
それを見ながら、「通常650円が、100円引きの550円です」。
社員全員、「たかぁ~~い!」と、声を荒げた。
何しろこの当時、ラーメン一杯150円もしなかった頃で、
喫茶店でコーヒー飲むと、今の缶コーヒーと同じか、それ寄りも、安かったからだった。
女性社員は、生活質需品の値段を細かく聞いていたが、
あまりに、この時代の製品よりも高過ぎて、未来を拒絶し始めた。
男性社員はやはり、今後の未来の経済の事で、未来を拒絶し始めた。
オイルショックから、物価高騰、政治経済、天下りの話から、
30年後の、リストラの話まで聞いていた。
そして女性社員が、「春菜、その東京で派遣で働いて居た時の、給料は幾らだったの?」。
春菜、「手取りで、交通費入れて20万です」。
別の女性社員、「私達の給料の5倍は貰ってるけど、物価が高いからねぇ~」。
男性社員、「タクシーの初乗りが、高過ぎだよ..」。
洋子、「だって、かつ丼一杯、850円が平均だよ!」。
他の男性社員、「物価に比例して、電気製品の値段が、
大幅に落ちている物も在れば、日常使う物が上がってるね。
しかも消費税5%は苦しいよ」。
議論を交わす中、一人の年配の女性社員が、「さ~、後の事は、
ゆっくり個人的に聞いてちょ~だい。仕事よ仕事..」。
そう言って、手をパンパンと叩くと、ざわめきながら、
各々自分のデスクに着いた。
その年配の女性は、春菜に、「さ~!これからこの時代は、あなたの物よ!。
必ず努力すれば、それなりに希望が掴めるから、がんばって働きなさい!」。
春菜は、その言葉に励まされ、「はい、がんばります」と、仕事を行うのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




