表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/59

第二章、 決心3

卸本町の蜃気楼オリジナル文章

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html


角を曲がると、店先には大きなガラスケースの中に、食品サンプルが複数並べられていた。



スパゲーティー、ナポリタンに、フォークが巻かれていて、宙に浮いていた。



ラーメン、カレーライス、オムライス、ハンバーグステーキ、とんかつなど、



喫茶店の定番メニューだった。



春菜の時代では、この食品は定食に近いが、この時代では贅沢な食事である。



春菜はそれを見て、感動していた。



なぜなら、春菜の時代ではあまりに、飲食店では、このメニューは在り来たりで、



こんなに、定番のメニューをアピールしている店は少なく、



逆に新鮮に見えたからだった。



春菜は、独り言で、「ファミレス寄りも感動!」。



他の女性三人は、同時に、「なにそれ?」。



春菜、「い..いや、独り言です..」と、咄嗟に言い訳をした。



店に入ると、大勢の人達がテーブルに着いていた。



テーブルにはソース類と一緒に置かれた、高級料理店で使用する、



大きな赤い色のメニューが、置かれていた。



四人は空いている席に座ると、メニューを開いて品定めをしていた。



メガネを掛けた女性が、「カレーライスも、いいけどね~」。



ウェーブが掛かった髪先を、人差し指で巻きながら答えた。



背の高い女性は、「そうね~、ピラフもいいけど、後でお腹空きそうね~」。



小指を噛みながら答えた。



細面の女性は、「丁度いいのは、やっぱりオムライスね!」。



皆さん、「賛成!」。



春菜、「楽しみぃ~」と、ワクワクしていた。



そして、この当時ラッカセイの入れ物が有り、そこに100円硬貨の挿入口が有り、



100円硬貨を入れ、レバーを引くとラッカセイが出てくる仕組みの、



小さな機械が洋食店のテーブルには、必ずと言って良いほど置かれていた。



それを手に取った春菜は、レバーを引いた。



するとメガネの女性、「あんた!さっきから、お金も入れないで、取ろうとしてるけど無理よ#」。



いささか春菜の行動に、怒れたらしい。



春菜、「ブザー鳴らして、店員呼ぼうかと..」。



春菜はそれが、この当時の呼び出しブザーかと思った。



メガネの女性、「なに言ってるのよ?あんた#」。



逆時代に付いて行けない、春菜だった。



見かねた背の高い女性が、手を上げてウェートレスを呼んだ。



すると春菜は、そのウェートレスに驚いて、



口を両手であてがい、「あ~..」と、声を上げて驚いた。



それはまさに、メイドの格好だった。



この当時、洋風飲食店のユニフォームはあいまいで、



ウェイトレスと言えば、この格好が定番だった。



今でもメイドが、秋葉原で流行る前から、東京のテーマパークの中の飲食店は、



この格好で、出てきますよね。



中華やインド、フランスやイタリヤなど、限定した飲食店は、地方では少なく。



洋食と言えば、この当時は全部がフランス貴族を、ベースにした店造りが主だった為に、



春菜の時代では、店員がメイドで出てくる飲食店は、



風俗系の店が、当たり前なので驚いてしまった。



増してや、この間まで東京で働いていた為に。



しばらくすると、先ほどのメイドさんが、注文の品物をトレイに乗せてやって来た。



美味しそうな、ケチャップが掛かっている、スタンダードのオムライスが、



テーブルに並べられて行く。



並べ終えると、春菜はお皿の端に乗っている、飾りを指で摘み、「ハーブ?」と、答えると、



メガネを掛けた女性が、「パセリよ!」。



春菜はパセリを、指でくるくる回しながら、「なるほど!お刺身の上だけじゃないんだ」。



この三人にとっては、とても不思議な子に思えたのであった。



そして春菜はペーパーが、まかれているスプーンのペーパーを取って、



オムライスの端にスプーンを入れて、一口乗せてそれに、ケチャップを付けて食べた。



春菜、「う..うまぁ~い、味が媚びてない」。



その表現に後の三人は、大笑いだった。



背の高い女性が、「媚びてないと来たか..」。



細面の女性、「くどくないって事?」。



メガネの女性、「はっきり、あっさりしているって、言いなさいよ#」。



そんな会話で、食が進む四人だった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ