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第二章、 決心2

卸本町の蜃気楼オリジナル文章

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html

300万円せしめた割には、ご機嫌斜めな春菜は、そそくさ店を出た。



スカートのポケットを膨らませて。



すると、まだあの三人は、ショーウィンドで、商品の評価に華を咲かせていた。



店を出て来た春菜に気づいた、



メガネを掛けた女性が、「なにあんた、お金借りに行って来たの?」。



だが膨らんでいた、春菜のポケットに三人は注目した。



まさか、300万もの大金が、スカートのポケットに入っているとは、思いもしないこの三人は、



同時に、「何を買ったの?」。



春菜、「あ..あの~、香水を一つ買ってきました..」。



この三人は、有名ブランドの香水を買ったかと思い、三人同時に首を立てに振った。



そして四人は、洋食屋に足を運ぶのであった。



通りの角を曲がろうとした時、売店の軒先のドリンクの、自動販売機に目をやる春菜、



不思議そうに見ていた。



その自動販売機は、今ではすっかり、お見かけしなくなった、



ビン引き出し式の自販機だった。



すると、作業着姿の男性が、自販機にちゃり銭を入れて、



自販機の扉を開けて、ビンを引き抜いた。



自販機に付いてた、栓抜きでビンの蓋を開けて、



飲みながら立ち去って行った。



それを見ていた春菜は、自分も扉を開けてビンを引っ張った。



抜けない..。



その光景を不思議そうに見ていた、



三人の中の細面の一人の女性が、「あんたお金入れないと、出てこないわよ..」。



春菜、「でも、お金入れなくても取れそうだから..」。



そう言ってビンを引いたり押したり、だんだん強引になってきた。



見かねた、メガネを掛けた女性が、自分の財布から、細かいお金を出して、



自販機にお金を入れてあげた。



するとカシャ!と、音がしてロックが外れ、春菜はビンをグッ!と、引くと、



ガシャガシャと、音を立ててビンが出てきた。



春菜は ”ヤッタァ~ ”と、一人で喜んでいたが、



我に返り三人に、冷たい視線を浴びせられていた。



すると三人は、急に笑い出し、背の高い、



春菜のデスクの隣の女性が、「あんた、どこの田舎から出て来たの?」。



メガネを掛けた女性が、「そんなに抜くのが楽しいの?」。



細面の女性が、「でも、かわいいから、いいわよ..」。



春菜はビンを持って、俯いた。



春菜は、徐に現金が詰まっている、逆のスカートのポケットから、



自分の財布を取り出し、小銭で500円硬貨を取り出した。



それを、メガネを掛けた女性に手渡すと、「お詫びに、500円差し上げます」と、答えた。



その女性は、「これなに?バカでかい100円玉は..」。



春菜は咄嗟に、その500円硬貨を、メガネを掛けた女性から奪い、



財布から100円玉を出して渡した。



そう、まだこの時代には500円硬貨は、作られていなかったからだった。



メガネの女性、「それなに?今の本物っぽい、大きな100円のおもちゃ?」。



春菜は、たどたどしく、「あ..いや..、ま..マジックショーで使う、おもちゃの硬貨です」と、



言い訳をした。



女性三人は大笑いで、メガネの女性が、「おもしろい子ね!」。



背の高い女性、「本当にびっくりしたわよ」。



細面の女性、「その冗談、なかなか面白かったわ、アハハハハ」。



皆さん信じてくれた様だった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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