第十二章、明るい日々2
卸本町の蜃気楼オリジナル文章
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html
今日は仕事調整で、会社を早く終えた、
例の三人組と春菜達は、デパートに足を運んだ。
エスカレータに乗りながら、4人は会話をしていた。
圭子、「今の内にデパートを、楽しんで置かないとね!」。
良子、「潰れるまでに、まだ30年有るのよ、急ぐ必要は無いわよ..」。
洋子、「それよりも、今から10年内に、春菜の携帯電話を探し出さないと、
値打ちが下がるわよ..」。
その時、良子と圭子が同時に、「この強欲女が#!」と、言い放ったのであった。
四人はまずは腹ごしらえと、デパートのレストランへと、足を運んだ。
今日は皆、ばらばらな品物を頼み、春菜はオムライスを頬張っていた。
それを見た洋子が、「あんた本当に、オムライス好きね~」と、呆れた。
圭子、「別に良いでしょ!、御馳走なんだから」。
良子、「でも似合うわよ、アハハハハ!」と、笑っていた。
圭子、「春菜あんた、まだお子様ランチ食べていても、違和感無いわよ、アハハハハ」。
洋子、「あんた未来から来たって言う割には、この時代の食べ物、美味しそうに食べるわね。
そんなに未来は食料難なの?」。
圭子、「やはり水が違うのよ、水が...」。
昭和44年組に、からかわれる春菜だった。
良子、「春菜の時代の御馳走ってなによ?」。
春菜は食べるのを止めて、考え込んでいた。
それを見た44年組みは、不安になった。
何故ならこの時代の御馳走と言えば、真っ先に思い付くのが、
ビーフステーキ、略してビフテキや、ハンバーグステーキやオムライス、寿司、
うなぎなどと言った物だが、直ぐ答えられない春菜に対し、
本当に食糧難が迫っているのかと、思ったからだった。
春菜は考えた末に、「洋風ならビストロパイエリアとか、パスタカルボナーラとか、
フランス料理で、したびらめ系とか、テリーヌ系とか、
フグ料理とか、しゃぶしゃぶとか..」。
この時代で言う、横文字だらけで44年組には、
ピンと来ない料理品目だらけで、理解不能だった。
圭子、「しゃぶしゃぶと、ふぐ料理だけは解るわよ。
ふぐは大阪独特の調理法で、てっちりと言って鍋で野菜と混ぜて、
煮て食べる料理で、他にも刺身でも頂くわ..。
しゃぶしゃぶは、東京でも高級料理店でしか味わえない、
薄切りにした霜降牛肉を、箸で肉を摘まんで、
沸騰した専用の鍋で、浸して食べる料理よ」。
洋子、「へ~、あまりにも美味しい物、毎日食べ過ぎて、
飽きてしまって、この星の質素な食生活が、美味しく感じるのね~ 宇宙人には#!」。
圭子、「そんなに、やっかまなくてもいいでしょ#!。
時代の流れで、今の高級料理が未来では、
安く庶民の口に入る様になったからで、春菜が特別に大富豪の家で、
そうしたご馳走を、口にする事が出来た訳では無いのだから!」。
良子、「そうよ#!、洋子あんたは人の庭を、良く見過ぎなのよ!。
食生活は豊かでも、仕事には不自由していて、困っているのよ未来の若者は#!」。
洋子、「なによ#!、私だってねぇ、子供の頃は貧乏で、
毎日おからとカボチャばかりで、しゃぶしゃぶなんて、
そんな御馳走今でも、口にした事ないわよ#!」。
圭子、「喧嘩するんじゃ無いの#!。
別に春菜が自慢して、言ってる訳では無いのだから!。
でも考えて見なさいよ!、これから少なくとも10年後には、
私達の給料でそうしたご馳走を、口に入れられる事が、判明したでしょ#!」。
良子は手を洋子に差し出し、「返しなさいよ#!」。
洋子、「何を..」。
良子、「春菜から貰った、寄付金..」。
圭子、「ほ~ら来た、そう来ると思った!」。
良子、「三人に配った300万の一割、返しなさいよ#!」。
洋子、「嫌よ!、あんたが返せと言う権利は無いでしょ!」。
良子、「私はこの子の親よ#!、春菜が大人しくしているなら、
私があんたから要求するわよ#!」。
春菜は大人しくしていたが、さすがに、「止めて#!、
この先言い合うと、洋子さんが良子さんに、
触れてはいけない事、言い出すから止めて#!!」。
洋子、「何よ?、触れてはいけない事って..」。
春菜、「洋子さん、『あんた春菜は、一度は捨てた子でしょ#!』って、言い兼ねない#!。
言って置くけど、良子さんが私の前世で下ろした事、
これっぽっちも恨んで無いから..」。
静まり返る44年組だった。
すると圭子が呟いた、「童顔でも春菜の方が、よっぽど大人ね..」。
洋子と良子は、俯いたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




