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第十二章、明るい日々

卸本町の蜃気楼オリジナル文章

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html

相変わらず会社では、社員達が昼休み、春菜に未来の出来事を聞いていた。



男性社員の水口が、「未来はまだ車は、タイヤで走っているんだね」。



するとやはり、男性社員の広岡が、「引力に逆らうのは、この先40年間では無理だったか」と、



考えていた。



明子、「全身を包む様な、漫画に出てくる地球防衛軍の、あの服は着てない様ね..」。



大野、「それで年金は、どこに消えたかも不透明とは、お粗末だね..」。



小幡、「我々は騙されていたんだ」。



洋子、「私の年金返してよ#!。携帯電話も返してよ#!」。



里美、「携帯電話は、春菜の物だったの#!。



あんたが『返せ!』と、言う権利は無いでしょ!」。



皆さん呆れた。



良子、「40年経てば、手に入るでしょ!。しかもタダで頂ける様で..」。



明子、「携帯電話を売った方は、かなり幸せみたいだけど..」。



春菜、「そんな事言わないで下さい..」と、俯いた。



明子、「何でよ?」。



すると春菜は恐る恐る、洋子を指差した。



洋子は顔が強張っていた。



今にも怒りのゲンコツを、



頭に炸裂する寸前の様で、拳を握り締めていた。



里美は怒りながら、「欲の皮突っ張った、この女にその電話を、見せなくて正解よ#!。



この世の中の事情知らないで、春菜が気軽にこの女にそんな優れた、



画期的な代物見せたら、それこそ宇宙人なんか問題じゃない位、



世界征服を企むわよ#!」。



春菜、「そ..そんな大げさな..」と、躊躇った。



洋子は突然怒り出し、「大げさってねぇ#、あんたの時代では、



吐いて捨てるほど、世の中には出回ってるだろうけど、



この時代ではそんな凄い物、宇宙人ですら御見掛けしたら、驚いて逃げるわよ#!」。



小幡、「それもかなり、大げさな表現だと思うけど..」。



大野、「まあ、確かに3インチの画面で、その液晶って奴で、



カラーテレビが付いていて、テレビも見れて、電話も何処からでも掛けれて、



国際通話も遣れば出来てだね、え~とそれと何だっけ?」。



明子、「電車もバスも飛行機も乗れて、買い物がその画面で出来て、



写真撮影出来て、電子メールとか言う、我々の仕事を無くす様な機能が有って、



え~とそれから..、つまり魔法の電話でしょ!」。



洋子は怒が爆発して、「そんな魔法の電話を、この子は最安値で裁いたのよ、



この、おたんこなす#!」。



春菜、「無理です#!、この時代ではまだ、そのサービスは始まっていません!」。



里美、「洋子、株じゃないんだから#!、最安値で売ろうが、最高値で売ろうが、



春菜の勝手じゃない#!」。



明子、「洋子、聞こえなかったの?。



サービスが始まってないのよ#!。



つまりあれでしょ!。



携帯電話と言う物自体がが存在して、その中で色んなサービス会社が設立されて、



携帯を通じて、旅行会社や衣料会社などの、仲買が一手引き受けで、



携帯電話会社と、提携を結んで成り立つと、こう言う事でしょ!」。



春菜は驚いて、「そう!すごーい、明子さん頭いい!」。



春菜は驚いたが、昭和44年組は、



『そんな事が、将来実際に実現出来るのか?』と、信じ難かった。



なので実感が湧かずに半信半疑だった。



従い気の無い返事で、「へ~」と、答えるしか無かった。



春菜はこの時代に来てからは、精神状態が安定していた。



忙しいが、真面目に仕事をこなせば、それなりに高評価を受けた。



街行く人々は、笑顔が耐えない世の中で、自然と自分も明るくなった。



寮では同僚と共同生活だったが、今まで他人と団体で暮らした事は無く、



その楽しさも知った春菜は、ぼろ家の寮で夜中には風が吹くと、



窓ガラスがガタガタ、音を立てて揺れた。



だが睡眠薬を飲まなくても、良く眠れるのであった。



今までこんなに、楽しい生活をした事が無かった春菜は、



自分が存在していた時代で、精神安定剤と睡眠薬を間違えて服用して、



会社のデスクで自分は死んだと、思い初めて来ていた。



従いこの世界は、天国に召された自分が、ここで暮らしているとまで、



考える様になっていた。

この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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