第十一章、レクリエーション3
卸本町の蜃気楼オリジナル文章
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ボウリング場では、多くの人で賑わっていた。
レーンも多く、男性は皆ラッパズボンかパンタロンで、
ロングヘヤーで、横分けだった。
それを見た春菜は、「このスタイルが、ナウイって言うんだ!」と、呟いた。
隣に居た洋子が、「あんたの時代は、ナウイは何て言っているのよ?」。
春菜、「イケテルです..」。
すると、近くで聞いていた女性社員が、「イケテル..?」と、呟いた。
里美、「それは、食べ物に使う表現でしょ?。
『イケルね~』の、イケテルでしょ!」。
春菜、「いえ、何でもイケは使います。イケ面とか..」。
良子、「イケ麺?、ラーメンの話では無く?」。
春菜、「イケテル顔って意味で、つまり色男を表します。
イケテル顔面です」。
聞いていた女性社員は、大笑いで圭子が、「何だか未来は、表す対象物に対しての、
言葉の使い方が、めちゃくちゃね、アハハハハハ」。
春菜、「そう言われれば、そうですね!。
ヤバイって言葉は、危ないって意味なのに、凄く美味しくても、ヤバイを使いますから」。
杉浦は、椅子に座ってボールを磨きながら、「他には?、この時代に無い言葉で」。
春菜、「KYとか..」。
里美、「KY?、OBとかIBルックとか、そんな感じの言葉なの?」。
春菜、「空気読めないの、KYです..」。
皆さん思いっきり、こけた。
小幡、「そ..その空気読めないとは、どう言う意味なの?。
未来は空気に、字が書けるペンが有るとか?」。
春菜、「いえ、その場の雰囲気を感じ取れない人が、一人だけ浮いていて、
はしゃいでいたり、その場とは違う内容を、話していたりする人です」。
小野、「あ~、つまり我が強い人なのかな?それは..」。
春菜、「一理ありますね」。
皆さん覚束ない顔で、「はぁ..」と、頷いたのであった。
そしてボウリング大会が始まった。
各自グループ分けされた、チーム戦となった。
はしゃぐ社員達は、熱き男性社員の闘魂で、ストライクが出ると、
奇声を上げる様な声で、喜び称えていた。
その時、男性社員はクールに前髪を、顔をフっと上げて直した。
それを見た春菜が、「キザ男君..」と、呟いた。
その意味は、昭和44年組は理解出来た様で、
口に手を当て、クスクス笑ったのであった。
すると圭子が、「春菜、そのイケテル逆後は、イケテ無いなの?」。
春菜、「そうです。又はキモイと言います」。
さっぱり意味が解らない、44年組だった。
まさにこの場の空気は、白熱状態で時間も、あっと言う間に過ぎて行った。
試合が終わると、順位発表で優勝したチームには、トロフィーが渡され、
商品は決まって、フライパンかポットだった。
そして社員達は、ボウリング場のソファーで休んでいると、
ドリンクの自動販売機で、ジュースを買っている社員がいた。
そして春菜も、自販機に歩いて行き、財布からお金を取り出そうとすると、
杉浦が、「奢るよ、好きなの出していいよ」と、自動販売機にお金を入れた。
春菜は、一回は遠慮をしたが、杉浦に押し切られ、お言葉に甘えて嬉しそうに、
ビン引き抜き式の、自動販売機からジュースを取り出した。
すると洋子が、「この子、それを遣らせて置けばご機嫌よ、アハハハハハ」と、笑い出した。
杉浦、「春菜ちゃん、本当に好きだよね、そこからジュース引き出すの」。
里美、「あんたの時代では、すでにその自動販売機は無いのね」。
春菜、「はい、有り得ません..」。
その言葉に社員全員が、「有り得ないと..来たか~」。
そして、大爆笑だった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




