第九章、休日6
卸本町の蜃気楼オリジナル文章
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洋子と圭子は、会社近くの電気屋の道路を挟んで、
向かい側の電柱に隠れて、店内に居る店主を見張っていた。
洋子、「変わった様子は無いわね..」。
圭子は、渋い顔をしながら、「もう帰ろうよ~、日も沈んで真っ暗よ」。
洋子、「なに言ってるのよ#、あの質屋の親父は必ず、
良い物が入れば、ここの電気屋の親父に、見せびらかしに遣ってくる。
あんな未来の画期的な電気製品、あのがめつい、年寄りが扱える代物では無いから、
預かって使い方教えて貰うつもりよ」。
圭子、「考え過ぎよ、第一会社の誰に聞いても、あの二人の親父さんから、
そんな優れた機器の話は、聞いてないらしいわよ」。
洋子、「言わないだけよ!。携帯電話なんてあまりにも、
進化した電話を手にしたものだから、黙ってないと殺されると思ってるのよ!」。
圭子、「誰に?」。
洋子、「宇宙人よ!」。
圭子は呆れて、「それは確実に未来の物で、宇宙人から春菜が、
預かった物ではないわよ!」。
洋子、「春菜の素性は、あの親父には伝わっていないのよ。
だから間違い無く質屋の親父は、この星の産物だとは思って無いわよ..」。
圭子、「産物ね~..」。
すると店主は、店から出て来て裏の倉庫に、足を運ぶ姿を目撃した。
咄嗟に電柱から離れた二人は、倉庫に駆け寄った。
そして倉庫のドアを開けて、倉庫内に入り、店主に駆け寄ると、
ダンボール箱を持った店主が、振り向いた。
店主は驚いて、「な..何の御用でしょう?」と、呟く店主に洋子は、
手を広げて、「出しな#!」と、脅かした。
店主は急にそう言われても、何を出して良いのか解らない。
店主、「な、何をお求めですか?。もしかしてお金?」。
完全に強盗行為だと思った。
圭子は怯んで、「ちょと~、あんた強盗しに来た訳ではないのよ」と、
圭子の両肩を、両手で持って揺すった。
洋子、「質屋の親父から、預かった物はどこ?」。
店主は、笑顔になり、「あれですか!、でも秘密ですよ!」と、人差し指を口に当てた。
洋子、「素直に出せばいい物を、へへへへへへへへ」と、不気味に笑った。
店主も、「へへへへへへへへへ..」と、やはり不気味笑い。
するとなにやら、倉庫の奥の方から、
黒いアタッシュケースを出すと、「いいですか、
これは海外から仕入れたと言われている物で、
質屋の親父さんから、絶対に人に見せては駄目だと言われた、
この世に二つと無い、代物です」。
そう言われて、圭子と洋子は、生唾を飲んだ。
ズボンのポケットから、鍵を取り出し、アタッシュケースの鍵を解き開けた。
するとそこには、8ミリフィルムが収められていた。
洋子、「な..なんなのこれは?」。
店主、「秘蔵のブルーフィルムです。へへへへへへ...」。(当時のアダルト映像)
洋子は急に激怒し、「ふざけるなぁ~#!」と、言い放って、拳が店主の頭部に炸裂した。
痛がる店主。
すると急に泣き出す洋子、「わ~ん、携帯はどこなの~」。
圭子、「あんたあれは元々、春菜の物なのよ~も~#」と、呆れる圭子。
何が何だか解らない状況で、店主は苦し紛れに、「鑑賞会は後日..」。
そう言って、倉庫から逃げて行った。
洋子の泣きわめく声だけが、倉庫内に響いていたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




