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第六章、再会

卸本町の蜃気楼オリジナル文章

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html


午後も3時を過ぎた頃、現在は歴史上の建造物と化してしまった、



デパートの地下食品売り場で、洋子と圭子が、待ち合わせる様になっていた。



春菜は久しぶりに、このフロアーを見て、「賑やかい、ここのフロアーだけは、



残して欲しかったな~」と、呟やいた。



一緒に居た良子は、知り合いの売店の女性と、おしゃべりをしていた。



すると、黒いロングコートを着た二人が、春菜の横に立った。



春菜は振り向くと、洋子と圭子だった。



四人は地下を出て、有楽街を歩いていた。



すると春菜が突然、「ここ映画館だったんだ!」。



立ち止まる、御一行三人は同時に、「未来は、なんなのよ?」。



春菜は、顎に人差し指を置いて、「え~と、パパロビル」。



洋子は、「何階建てのビル?」と、答えると、



春菜はまた、考えて、「え~と、7階だったかな?、8階だったかな?」。



圭子、「あんた、こんな中心街の、自分の居た時代のビルの階数、覚えてないの?」。



三人は笑った。



春菜、「昔はとても賑やかだったけど、私が成人になる頃は、



差ほど賑って無くて..、居酒屋とか、マッサージだとか、



入ってる店がころころ変わるの。朝はあまり上の階は、



営業していなくて、私もあまり立ち寄った事がなくて..」。



三人は同時に、「は~..、複雑ね~」と、答えて肩を落とした。



有楽街から外れて、路地に入ると個人商店街が、軒を連ねていた。



すると、女子中学生らしき四人が、制服姿で前から歩いて来た。



春菜は、はっ!として咄嗟に物陰に隠れた。



それを見た、洋子、圭子、良子は同時に、「どうしたの?」と、答えると。



制服姿の、女子中学生は通り過ぎて行った。



圭子が徐に、「ねえ!、真ん中の女の子、



春菜に似て無かった?」と、そう言って、首を傾げた。



洋子は、「あ~!、あの子、お母さんでしょ春菜ぁ~!」と、春菜の肩を叩いた。



良子は、大笑いで、「そ..そっくりだったわよ!、アハハハハハ」と、



手を叩いて喜んでいた。



すると歩きながら、その中学生四人が振り向いて、「ねえ..、



由美子あんたに、あの人似ていない?」。



由美子、「そうかなぁ~?」と、首を傾げて、歩いて行ってしまった。



春菜、「.....」。



洋子、圭子、良子は腹を抱えて、笑っていたのだった。



そして四人は街から離れて、良子と春菜が住んでいる寮へと、足を運ぶのであった。



向かう道中、四人は先ほどの出来事の話をしていた。



圭子、「でも、まさか出くわすとは、思わなかったでしょ?」。



春菜、「恥ずかしい..」と、俯いた。



洋子、「あんた、中学生の頃から、変わらないのね~。



母親が中学生で、あんたは社会人で25歳?。うり二つだったわよ」。



良子、「あんた、ファンデーションも塗ってないのに、中学の頃から、



肌の艶が変わらないのは、羨ましいわね~」。



物議を交わしだす、この三人に春菜は、



堪りかねて、「もう、私と母親を比べるのやめて#」。



両手の拳を握り、激怒したのであった。



圭子、「美人の評価をしているのだから、いいじゃない!」。



洋子、「そうよ!、悪いこと言ってないわよ!」。



良子、「優しそうな、お母さんじゃない!」。



その時、春菜は膨れて、「もぉ~#」と、機嫌を損ねたのであった。



そんな会話をしていると、前から角刈りで、スーツ姿の男性が歩いて来た。



すれ違ざまに、その男性の顔付が変わった。



すると、良子も視線を逸らしながら、俯き加減になった。



通り過ぎた後、二人は立ち止まり、後ろを振り向いた。



そして二人は、お互い顔を戻し、歩き出したのであった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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