第四章 新しいライフスタイル 5
卸本町の蜃気楼オリジナル文章
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515222.html
しばらくすると、若い頭に三角巾を被った女性が、
大きなお盆に、四人前の注文の品を運んで来た。
それをテーブルに置くと、四人は蕎麦のおわんと、いなりが乗った、
小ぶりの皿を自分達で持って、自分の前に置いた。
そして、テーブルの真ん中に、置いてあった、箸立てから皆箸を取り、
四人同時に、親指と人差し指に、箸を挟んで、「頂きます」と、
軽く頭を下げて、食べ始めた。
すると春菜が、つゆを一口飲んだ瞬間、大声で、「超!まろやかぁ~~!」。
辺りは静まり返った。
そして、春菜は気にも留めず、お蕎麦をすすると、「ん~!、腰がしっかりしていて、
ヤバ~~イ!!」と、やはり、叫んだのであった。
周りは大笑いだった。
良子が慌てて、「ちょっと#、訳の解らない事言わないでよ!」と、咎めた。
洋子、「やっぱりあんた#!、宇宙人じゃない!」。
圭子、「ねえ、40年後の未来は、蕎麦もこの世から無くなるの?」。
春菜は、食べながら涼しい顔で、「やはり、水が違いますね!」。
三人同時に、「み..水?」。
洋子、焦りながら、「ちょ..ちょっと、未来は水に困っていたの?」。
春菜、「洋子さん、今私を未来人と認めましたね」。
洋子、カッ# となって、ゲンコツを春菜の頭に、くれようとしたが、
その手を圭子が掴んで、「やめなさいよ#、大人気ない..」。
良子、「それで、未来は水の方の心配は、どうなのよ?」。
春菜、「おいしい水が飲みたければ、買います..」。
三人同時に、「どこで買うのよ?」。
春菜、「近くのスーパーマーケットか、コンビニエンス ストアーです」。
洋子、「未来は、何でも横文字の店ばかりね~」。
圭子、「何か入れ物に入って、売ってるの?」。
<作者:この当時、水を売店で売ってる事の、
想像が付かないので、こう言う表現になります。>
春菜、「はい、ペットボトルと言って、透明のプラスチックの容器に、
山岳地帯の水を入れて売ってます。安売りで190円くらいです。
大型の薬局薬店で買うと、更にお得です」。
圭子、「ね..ね~、未来では、水道水を飲むと体に悪いから、態々買うの?」。
震える三人。
洋子、「薬局で水買うなんて、未来は相当、環境が荒れているの?」。
良子、「また戦争が起きて、安全な施設で暮らしているの?」。
この当時、水を買うと言う表現をされると、こう言う想像になります。
春菜、「水道水は、消毒カルキが気になるので、おいしくないから、
買う水の方が、混りっ気無しで、おいしいから..」。
チンプンカンプンな三人だった。
圭子、「つまり、未来の水道水は消毒の為に、カルキと言う消毒剤を水道局が混ぜて、
家庭の水道に送るから、水を山岳地帯から汲んで来て、
それを未来の便利な容器に入れて、売ってる訳ね」。
<作者:この当時、家庭では電気モーターポンプで、汲み上げる井戸水世帯半分、
水道水を使用している世帯が半分で、カルキと言う消毒剤は、あまり知られていなかった。>
春菜、「そんな所です..」。
何だか未来の期待と豊かな想像が、薄れて行く三人と、先ほどの春菜の大声で、
振り向いた、他のお客達が、その話を聞いて会話が無くなる、この場の雰囲気であった。
春菜は、この時代をやっかんでいた。
そして宇宙人と頻繁に言われているので、いささか頭に来ていた春菜は、
洋子を脅かしたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。