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憧れのテラ  作者: 星乃夢


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第一話 空港


第一部

 

 空港や宇宙船内では、それぞれの生物の生活環境に合わせたゾーンに分かれている。同種族や近しい種族が同じ空間を共有するため異種族を確認できない。ある意味プライバシーが完璧に守られているとも言える。そして、空港内であれば自動翻訳機能が充実しているため、異種族生物であっても会話が可能だ。

 磁気嵐で宇宙船の機器が故障し、最短距離であった惑星イオに緊急着陸したアクアは、空港から無料配布された保護スーツを着用していた。

 『今回は不運な出来事に遭遇してしまったけれど、普段なら目にしたり手にすることがない高価な保護スーツが無料で使用できるのだから、ある意味ではラッキーなのかもしれないよね……』とポジティブ思考のアクアは考えている。何よりも、思いがけず惑星イオに滞在できたことで、好奇心旺盛なアクアは惑星観光に想いを巡らせて空港を出た……。

 

「あの、すみません、気体生物さん?」

「は、はい?」

 突然話しかけられたアクアは、慌てて振り返った。視線の先には、液体生物が立っていた。

 液体生物の存在は、学校で習ったが実際に目にしたのは初めてだった。やわらかそうで艶のある体は、地球でいうクラゲかゼリーのように見える。

「ビックリさせてしまったなら、申し訳ない」

「いえいえ、何かありましたか?」

「実は、高速移動できる気体生物さんを探していたのですが、この空港ではあなたしか見当たらず……声をかけさせていただきました」

 その液体生物は、急遽宇宙船の修理に派遣された者の一人で、ファズと名乗った。そして、修理の進捗状況を村の長老に伝え、長老からは磁気嵐の予想を聞いて、空港に戻ってきてほしいと言った。

 空間を高速移動できる気体生物のアクアにとって朝飯前だ。むしろ、ついでに観光も出来ると思い、二つ返事で了承したのだった。

 アクアは、教えてもらった方向に向かって高速移動しながら、長老がいるという村を目指す。空港を出るとすぐに賑やかな都市が目に入ってきた。

『これが終わったらあの都市に行ってみようかな』とアクアは景色を見下ろしながら独り言を呟いた。空港を出る前に装着した保護スーツは、着脱用の小さなスイッチボタンがあるだけだ。

 アクアにとってイオの重力は大き過ぎるので、保護スーツがなければ押し潰されてしまっていたことだろう。全ての機能は全自動で、もし手動で操作する時は空港に連絡し許可がおりてからということだ。

 保護スーツは透明な膜のようなものだと聞いていたが、ぴったり張り付く感じではない。むしろアクアがどんなに動いても一定の空間を保持していて、直接身体に触れる事はないのでとても快適だ。

 こうして高速移動をしている感覚は、惑星エアと変わらない……『ナギ、今頃どうしているかな……』

 ふと我に返って辺りを見回すと、かなり寂れた景色に変わっていた。不安になってきたアクアは慌てて地上に降り立つことにした。


 

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