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松田屋の決意と、商店街の冷たい空気

「やってみます!」


悠斗の提案を聞いた松田屋の店主・松田和夫は力強く答えた。

その横で、航太も目を輝かせていた。


「お父さん、本当にやるの?」


「ああ。こんなところで諦めたくないからな。」


松田屋は、桜川マルシェへの参加を決意した。

悠斗と秋山は、次に商店街全体の協力を得ることを目標に動き始めた。


だが——商店街の空気は、冷たかった。


悠斗と秋山は、商店街の事業者たちに桜川マルシェの計画を説明し、参加を呼びかけた。


「このイベントで、商店街に人を呼び戻したいんです!」


「皆さんのお店の魅力を知ってもらうチャンスです!」


だが、返ってきたのは、悲観的な言葉ばかりだった。


「……どうせ無理だよ。」


「イベントなんかやったって、一時的に人が増えるだけだろ。」


「もう何をやっても商店街は復活しないさ。」


長年の不況と人の流出により、商店街の人々は完全に諦めムードだった。


「なぜ、やる前から諦めるんだ……?」


だが、それは悠斗にとっても理解できる気持ちだった。

この商店街は、何度も復活を試みては失敗してきた。


やるせない不安と疲労が、彼らの心に染みついていた。


諦める人たちを、悠斗と秋山が説得する


「商店街は必ず復活します。挑戦してみませんか?」


悠斗は、諦めずに一人ひとりに声をかけた。


「確かに、今までうまくいかなかったこともあると思います。」


「でも、このまま何もしなければ、未来は変わりません!」


「もう一度、チャレンジしませんか?」


しかし、店主たちは首を横に振った。


「俺たちは、もう疲れたんだよ。」


悠斗は、歯を食いしばった。

すると、隣にいた秋山が口を開いた。


「私も、最初は無理だと思ってました。」

「でも、悠斗くんが一生懸命になっているのを見て、私もやる気になったんです。」


「きっと、商店街のみなさんも、もう一度お客様が増えたら嬉しいと思います。」


秋山は、店主たちを優しく見つめながら言った。


「だから……もう一度、挑戦してみませんか?」



その言葉に、少しだけ、店主たちの表情が変わった。


徐々に変わる空気


最初は冷めた目で見ていた店主たちも、

松田屋の決意や、悠斗と秋山の情熱に影響され、徐々に前向きになっていった。


「まあ……うちも、ちょっとぐらいなら手伝ってやるか。」


「せっかくだし、参加してみるか?」


「久しぶりに、店を活気づけてみるのも悪くないな……。」


少しずつ、商店街全体に「やってみよう」というムードが広がり始めた。


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