終わりと始まり——“街”を取り戻す日
後日、三人に対して捜査が開始され、
滝本は詐欺罪、村上は補助金不正受給と横領、川崎は公文書改ざんの容疑で取り調べを受けた。
桜川市の再開発計画は白紙に戻され、商店街は保存・再生へと動き出す。
春。
再び開かれた「桜川マルシェ」には、多くの笑顔と希望が集まった。
悠斗のスピーチが、人々の心を震わせた。
「僕は、今日ここに立つまでに、何度も思いました。
なぜ、“正しいこと”を選ぶのがこんなにも難しいのかって。
なぜ、声を上げただけで、嘘つきと呼ばれ、邪魔者とされるのかって。
……でも、気づいたんです。」
「それでも僕たちは、声を上げる側にいなきゃいけない。
なぜなら、黙っていれば、誰かの夢が、誰かの生活が、踏みにじられていくからです。」
「この街は、誰かのものじゃない。
権力のものでも、金のものでもない。
僕たち——ここに生きて、汗を流して、祈って、笑ってきた人たちのものです。」
「僕たちは、“誰かの声を踏みつけて進む未来”なんて、望んでいません。
僕たちが選びたいのは、“ともに生きる未来”です。
互いの違いを尊重し、傷ついた人の隣に立てる街。
希望が、ただの飾りじゃなく、“日常”になる街です。」
「その未来のためなら——僕たちは、何度でも立ち上がります。」
「たとえ倒されても、諦めなければ、それは“終わり”じゃない。
僕たちは、もう二度と、黙らない。
この街に生きるすべての人のために。
——ここに、“ともに生きる街”を、築き直していきます。」
舞台裏から、三浦が穏やかにつぶやいた。
「……ふん、一丁前なことを言うようになったな。」
佐伯は、深く頷いた。
「次の世代に、託せる」




