表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/37

商工会の正式な不支持——突きつけられた現実

「森田、お前の桜川マルシェの件、商工会としては正式に“関与しない”と決定する。」


その言葉が会議室に響いた瞬間、悠斗は拳を握りしめた。


「なぜですか!? 商店街のみなさんは、やる気になっているんです!」


しかし、滝本は難しい表情を崩さなかった。


「……確かに、商店街の人々が前向きになり始めたのは事実だ。」

「だが、このイベントが成功する保証はどこにもない。もし失敗すれば、参加した事業者たちにさらなるダメージを与えることになる。」


悠斗は強く言い返した。

「だからこそ、商工会がサポートするべきじゃないんですか!?支援することで、商店街が一歩を踏み出せるんです!」



「商工会は、失敗ができないんだよ。」

その言葉を発したのは、三浦誠司だった。




「お前の言うことは、ただの理想論だ。もしこのイベントが赤字になったらどうする?店主たちが『やっぱり無理だった』と再び諦めたら?」

「お前の“情熱”は、結局のところ、ただの自己満足なんじゃないのか?」


悠斗は、悔しさを押し殺して睨みつけた。

「自己満足? そんなわけない……!」



しかし、滝本は、静かに言った。

「決定は覆らない。桜川マルシェには、商工会として一切の協力を行わない。」



悠斗は、言葉を失った。

商工会の支援なしで、果たして本当に成功させることができるのか——?


しかし、その時だった。


「森田くん、諦めないで。」


悠斗が驚いて振り返ると、そこには秋山真由の真剣な瞳があった。


「私たちでできることを、全力でやろう。」

「絶対に成功させよう。商店街のみんなのために!」


その言葉に、悠斗の心に再び火が灯った。


「商工会が動かなくても、俺たちがやるんだ。」

しかし——


この決定が、さらに大きな試練をもたらすことになるとは、この時の悠斗はまだ知らなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ