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仮設風向計/詩集その3

生活

作者: 浅黄悠

今日も雨 今日も目が覚める

おしゃれな生活、丁寧な暮らし、有意義な休日

刷り込みながら計画と自炊 薄紫色のボサノヴァ


食べ終わったら電話をかけて

それから本を読み終えて

電気の消えた部屋で雨は激しくもならず止みもせず


前向きに つぶやくように

あなたのいない生活を計画する

どんどん歪む想像にぼんやりと耐えていく

ありふれた怒りを導かないで

追慕も忘却もだるだるに引き伸ばして


柔軟剤の匂いが部屋に充満するのを楽しんで

ひとりとは あなたの不在を指すわけではない

ひとりとは 将来の失敗を指すわけではない

窓の外で鳥が羽づくろい 電線から落ちる涙

バラエティの再放送が終わる前に電源を消して

何か忘れている? いやそれじゃなくて なんでもいいか

午後は

修理屋に行かないと

でも今日は休日なんだから急がないように

ペン立てから鉛筆を取って転がせば六角形の音 

これが理想の生活? うまくやれてるだろうか

教科書通りを目指せばとりあえず崖からは落ちたりすることはないと

みんなそう思ってるんでしょう

そういえば今日の夢は何を見たんだっけ

もう慣れた設定で桑の木生い茂る見知らぬ野球場にいた

ありがちなように最初の目的からどんどん外れて戻らなかった

最終的にはそんなに嫌な夢じゃなかったけれど

そういうの嫌だな

もう飽きてるんだ

はやく進まないと はやく来月の企画書を


生活の曲がり角をいいつくすのは心残りから? 

好きとか嫌いとか……じゃない

どうせいつもは忘れているのに娯楽みたいに思い出す

そうコイン

1ユーロコインを指先で上手く回せるのが理想の生活だと思う……


草花が綺麗な日 薬缶の湯気が似合う日

今日は雲の床を踏んでいるように足が軽いんだ

ふと見た天気予報 

少しずつ変わっていく


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