表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

[短編]みかた

作者: えいりやん

あるところに勇者がいた。


勇者は仲間を連れて魔王討伐の旅に出る。


4つの国がそれぞれ、魔王と、その手下の脅威にさらされている。


それらを退治する旅。




はじめの国は手下による干ばつで滅びかけていた。


道中、飢餓によって滅んだ集落を通った。


「税が増えた」

「子が死んだ」

「先日来た、心優しいものたちにいただいた貴重なご飯も、税の一環として持っていかれた」


滅んだ集落には、そんな日記があった。


一つめの手下の根城についた。


「同じ苦しみを味わわせてやる」


弱らせたところを監禁し、後に倒した。


国での報酬は、豪華な料理と貴重な食材をいただいた。




次の国は手下による水難で滅びかけていた。


道中、はやり病で廃れた村を通った。


「娘がはやり病にかかり、死んだ」

「国は医者を手配してくれない」

「世話を焼いてくれたご一行が、キレイな水と貴重な薬を村のみんなに分けてくれた」

「ご一行が去った後に来た国の兵が、村の薬をすべて持って行った」


廃れた村に、うわごとのようにそう言う老人がいた。


二つめの手下の根城についた。


「貴様らのせいで不幸がなくならない」


手下の亡骸から、強力な水系の魔法武器を手に入れた。


国での報酬は、高価な薬を一袋いただいた。




次の国は手下による長期の日照りにより滅びかけていた。


道中、戦争に巻き込まれ陰鬱とした町を通った。


「父が戻らない」

「昨日、息子の最後を聞いた」

「娘が慰み者で連れてかれた」

「我らを守るために戦ってくださった方々が、国の反逆者として連れて行かれた」


陰鬱とした町には、そういう者たちがいた。


三つめの手下の根城についた。


「ウンディーネの仇」


仲間を一人失ったが、何とか倒せた。


国での宴では、美しい娘たちが踊り子をしていた。




最後の国は迫る脅威に怯えていた。


道中、泊めてもらった村で寝込みを襲われた。


「どうしてそんなことをする」

「お前たちのせいで滅ぶんだぞ」

「そのためにも死んでくれ」


勇者たちは、逃げる形でその村を去った。


魔王の根城についた。


「話し合えば、分かり合えるはずだ」


魔王を倒した。


国からは英雄とたたえられ、勇者は姫君を娶ることとなった。



こうして4つの国は平和になり、そうして間もなく滅んだ。

数年前に途中まで書いて放置していたものを完成させてみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ