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【完結】悪逆王に嫁がされました……が、ただの強面で小声でしたの!?〜本当は優しい陛下の汚名返上したいのです〜  作者: 秋色mai @コミカライズ企画進行中
chapitreII 陛下、大きなお声で話してくださいまし!

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28. 陛下の婚約者は私ですの!


「えっ、ジュード!?」


 とアイラさん。

 頬を染めて、期待していたような眼差しで……まさかの例の駆け落ちした騎士ですの!? 薄い金髪に赤眼……いかにも美丈夫な騎士ですわね。

 はぁぁぁ……、本当にもう訳がわかりませんわ。


「これが……修羅場というやつか?」

「とりあえず陛下、離してくださいまし」


 陛下、良い声の無駄遣いですわ。合っているような、合っていないような。このままだと腰が砕けてしまいますので、と解放して頂きました。

 

「君は何をやっているんだ」

「何って、ご希望の通りダグラスとの復縁ですが??」

「っ私はそんなこと!」

「言ってないとは言わせないわよ!」


 そんな間にも二人は喚き散らしながら、喧嘩中。

 あの、ここは謁見室で、陛下の御前なのですが?

 チラリと陛下の方を見れば……わかりました情報把握できていませんのね、首傾げていらっしゃいますものね。


「煩くてかないませんわ。お黙りなさい」


 と手を強く叩いて音で誘導し、睨みつけまして。

 ……やっと静かになりましたわって陛下まで怯える必要はありませんわよ。


「さて、いつまでも震え上がっていないで、この茶番の説明くらいしてちょうだい」



 と話を聞けば、そもそも駆け落ちしたものの実家に連れ戻され、揉めている最中なのだとか。アイラさんは、公爵令嬢になんて戻りたくなく、ジュードさんと平民のまま暮らしたいと言っているようなのですが、公爵は愛娘の喪失に耐えられない、戻ってきてくれの一点張り。


「私は、どんなことがあろうともジュードの隣にいると決めているのにっ!」


 早とちりしたジュードさんは、駆け落ちが失敗したものと思い込み自死を試みるも、なんの偶然かかつての同僚に止められ、成り行きで騎士へ復帰。


「実際、私と共にいてもアイラは幸せになれない」

「そんなの勝手に決めないで!」


 そしてやっとのことで公爵家からもう一度逃げ出したアイラさんと再会したものの、こんな風に口論になり、


「君は公爵家に戻った方が幸せだ」

「何!? 知らない貴族と婚約したり、陛下と復縁しろっていうこと!?」

「私では君を幸せにできない!」


 と陛下が巻き込まれた結果、


「じゃあ良いわよ! 復縁してやるわよ!」


 そして今に至る、と。

 なんですの、この壮大な痴話喧嘩は。



「とりあえず陛下に謝ってくださいまし。いい迷惑すぎますの」


 (わたくし)の焦った気持ちを返してください。もう呆れてこれ以上何も言えませんわ。というか痴話喧嘩くらい家でやりなさいよ家で。


「陛下、大変申し訳ありませんでした!」

「ごめんなさい……」


 このぶっ飛んだ痴話喧嘩についていけず、相変わらず頭に「?」が浮かんでいらっしゃる陛下ですが……そろそろシャンとして頂かなければ。


「ゴホン。……陛下」

「此度の件、ジュードに三ヶ月の減俸、アイラ殿に同じく三ヶ月のメイドとしての強制労働の処罰とする」


 公爵への処罰は保留とする……と。あら、お優しいことで。ここまで不敬をしておいてこれだけなんて。

 

「では、今度こそお引き取り願おう」

「ハッ!」


 本当に、なんだったのかしら。これ。

 と、二人が去り、後処理のために執務室まで戻りながら頭を抱えたのでした。もうこんなの陛下だって書類にしたくないですわよ……こんな犬も食わない痴話喧嘩による処罰なんて……。

 ちなみに、アイラさんのあの口調はわざとなのだとか。昔は公爵令嬢らしい振る舞いだったらしいので、推測するに平民になったことを誇示するために……というところかしら。


「陛下……一応聞くのですが未練とかありませんわよね」

「未練……?」

「アイラさんに、ですわ」


 べ、別にその、心配になったわけではないですけれど。美貌だって振る舞いだって、自信がありますもの。私が完璧なのは事実ですし。


「陛……ダグは、私のことを、その、捨てませんわよね。……陛下の婚約者は私ですもの!」

「っ捨てっ!? それより、今っ」

「わ、忘れてたくだじゃいまじ!」


 ああああああああもう!!

 と言いますか、そんな勢いよく立たなくても! ほら、資料が床に落ちましてよ!


「俺は確かに聞いた」

「気のせいですわ!!!」

「いや聞いた」

「気のせいですって!!」


 とギャアギャア喚いていると、本日二回目の突然ドアが開く音が聞こえまして。

 ってあら、オリヴァー?


「ダ、ダグラス、様。声が、聞こえ、俺……」

「オリヴァー……」


 その声を聞くや否や、駆け寄ってきたオリヴァーが陛下の胸ぐらを掴みましたの。

 な、何が起こって……。


「っこ、この馬鹿野郎!! 俺が、どれだけ、寂しかったか!」

「オリヴァー。長い間、すまなかったっ」

「すまなかったじゃねえよこの野郎!」


 オリヴァー……泣いて……。

 何を言っているかなんとなくわかったとしても、幼馴染の声がずっと聞こえないなんて、どれだけ……。


「俺がどれだけ心配してたかっ! どれだけ声が聞きたかったかわかるかよ!」

「っ俺も、ずっと話したかった」

「……ほんと……ほんとなんで……」


 オリヴァー……。


「あーいや。もう面白くなってきたわ」


 と、感傷的な場面から一転。突然笑い出して一体何が……。


「俺が何しようとも治らなかったくせにこんなあっさりと。ちょっと……いやかなり嫉妬しちまうけど。ダグラス様も単純だよな」

「単純……?」

「だってそうだろ。好きな人に救ってもらうなんて」


 す、すすす、好きな人!?

 っこれは、私、お邪魔というものですわ。二人っきりにした方が良さそうですの。


「おっと、逃げるのはナシですよアレッタ様」

「違いますの!! 陛下が私のことを好きだなんて!」

「好きだが? 俺はアレッタ嬢もオリヴァーもジェームスも好きだ」

「私も好きですわ!!!」


 さすがは陛下ですの! そうですわよね!

 つまりは親愛ですわ!


「……この人達」



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