第一章 消えた第一皇子 襲撃
若干の戦闘シーンあるため、ちょいグロ注意です。
初めての戦闘シーンのため、拙い点があるかと思いますが、何かあればコメントしていただけると幸いです。
「殿下、今日はありがとうございました。」
帝国御用商会トリフォードの商会長ナミル・トリフォードはそういった。バーベスクは今日ナミルの誘いでオークションに参加し、その後帝国の大小様々な商会の集まるパーティーに参加したのだった。
「こちらこそいい時間になった。珍しい物も手に入ったしな。」
「今後もよろしくお願いいたします。」
「ああ、もちろんだ。しかし、すっかり暗くなってしまったな。早く城に帰って仕事を終わらせないとな。」
「これからお仕事ですか!?殿下もたいへんですねぇ。」
「ああ、まあいつも通りだがな。」
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キキーッ!おい危ないだろう!!
「何事だ?」
「すみません殿下。急に人が飛び出してきて、急停止しました。」
「そうか。飛び出してきたものに怪我はなさそうか?」
「はい。」
「そうか。なら城に向かってくれ。仕事を終わらせなければならないのでな。」
「承知いたしました。」
「すみません!馬車に乗っておられるのは第一皇子殿下ではありませんか?」
「?? ああ、そうだが」
「そうでしたか、通行を妨げるようなことをしてしまい申し訳ありませんでした。」
「別に良い。次から気をつけるように」
「ええ、、、ですが殿下に次があるかはわかりませんが。」
「? どういうことだ?」
その瞬間、馬車の御者の首から上が消し飛んだ。バーベスクは咄嗟に馬車の中に戻り、愛用の剣を取り出した。馬車の外では剣戟の音が鳴り始めた。今日はパーティーのため、運悪く少数の護衛しか連れてきていなかった。バーベスクは馬車の扉を蹴破り、外に飛び出した。外には護衛の騎士の3倍もの襲撃者達がいた。
「殿下!危険です!!馬車の中にお戻り下さい!」
馬車の中のナミルが叫んだ。
「ふん。俺がこの程度の奴らに遅れをとると思うなよ!全員捻り潰してやる。」
と言って、バーベスクは突っ込んできた襲撃者3人を同時に切り伏せ、護衛の騎士の相手をしていた襲撃者に向け、アイスランスを撃ち放つと同時に襲撃者達が群がっているところへ突っ込んだ。アイスランスは襲撃者2人に突き刺さり、即座に絶命させた。その間にバーベスクは襲撃者5人を流れるように斬り刻んだ。あっという間に10人を倒された襲撃者たちは戦慄した。バーベスクはその隙を見逃さず即座に氷魔法を放ち、3人を倒すと同時に5人を斬った。襲撃者達の人数はわずか数分の間で騎士達と同数になった。残りの襲撃者達も騎士達によって倒され、バーベスクが捕まえた1人を除いて壊滅した。
魔法について、この世界の魔法は非常に様々な種類がある。曜日にも使われている基本9種魔法の他にも国や地域、個人によって、様々な違いがある。特に有名なものは宗教国家メドリスの神聖魔法、騎馬国家モルゲルの騎馬魔法、ドワーフの精錬魔法、エルフの精霊魔法などがある。帝国はそのような特別な魔法はないが、高度な教育、柔軟な用兵術、魔道具を交えた戦闘を確立し強国にのし上がった。
今回の戦闘でバーベスクが氷魔法を使ったのはバーベスクが使える魔法の中で周りに及ぼす被害の少ない魔法を吟味した結果である。