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「カッコイイお隣さんはもしかして恋人さん?」

「えっ、いや俺は……」

零が違うと言おうとすると、ツキは被せるようにこう言った。

「恋人じゃないですよ」

「あら、恋人じゃないの?」

「はい、恋人ではなく婚約者です」

「はっ、ちょっ……!」

「えっ?! 婚約者?! 素敵ね〜! じゃあ、今日の制服可愛いの選ばないとね!」

店員さんはニコニコしながら張り切っていた。

「あっそれなんですけど、男性用の制服でお願いします」

「あら、ズボンがいいの?」

「はい」

「スカートじゃなくていいのか?」

零が聞くと、ツキは耳に顔を寄せ小さい声で囁いた。

「男装して行くから」

予想外なことに零は驚いた。

「マジで?!なんでだ?」

「前の学校でも男装して通ってたから変えたくなくて」

「でもアイドルってバレるだろ? それはいいのか?」

「バレても問題ないよ。前の学校でもバレてたしね」

「まぁ、ツキさんがいいって言うなら俺は何も言わないけど……」

「じゃあ店員さん、採寸お願いします」

「えぇ分かったわ! それじゃあ、美城さんはこっちに来てちょうだい。あなたは少し待っててね」

そう言うと、店員さんとツキはお店の奥へと入っていった。

そして待つこと十五分。お店のドアが開いて他の客が入ってきた。

「こんにちはー。ってあれ? 零じゃね?」

突然名前を呼ばれ振り返ると、クラスメイトが居た。

「おっ、大和じゃん。偶然だな」

「まじ偶然! 俺、新しく頼んでたブレザー取りに来たんだよ。零は何しに来たんだ?」

「俺は付き添い」

「えっ付き添いって誰の……」

大和が質問しようとした直後に、満面の笑みの店員さんとツキが店の奥から出てきた。

「やっぱり可愛い子は何着ても似合うわね〜! 男性用の制服もとっても似合ってたわ!」

「零くんお待たせ」

「採寸終わったみたいだな」

零は待っていた椅子から立ち上がり、ツキの元へと歩いて行った。

大和はツキを見て驚いた。

「えっ、もしかして零の彼女?!」

(あっやべ……)

「えっいやこの人は彼女じゃなくて……親戚だよ」

「親戚か! めっちゃ美人だな! やっぱり零の美形は遺伝かー! 」

零はなんとか上手く誤魔化せたと思いほっとしたが、横を見るとツキはほっぺを膨らませながらこっちを見ていた。

「な、なに?」

「なんでもない……」

すると店員さんも二人の元へ寄ってきた。

「明日からもう学校なのよね! 間に合わせるために今日超特急で仕上げるから、今日の夜にお家に郵送するわね!」

「ありがとうございます」

「また来てちょうだいね!」

「零また学校でな!」

「おぉ!」

そうして、二人はお店から出た。

「この後どうする?」

「私はこの後仕事があるから帰らないと」

「じゃあ帰るか」

二人は家に向かって歩き始めた。

「なぁ、ツキさん、外で婚約者って言うのはやめとこうぜ」

「えっなんで?」

「なんでって今どき婚約者とかおかしいし、それに学校で男装するなら婚約者とか絶対に言ったらダメだろ? 週刊文春に速攻で撮られるぞ」

「学校ではさすがに言わないよ。でも今くらいはいいかなって思って。嫌だった?」

ツキは少し上目遣いで零の顔を覗き込んだ。その姿に零は少しドキッとした。

「……いや、嫌じゃないけど」

「じゃあ、この姿のときは私の婚約者でいて欲しいな。あっあと、ツキさんって呼び方も婚約者っぽくないからやめて欲しいかな」

「じゃあなんて呼べばいいんだ?」

「ツキって呼んで。ツキさんだとよそよそしいから」

「でも俺たちは契約上の婚約だろ? なんでそんなに婚約者にこだわるんだよ」

零はずっと疑問だったことを彼女に聞いた。

「……私は契約上で終わらせる気はないから」

ツキは小声で囁いたが、零の耳には届かなかった。

「えっよく聞こえなかったんだけど……」

「とにかくよそよそしいのは嫌だからもっと仲良くなろうってことだよ」

そして、二人はたわいもない会話をしながら帰路についた。

「ただいま」

「じゃあ、私は今から着替えて仕事に行ってくるね」

「わかった。頑張れよ」

そう告げて俺は自室に入り、ツキは着替えて仕事へと向かった。





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