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「おはよう零くん」

「……んん」

零は寝ていた体を揺らされ、意識朦朧としながら目を開けると、見知らぬ美少女がこちらを覗き込んでいた。

「だ、誰だ?!」

零は驚いて飛び起きた。

「あぁ、こっちの姿を見せるのは初めてだったね」

(こっちの姿ってことはもしかして……)

「ってことはツキさん?!」

「そうそう、当たり。朝から驚かせてごめんね」

色白の美肌に、人形のように整った顔立ち、綺麗な漆黒の腰まである髪。容姿は確かに全然違うが、神秘的な美しさは男装している時と同様に身にまとっている。

「めっちゃ綺麗……」

零は思ったことを思わず声に出してしまった。

(あっしまった……! つい……! でも、綺麗なんて言われ慣れてるだろうからそんなに問題ないよな?)

そう思い、零はちらりとツキの方を見るとツキは予想外の反応をしていた。

「あ、ありがとう……」

ツキは口元を手で抑えながら少し赤面していた。

二人の間に少しの間、沈黙が流れた。

その沈黙を破るようにツキは零に話を振った。

「そ、そういえば今、零くん春休みだよね? もし予定がなかったら今日、一緒に行って欲しいところがあるんだ」

ツキはテレビを付け質問してきた。

「あぁ明日まで春休み。行って欲しいところってどこだ?」

「学校に着てく制服を作るところだよ。実は転校して新しい学校に通うことになったから、その制服を作りに行くんだ」

「そういえば同い年だったよな。どこの学校通うんだ?」

(まぁ何となくどこの学校かわかるけど……)

「零くんと同じ学校だよ」

「……だと思ったよ」

零はもう驚きもせず、たんたんと返事をした。

「あれ驚かないの?」

「もういろいろありすぎて驚きもしなくなった」

「あはは。受け止める耐性が出来たんだね」

「じゃあ今から急いで支度してくるからテレビでも見て待っててくれ」

「分かった」

それから20分後、支度を終えリビングに戻ってきた零はツキの見ているテレビに目をやった。

するとちょうど、昨日零が行ったアクロスのライブの特集がやっていた。

「昨日のライブじゃん」

ソファに座っているツキの後ろから声をかけるとツキはテレビを見ながら頷いた。

「そうだね。無事に成功してよかったよ。ライブは何度やっても緊張するからね。ライブはそう何回もあるものじゃないし、それにわざわざ遠くから来てくれてる子もいるから絶対に失敗出来ないんだ」

「でもファンからしたら、存在してくれてるだけで嬉しいって思ってるらしいぜ。俺の友達が言ってた」

零がそう言うと、彼女は目をぱちくりさせクスッと笑った。

「そんな嬉しいこと言われたら活動もっと頑張ろうって思えるな。……でも私はファン以外にも虜にしたい人がいるから」

「ファン以外にも? 誰だ?」

「いつか教えてあげる。さぁ支度も済んだし行こ!」

ツキはテレビを消し、ソファから立ち上がった。

そのままの格好で行こうとするツキに零は疑問をぶつけた。

「変装とかしなくていいのか?」

「もう変装はしてるよ。こっちの姿の私が変装そのものなんだ。男装の時とは容姿が全然違うからね」

「まぁ確かにそうだけど」

(絶対こっちの姿でも目立つよな……)

そうして二人は家を後にした。



「いらっしゃいませー!」

制服仕立てのお店に入ると、元気の良い挨拶が2人を迎えた。

「今日はよろしくお願いします。予約していた美城です」

「あなたが美城さんね!とっても美人ね〜! 制服着てもらうのが楽しみだわ〜!」

店員さんはとても元気の良いフレンドリーな女性だった。





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