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「よしっ、じゃあ零も頷いた事だし行くか」

結斗が急に立ち上がり、車の鍵を出した。

「えっ、行くってどこに?」

困惑している零にツキは立ち上がりながら、口角を少しあげつつ答えた。

「それは着いてからのお楽しみだよ」

それから3人は店を出て車に乗った。

そして、車に揺られること30分。

「はい、到着ー!」

結斗が到着と言ったところは、零の見知らぬ高層マンションだった。

「えっ、マンション? なんで?」

「部屋についたら分かるよ。さぁ車から降りて!」

ツキはそう告げ車から降りる。

零も言われるがまま続いて降りた。

そのままツキと結斗の後を着いていき、エントランスに入りエレベーターに乗った。

チーン。

エレベーターは25階に着くとドアが開いた。

エレベーターを降りて少し歩くと、ツキと結斗はある部屋の前で立ち止まった。

「さぁ着いたよ。これから私たちが一緒に住む部屋に」

「はっ…? はぁぁぁ?! えっちょっと、一緒住むって?!」

驚きを隠せない零を見つめながらツキはニコニコとしていた。

「婚約は確かにしたけど一緒に住むって…!」

「さっきお店で話しただろ? ずっと一緒にいてボディガードしてもらうって」

「いや、確かにボディガードをするっていうのは納得したけど、ま、まさか同棲するなんて聞いてない!!」

「私と同棲するのそんなに嫌かな……?」

「い、いや、そういう訳じゃなくて…… さすがに年頃の男女で同棲っていうのは……」

悲しそうにするツキに零はオロオロしながらボソボソと呟いた。

「そもそも両親が許可してないだろ……?」

「いや、同棲は俺たちの両親が言い出したことだからそれは大丈夫だ」

「まじかよ!!」

同棲がまさかの自分の両親が言い出したことと知り、零は呆れて口をパクパクさせた。

「まぁ、こんなカッコイイツキさんと零がどうにかなることはないと思うし大丈夫だって」

「零くん、私は君に何にもしないから大丈夫だよ」

「いや、そういう問題じゃ……」

「零、婚約したんだからもう腹くくれー」

「ぐっ……。……分かったよ」

項垂れながら了承した零にツキは表情をパアッとさせた。

「ありがとう零くん!」

(今更、婚約なしにも出来ないしもう仕方ない……。こんなイケメンとどうにかなるなんてことないだろから大丈夫だよな……?)

「じゃああとはお二人さんでごゆっくり」

「えっ今日から?! 泊まりの荷物とかはどうするんだよ」

くるりと背を向けて帰ろうとする結斗を零は引き止めた。

「荷物ならもう郵送してほとんどこの部屋に着いてるぞ」

「はっ?! それじゃあ俺が断らないのわかってたみたいじゃないか!」

「まぁな」

(やられた……。もうどうにでもなれ……)

「じゃあな。ツキさんも今日はありがとう。弟を頼むよ」

「いえ、こちらこそありがとうございました」

そして、結斗は2人も残して帰って行った。

ツキはこちらを向いてニコニコしながら扉に手をかけた。

「じゃあ、部屋開けるよ?」

「あぁ」

ガチャ。

2人は靴を脱いで新居に足を踏み入れた。

「うわ、ひっろ!」

部屋は2人で住むには広すぎるほどの大きさだった。リビングと他に個室が2つ、台所に洗面所と全てが大きかった。ソファやテレビ、絨毯なども既に設置されていた。

「いい部屋でしょ? 私が選んだんだ」

「ツキさんセンスいいんだな! これは快適な生活が送れそうだ」

「喜んでもらえてよかった。個室は玄関側が零くんの部屋だよ」

そう言われて、個室を見てみると確かに零の荷物はダンボールに詰められて届いていた。

(両親にはしてやられたけど、これはこれでいい生活が送れるかもしれないな)

部屋をぐるりと見渡して頷いていると、ツキがひょこっとドアから顔をのぞかせた。

「零くん、今日はもう夜遅いから荷解きは明日にしてお風呂に入っちゃおう。私はお風呂長いから先に入っていいよ」

「いいのか? じゃあお先に」

零は、服と書かれているダンボールを開けてそこから服を取り風呂場に向かった。

零はお風呂で体を流しながら今日を振り返った。

(今日はアクロスのライブに行って、お見合いして、相手がまさかのライブに居た本人で、しかも同棲……。今日一日怒涛だったな。もうこれ以上驚くことはないといいけど……)

そんなことを考えながら、頭や体を洗い、お風呂から出て服を着て髪を乾かした。

「ツキさん、お風呂出たから入っていいよ」

洗面所から声をかけるとリビングから「はーい」という返事が聞こえた。

リビングに向かうとツキもお風呂に入る支度をしていた。

「じゃあ入ってきちゃうね」

「あぁ」

ツキがお風呂に向かうと零はリビングにあるソファに横になった。

「疲れたな」

そう言うと零は目を瞑り眠ってしまった。





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