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「みんな、今日は僕たちのライブに来てくれてありがとう! 次が今日のライブ最後の曲です・・・・・・! 全力で楽しんでね!」

 音楽がかかると、ステージの上でスポットライトを浴びている3人のアイドルが歌い始めた。

 彼らはきらきらと眩しい笑顔でファンを魅了している。

「すげぇ・・・・・・」

 東雲零は、思わず感嘆の言葉を零した。

 今来ているライブは、最近日本中で注目を浴びている3人のアイドルグループ《アクロス》のライブだ。

 零はこのグループのファンではないが、友人である直人がこのグループの大ファンで今回連れられてきた。

 零はそれまでは彼らが人気な理由が分からなかったが、実際にライブに来て人気な理由が分かった気がする。

(こんなイケメンがマジで・・・・・・)

 すると突然、メンバーの1人が零の前に踊りながら移動してきた。

 そして、零に向かってウインクしながら投げキッスをした。

「・・・・・・!!」

 声にならない感情に襲われ、心臓がドキドキした。

 流石にあんなイケメンにファンサされたら、誰だってドキッとするだろう。

(ふー。落ち着け俺、冷静になれ)

 零が落ち着いていると、ライブの最終曲は終わってしまった。

「またいつかライブに来てね!」

「約束だよー!」

「僕達はいつでもここで待ってるよ、お姫様」

 彼らは順番に一言述べて深くお辞儀をした。

 ファンからの盛大な拍手の中、3人はステージから去っていった。


「さいっこうだったー!! 推しが尊すぎて死ぬかと思ったわ!」

 ライブが終わり、零の友人である直人は感情を爆発させていた。

「確かにみんなかっこよかったな。曲も良かったし、ダンスも上手かった」

 零が感想を言うと、直人は目を輝かせて飛びつくように食いついてきた。

「だろ?! 零も沼るしかないよ。あっでも同担になるのは勘弁してくれよな! 」

「オタクの専門用語わかんねぇって」

 グイグイくる直人に、零はずっと疑問だったことを聞いた。

「なぁ、まじであのさっきのイケメン達、女子なんだよな……?」

「そりゃアクロスは男装アイドルだからな!」

 男装アイドル。そう、先程ファンを魅了していたイケメン達はみんな男装している女性なのだ。

 アクロスがデビューしたとき、男装アイドルという珍しさからメディアが話題に取り上げていた。だからアイドルなどに疎い零でも名前は知っているグループだった。

「今日も自担がかっこよくて可愛かった……。同じ空間にいれたとか幸せすぎる」

「感想が気持ち悪いな」

「零もオタクになったら分かるよ」

「ガチオタの感想言ってるとこ悪いんだけど、俺この後ちょっと用事あるから先帰るわ」

「なんの用事だ?」

 直人が質問すると、零はボソッと答えた。

「……見合い」

「またか! まぁ頑張ってこいよ。俺はお前が見合いしてる間にライブの余韻に浸ってるわ」

 ゲラゲラと笑ってる直人とは真逆に零はため息をついた。

「はぁ、他人事だからって……。まぁとにかく行ってくるわ。今日は誘ってくれてありがとな」

「こっちこそついてきてくれてありがとよ! 見合い頑張ってこいよー!」





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