表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の能力を貰ったら、もれなく有名になると死ぬ呪いも付与された。  作者: 雲州みかん
二章・そうだ! 冒険者になろう!
40/178

そうだ! 冒険者になろう!(13)





 数分後。

 改めてエリア・マネージャーの席に座ったリースを前に、雄太とリリア……そして、雄太をこの場に連れて来た美人のチンピラ……もとい、OL風のチンピラが対峙する形で椅子に座ってみせる。

 部屋の隅にあった簡雍の椅子に座った三人を軽く見据えた所で、対座するリースが口を開いた。

「どうしてリリアがここに居る? お前は今回の試験とは無関係だろ?」

「私はコイツの保護者だ! ここに居てもなんらおかしな事はないだろうが!」

 眉根をよじりながら答えたリースに、リリアはさも当然を顔に出して叫んだ。

「……あはは」

 雄太は苦笑するしかなかった。

 正直に言うのなら、保護者と言われて良い気はしない。

 当然だ……年齢で言うのなら、娘レベルのリリアに「私は保護者だ!」と言われているのだから。

 しかしながら、悲しいかな……確かに現状は彼女に養われている状態であり、庇護下にあるとも表現出来る。

 まぁ、だからって保護者はないだろうに……とは、思ったが。

「むしろ、私じゃなくてミルがここに居る方がおかしいだろ? どうしてコイツがこんな所に座ってんだよ? 明らかにおかしいだろうが?」

 イライラした気持ちを1ミクロンだって隠す気のないリリアは、額に怒りマークを作ってOL風チンピラ……ミルを指差してみせる。

 すると、ミルと呼ばれたチンピラOLはニッコリ微笑みながらリリアへと声を返してみせる。

「私は部外者ではない……って事。なんなら、バリバリ当事者って感じねぇ?」

「は? なんで?」

 ミルの言葉に、不機嫌充填率120%で尋ねるリリア。

 きっと、今のリリアならば不機嫌波動砲を発射出来るに違いない。

「ミルの言葉通りだ。今回の特別採用試験の試験官が彼女だからなんだよ」

 リリアの質問に答えたのはリースだった。

「はぁぁぁぁっ!?」

 リリアの額に怒りマークが増えた。

 元々でっかい怒りマークが一個あったんだけど、更に大きなのが一つ増殖した。

 まるで細胞分裂でも見ているかの様だった。

「今回の試験……主に実務試験になるんだがな? ハチミツ雄太君には三人のパーティーを組んで貰う。その一人がミルと言う訳だな?」

「……そ、そうなんですね」

 リースの言葉に、雄太は苦笑交じりのまま声を返した。

 取り敢えず、言いたい事だけは分かった……分かったんだけど、ハチミツを付けるのはやめて欲しかった。

 特に雄太の前にハチミツを付けられるのは微妙に不本意なのですが?……とか思ったけど、その部分は敢えて口にしなかった。

「はぁぁぁぁぁぁっ!?」

 他方、リリアは大激怒!

「ばっかじゃないの! 何? 三人のパーティーの一人がコイツ? この、胸だけ女のコイツがかっ!?」

 リリアは憤懣やるかたないと言わんばかりの形相でミルを指差して怒鳴る。

 直後、ミルの額に怒りマークが出来た。

 胸だけ女は腹立たしかったのだろう。

「そう言うアンタは、胸すら女じゃないでしょうに!」

「全身乙女のオーラ剥き出しの私になんて口の利き方すんだよ、テメーわぁぁっ!」

 乙女は、相手を「テメー」とは言わない。

 どちらにせよ、いきなり一触即発状態の空気が、無駄に部屋の中に充満した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ