そうだ! 助け合おう!(18)
「………あ、あの……さ? もしかして、私の言いたい事、もう分かってる?」
雄太の言葉を耳にした辺りで、リリアは顔を完熟トマトにも負けない程の勢いで真っ赤に充血させて行く。
自分でも無意識の内に大きな緊張感が生まれて、思考が真っ白な状態へと向かっている事が、リリア自身もアリアリと感じていた。
そんな彼女の態度を知ってか知らずか? 雄太は依然として晴れやかな笑みを顔一杯に浮かべながらも声を吐き出した。
「そうですね? これで当たっているのかまでは分かりませんが……俺の能力を買ってくれて、尚且つ信用までしてくれた。だから、一緒に冒険者としてコンビを組んで欲しい。そう思って……」
ませんか?
……そうと、雄太が言おうとした時だった。
ポンッ!
小さな爆発と同時に、白い煙が上がった。
程なく白い煙は消え、雄太の頭上に一枚の便箋と思われる物がヒラリヒラリと舞い落ちて来る。
「……? なんだ、これ?」
不思議そうな顔をしつつ、雄太は便箋を右手でキャッチした後、それとなくリリアを見た。
「さぁ……?」
リリアはフルフルと顔を横に振る。
どうやら、リリアに関係する事ではなさそうだ。
そこで便箋を見てみる。
ご丁寧な事にも、便箋には「三橋雄太御中」と書かれていた。
やたらと達筆なのも、地味に驚かされる。
何にせよ、しっかりと宛名があったのは幸いだった。
便箋をひっくり返してみると、なにやら良く分からない物が書かれている。
一応差出人の名前が明記されているんだろう場所に文字が書かれていたのだが。
「名も無き宇宙意思って、なんだよ?」
ペンネームですか?
ハッキリ言って、そこはちゃんと本名を書けよとツッコミを入れたくなる。
もはや匿名希望と述べても差し支えのない差出人の名前付きの便箋を開き、中に目を通してみる。
「……なんだよ、これ?」
雄太は思わず渋面になる。
中には一枚の手紙があったのだが、その一枚がとんでもなく悪趣味な代物だった。
「え? なにその手紙? 骸骨?」
リリアは眉を大きくヒネリながら言う。
彼女の言葉通り、それは骸骨のイラストが描かれた不気味なイラストだった。
厳密に言うとドクロマークと表現出来るだろう薄気味悪いイラストの中央には、真っ赤な文字で一言。
あなたの呪い……忘れてませんか?
「………」
雄太は絶句した。
同時に顔から血の気が強烈に引いて行くのが、自分でもよぉぉぉぉぉぉぉく分かった!
この瞬間、雄太は思い出したのだ。
あの謎女は確かに言っていた。
自分に一国を潰せるだけの驚異的な能力を与えた見返りとして、凶悪な呪いを自分へと付与すると!
「ああああああああっ!」
雄太は叫んだ!
同時に大きく崩れ落ちた!
膝からガクンッ!……と行っていた!