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最強の能力を貰ったら、もれなく有名になると死ぬ呪いも付与された。  作者: 雲州みかん
一章・そうだ! 助け合おう!
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そうだ! 助け合おう!(10)

「それにしても驚いたよ……まさか、この私が……ゼネト=ミギアノスの前に立つ者が、君の様な華麗なお嬢さんとはね?」

 青年は答え、緩やかに玉座から立ち上がる。

 リリアの眉がピクッと跳ねた。

「私の事を褒めてくれるのは結構だが……その言葉は二度目だ。何度も聞かなくとも理解出来るぞ?」

「ああ……失礼。貴女を怒らせるつもりはなかったのだよ?……しかし、ねぇ?」

 不敵に微笑みながら答える青年、岩狼王・ゼネト=ミギアノスは妖艶な雰囲気を作りながらも悠々と歩を前に向けた。

 程なくして、リリアとゼネト=ミギアノスの二人は、互いに対峙する形で眼前へと立って見せる。

「君の力は確かに強いのかも知れない?……そうだなぁ? ギリギリSランクになった程度と言った所か?」

 ゼネト=ミギアノスは、眼前にまでやって来たリリアを軽く見定める形で見据えながら口を動かして行った。

「……だとしたら、なんだと言うんだ?」

 リリアは強気な笑みを色濃く見せながら声を返して行く。

「おや失礼? 図星だったかな?」

「実際に私はこないだSランクに昇格したばかりだったからな? アンタの言う事は正しい……が、だ?」

 やや棘のある口調で声を吐き出すゼネト=ミギアノスを前に、依然として好戦的な笑みをアリアリと醸し出していたリリアは、ここまで答えると右手を虚空へと突き出す。

 次の瞬間、


 パァァァァッッッ!


 煌々と輝く真っ白な光がリリアの右腕に出現した。

「まるでゲームのイベントだな……」

 ……とは、雄太の言葉。

 実際、彼の眼前で繰り広げられている光景は、RPG辺りで重要イベントでも発生していると表現しても、決して誇張されているとは思えなかった。

 むしろ妥当と言う答えが、色々な人の口から返って来るのではないか?

 少なからず、現代社会を生きる日本人であれば、大体の人間が同調してくれそうだ。

「マグネ・フェイの聖剣……か。中々良い剣をお持ちで」

 ゼネト=ミギアノスは笑みのまま答える。

 彼の言葉を耳にし「なるほど、あれは剣だったのか」と、地味に納得した雄太がいた頃、リリアの右手には鮮やかな白刃を醸し出す、なんとも美しい両手剣が握られていた。

 ……そう。

 それは「両手剣」だ。

 大きさからして、リリアの身長にすら匹敵するまでの大きさを誇る、大きな剣だった。

 しかし、彼女はそれを至極当然の様に片手で握っていた。

 あたかもそれが片手剣であるかの様な勢いだ。

「……リリアさんって、剛力とかって言うレベルを超えてない?」

 ハッキリ言って、やべ―人。

 見た目は色々と華奢な体躯で、腕とかも細くてウエストもキュッと締まっていて、足だってスラッとしていて、胸だけはメロンパンでも入ってるんじゃね?……と嘯きたくなる程度の大きさを誇示しているんだけど、それだけ女性的な身体をパーフェクトに誇示していると言うのに。

 その実、何キロあるんだよ?……と言いたくなるまでの大剣を、まるで段ボールかなんかで出来たオモチャの大剣を握っているかの様な勢いで持っていたリリア。

 その姿は、まさしく化け物である。

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