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なつの夕凪短編集

やがて悲しきポンコツ幼なじみ――ぶばらぁららら!!! 響け!not美少女の慟哭ぅうう

作者: なつの夕凪

 普段の私は読み専です。拝読させていただく際、作品についてのえり好みはしていませんが、最近は幼なじみが出てくる作品を読む機会が多いため、自分なりに幼なじみを考えてみました。

 作文風です、というか反省文です。小説ではありません。どこまでリアルでどこからフィクションかは読者様の判断におまかせいたします。

 私には幼なじみがいました

 

 幼なじみの名前は「カズ君」、さすがに本名は出せないので、当時の彼の呼び方のみとさせて頂きます


 カズ君と仲良くなったのは小学校3年生の時、本屋さんから帰ってきた私の前に偶然転がってきた野球ボールを、持ち主のカズ君に投げ返したのがきっかけでした。私の左手から投げたボールはカズ君のグラブにすぽりとおさまりました。カズ君は私に感心し「一緒に遊ばないか」と誘ってくれました。これがはじまりです


 当時私は、都内近郊の団地に住んでいました。カズ君も同じ棟に住んでいたので、以前から知っていましたが、私は年上のお姉さんと遊ぶ事が多かった為、それまでほとんどかかわりがありませんでした。この頃初めて同じクラスになりましたが、男子の一人くらいにしか考えておらず、話したこともありませんでした


 その後毎日遊ぶのが当たり前になりました。プレステをしたり、野球をしたり、サッカーをしたり自転車に乗って遠くに行ったり、男の子の遊びばかりでしたが私にとっては居心地がよく、誰と遊ぶよりもカズ君と遊ぶのが好きでした

 

 カズ君は野球が特に好きで、私は毎日彼のためにバッティングピッチャーをやりました。日が暮れるまで何十球?何百球?これが6年生まで続きました

 

 (余談ですが投げ過ぎにより鍛えられた私は今でもそれなりに投げれます。持ち球はストレート、カーブ、シンカーです。特にシンカーは自信があります。幼なじみに魔改造されてピッチングマシンになってしまった私、うーん)

 

 小学校3年、4年はカズ君と同じクラスでしたが、この頃はまだ平和でした。5年生に進級すると私とカズ君は別のクラスになりました。女子の間では、恋バナがメインになってきます。早い子だと彼氏のいる子もいました


 いつも一緒にいる私とカズ君は女子たちから付き合ってるの?とよく聞かれました。当然完全否定をするわけですが、何度も聞かれました


 カズ君はとても気が利くタイプで、何も言わなくても、私を助けてくれました。そのうちの一つが朝のお迎えでした


 カズ君は毎朝7時20分ごろ私を迎えにきます。二度寝して全く起きれない私はカズ君が家のチャイムを押す音でようやく起きてました


 私の住んでいた団地はとても狭く、私の部屋からトイレに行くには必ず玄関で待つカズ君の前を通らなければなりません


 結果、寝ぼけて半裸の私はトイレに行くため、カズ君の前を毎日通り過ぎる事となりました

 

(まぁ……凹凸なかったし、迎えにきてくれたカズ君へのご褒美ってことで……)


 それから小学校6年、中学に上がってもあまり状況は変わらず、周りからは私とカズ君は事実婚みたいな扱い、私達はその意識がない!が続きました。

 修学旅行などではカズ君とどこまで進んでいるのか、事情聴取されるのが大変でしたが、私が云いづらそうしていると周りが云えないところまで進んでいると勘違いしてくれるので都合が良かったです


(恥ずかしいけど……)


 しかし、何も変わらないと思っていた中学2年のある日、変化は突然訪れました。なんとカズ君に彼女ができてしまいました。お相手はカズ君と同じクラスの秋葉さん

 

 予兆はありました。中学に上がったころからカズ君は学年内のカッコいい男子の一人としてカウントされるようになっていたこと、二人が付き合う少し前、普段関わりのない秋葉さんが私に「カズ君と付き合っているか?」と突然聞いてきた事、いつもの通り「No!」と答える訳ですが、これが決定打となり幼なじみはあっさりと別の女の子に持っていかれました

 

 以後、朝のお迎えはなくなり、話す事もなく中学を卒業。高校も別です

 

 せめて「卒業おめでとう」くらいは言いたかったのですが一度できた溝は簡単には埋まらず、言えずじまい……あぁ……いと哀しです


 高校入学後は部活が忙しくカズ君とはこれで終わり……と思ってたのですが、一度だけカズ君と接触する機会がありました


 部活の慰労会で帰りが遅くなったある日、カズ君が家の外でタバコを吸っていました。久しぶりに見るカズ君は、体が大きくなり、昔の面影はありませんでした


 暗がりの道路とはいえ二人きり…カズ君も私に気づいていたはずです


(カズ君…私一人でも頑張ってるよ、ちゃんと一人で起きれるようになったよ、かわいくないかもしれないけど髪を伸ばしたし、少しはメイクもするようになったんだよ。私のことはどうでもいい。野球はどうしたの? 何でタバコなんて吸ってるの? 体に良くないよ。止めて… お願いだから…)


 彼も声をかけてくれないし、私も彼に声をかける事ができません。声をかけるのが恐くて…


 結局、何事もなかったように帰宅、カバンを床に置くとそれまで溜まっていたものがはじけ、私は鼻水と涙をこれでもかと放出し号泣しました

 

「カズ君がタバコ吸ってたよぉおおおおお、ぶばらぁらららららら―――――――――――――――――――!!」


 ぶばらぁ~は本当にこんな声がでました。多分美少女ならこんな声を出しません。某バトル漫画で奇声を発する拳法の達人にお仕置きされるヒャッハー達の断末魔と一緒

 

 母は困惑、しかし右手にはセブンスター。ちなみに父も喫煙者でメビウス、カズ君のお母さんも喫煙者でボロ……周りは喫煙者ばかり、私は器官が弱いので私のいないところで吸ってほしいです。はい

 

「別に良いじゃない~」

 

 よくねーよ母よ! とりあえず全国の未成年に謝れ

 

「泣いてるのはタバコが原因じゃないでしょ!」


 ノンステップで核心をつく母……そう、問題はタバコじゃないのです

 

 私は寂しかったのです

 

 当たり前が突然なくなり、とても寂しかったのです

 

 もちろんなくなった理由は、私にあります

 

 彼のいる状況に甘え何もしなかった私

 

 それでも小学生3年生からずっとそばにいて

   

 毎日バッティングピッチャーをやり

 

 夏になれば海にもプールにも行き

 

 某夢の国にも行き

 

 毎年チョコもあげて、誕生日プレゼントも渡して


 お泊まり会もして


 カズ君しか見てない


 カズ君しかいないのに


 ……でも

 

 手遅れです

 

 幼な心を抱えたままだった私は、心に溜まっていたものの正体を知った瞬間に喪失感を味わいました


 そして、彼の目にはもう私は映らないのでした

  

 おしまい

 …とまぁ長い前振りは置いといて…本題に入ります


 紳士淑女の皆様に問いたい…前述の通り、恋愛面ではアピ不足ですが、せくしーアピは十分では?

 

 やっぱあれか?

 

 たわわか?

 

 そもそも凹凸がない私に勝ち目はあったのか?


 しかし…私の凹凸が育たなかったの運動しすぎ(魔改造)が原因では? そのせいで私の果実は熟成期間が足りなかったと…(科学的根拠なし)


 ふふふふふふ…

 

 大きなたわわが好きな人なんて皆バルスしちゃえ~~~~~~~!!!!

 

 なお、カズ君と秋葉さんはその後も愛を紡ぎ18で結婚してお子さんがいらっしゃるそうです

 

 お幸せに! そしてありがとう



 拝読頂きありがとうございます。

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 青くも苦い思い出ですね。  もしカズくんが女子として見ていないのなら、彼女ができても話すくらいはしたのでは、なんて思ってしまいました。お互い相手を見つめる時期がズレてしまっていたのですかね……。 …
一つの物語りみたいな実話ですね(•ᴗ•; ) もう戻れない感が切なく苦しくなりました。 でも、そんな幼なじみがいらした事が羨ましかったりします。 良いエピソード、ありがとうございます♩
[一言]  私、幼なじみいないので(苦笑)。  中学も、共学でもなかったし。  そっち系ぜんぜん疎いので、むしろ、青春してるなぁって、思ってしまいました。  ごめんね。
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