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続・六畳一間 [短編集]   作者: 六合綾宵
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第七・五話 六畳一間 転 ~After Higurashi Cried~

第七・五話投稿いたしました。よろしくお願いいたします。※一部不快に思われる描写が含まれております。

 浴室へと運んだものの、彼の処理が終わっていないため、滑車には吊るせなかったので、私は彼女の腕と脚、そして、口元を縄で縛り、床に倒した。既に黒皮の手袋は回収済み。さて、彼女をどうしたものか。ただ、処理するのはつまらない。ここは防音設備がある。少しくらいの余興もいいだろう。ちょうど、彼も訪れるのだから。


「と、云っている傍から、来たようね」


 鳴り響くチャイムの音。私は玄関へと向かう。


「空いているわ、入ってきて」


 扉はゆっくりと開く。


「久しぶりだね」


「えぇ、久しいわね。さぁ、早く入って、閉めて頂戴」


「あぁ、分かった」


 私は浴室へと案内する。そして、


「あぁ、これが……」


「そう、私の仕事よ。今丁度、血抜きをしていたところ」 


「そうか、それで、下に転がっている女性は?」


「彼の彼女よ」


「あぁ、そういえば、云っていたね」


「気づかれたから、気絶させておいた。彼女においてはどうするか考えているところさ」


「というと?」


「おや、起きたようだね」


 ゆっくりと瞼を開く彼女。意識が戻ったようだ。だが、途端彼女の瞳は潤み、透明な結晶が零れ落ちた。彼女は彼の遺体を前にして泣いている。悲しんでいる。否、それだけに留まらず、彼女は怒りを露わにしてた。その怒りは私と彼にだろう。


「うぅうぅ!」


「さて、どうしたものか……ただ、殺すのはつまらない、正直、仕事なんだから、つまらないと云うのもおかしな話だが、こういう状況は珍しい。だから、簡単に終わらせるのも、つまらないものだね……そうだね、ねぇ、彼女を襲ってみない?どうせ、洗うから、中に注いだところで特に問題はないわ。どうせ、既に処女では無いのでしょうし」


 私はそう云うと、彼女のスカートにゆっくりと包丁で斬り込み、裂いた。露わになる太ももは女性らしい丸みを帯びている。


「やめておくよ、興味ないしね」


「私は興味あるのだけど……」


「うぅぅぅぅっ!」


 彼女のブラウスをゆっくりと剥がし、綺麗な腹部と胸元が露わになる。綺麗な腹部には無駄な肉がついておらず、その肉はどうやら胸元につているようだ。私は彼女の下着を剥がす。露わになる、乳房。彼女は体を震わせながら私の腕から逃れようとするが、逃げ場はない。私は彼女の乳房に触れ、揉みしだく。柔らかい感触が右手から伝わってくる。先端は既に膨れ、突起が出来ている。右手で先端を擦り、反応を伺う。


「ふぅうぅぅぅぅん」


 どうやら、拒絶しているようだ。


「どう?」


「興味ないよ」


「あら、本当ね。貴方の本能も興味を示していないようですし」


 私は、彼女の下半身の下着を脱がした。彼女はこれから行われる行為に恐怖を覚え、性器から黄金のアーチを作るように液体を流した。


「あらあら、まぁ、いいわ。後から、処理するのが大変でしたし」


「うぅぅ」


「どうします?」


「そうだな……なら、生きた状態で捌けないか?」


「難しいですね…血抜きが大変になりますから」


「そうか」


「彼女には彼の死体を抱いてもらいましょうか?」


「それは無理だろう?」


「いえ、彼の死体のほうは何とかなりますよ。まだ、血抜きしかしてませんし」


「そうか」


「ふふ、愉しい愉しい余興ですね」


 私は彼女の口と脚に付けられた縄を外す。そして、


「嫌ぁ、やめてぇ!」

 

「ふふふふ」


 彼の肉体を滑車から降ろし、彼の性器を彼女の元へと挿入し


「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 そして、彼女は舌を噛み切り、自害した。


「あらあら、つまらない終わり方になってしまいましたわ」


「……」


 彼は気分を害したのか、何も云わない。場の雰囲気を変えるべく、一つ気になったことを訊いてみる。


「そういえば、聞いたことありませんが、貴方が黒皮の手袋をつけている理由、教えていただけませんか?」


「あぁ、教えていなかったな」


 彼は黒皮の手袋を脱ぎ捨てた。そこには、


「私は、幼い時に火傷を負ったんだ」


 どうやら、黒皮の手袋の中は予想通りだったようだ。


「そして、あの時、彼に小指を噛み切られてしまってね。無いんだよ、指が」


 彼の右腕は焼けただれ、そして、小指の第二関節から欠損していた。病院に行かず、自ら焼いて治療したのか、第二関節の先端は火傷が色濃くなっていた。

 

 

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