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イケメン騎士を拾いました。

作者: 結生まひろ

このお話は連載版もあります。下記URLからどうぞ。

「ほんとムカつく」

「色目使ってんじゃねーよ、このブス!」

「お前のことだぞ、ビッチ!」

「もう学校来んなよ」


「……」


 女子としては褒められない言葉遣いで、キャハハと高い声を上げながら。

 校門を出たところで、私の背中に罵声を浴びせてきたのは隣のクラスのギャルグループの子たち。


 可愛くて、オシャレで、いつも何かと目立っているけど、性格はよろしくないようだ。


 私がこうして彼女たちに目をつけられ、言われのない罵声を浴びせられるようになったのは、彼女たちのリーダー格である理沙の彼氏、悠真が最近私にちょっかいを掛けてくるようになったから。


 休み時間に理沙ではなく、私のところにやって来たり、連絡先を聞かれて断ったのに、誰かから勝手に私のSNSのアカウントを聞いてメッセージを送ってきたり。


 悠真はスラリとした長身で顔も整った所謂イケメンと言われる部類の男で、チャラい。


 理沙に飽きたのかなんなのか知らないけど、しつこく私を誘ってくるようになったおかげで、なぜか私が悠真をたらしこんでいると理沙たちに文句を言われるようになってしまった。


 迷惑だからやめてと、悠真には何度も言ったのに、全然聞いてくれない。


 他の女にちょっかい出したいなら、彼女とちゃんと別れてからにしろ。


 理沙だって、悠真に「やめて」ってちゃんと言えばいいのに。


 嫌われるのが怖いのか、怒りの矛先は私の方に向けられている。あんなチャラ男のどこがいいんだか、私にはさっぱりわからない。



 最初に面と向かって文句を言われた時、理沙には私のそんな思いはちゃんと伝えてある。

 そしたら理沙たちはこうして少し離れたところから罵声を浴びせてくるようになった。


 まだ言い合いたいなら直接言ってくればいいのにとは思うけど、疲れるからとりあえず無視して帰宅することにした。


 家に帰ってもどうせ一人だ。

 私の両親は仕事で家を離れている。年の離れた兄が一人いるけど、彼も既に働いており、家にはしばらく帰ってきていない。


 だから私は大きな一軒家で一人暮らしをしている。





「――あの……大丈夫ですか? 生きてますか?」


 その日学校帰りに近所の神社に寄ったのは、たまたまだった。


 私は神社に寄るのが好きで、何か嫌なことや悩みがあるとよく家の近所にあるこの神社に来ている。人が常駐していない、寂れた神社。

 だけど参道を歩くだけでも落ち着いた気分になれる。


 今日も何気なくそこに寄ったのだが、拝殿の前で倒れている男の人を見つけてしまった。

 神社で行き倒れとか、笑えない。死んではいないだろうかと、とりあえずしゃがんで声をかけてみた。


「う……」

「大丈夫ですか? 生きてるならしっかりして!」

「は……、」

「なに?」

「腹が、減った……」


『ぐるるるるるぅ~』



 耳を傾けると、力ない声とは比べ物にならないほど大きな音が彼のお腹から鳴り響いた。


「何か、食べるものを……、」

「……お腹、空いてるだけ?」


 うっすら開いた瞳が私を捉えて、訴えかけられるように手が伸びてくる。


 もしここで見捨てたら、明日には〝餓死遺体発見!〟というニュースをテレビで見ることになるかもしれない。


「こんなものしかないけど……」


 帰ったら食べようと思っていた専門店のドーナツと、コンビニで買ったペットボトルのアイスティー。


「食い物っ!!」


 とりあえずそれを渡すと、彼は飢えた獣のように乱暴に袋を開けてドーナツにかぶりついた。


「甘いっ、なんだ、これは!」

「……」


 ほぼ一口で食べられてしまったのは私の拳よりも大きなドーナツ。


 口の端にクリームをつけながら必死で飲み込もうとしている彼にキャップをはずしてアイスティーを渡してあげる。


「……こっちも甘い」


 文句みたいなことを言いながらも一気に飲み干し、少し元気になったように見える男の姿を、改めて見つめた。


 なんかこの人、変な格好なんですけど……コスプレイヤーさん?


 黒を基調としたその服は、まるで漫画やアニメで見るような騎士服。

 腰に剣みたいなものまで帯びているから、きっとレイヤーさんね。


 髪の毛は綺麗な銀色(アッシュ)に染められている。どこの美容室で染めたんだろう……とても上手だ。それに、青銀色のカラコンもなんだか自然に馴染んでいる。どこか日本人離れした顔立ちで、よく見たらかなりのイケメン。



「ありがとう、お嬢さん。危なく死ぬところだった」

「あ……いえ、生き返って良かったですね。それじゃあ私はこれで」


 でも、もしかしたら変な人かもしれない。


 生き返ったこと(死んではいなかったけど)を確認して早々に帰ろうと思ったら、背中越しで彼が叫んだ。


「頼む!」

「……はい?」

「命を救ってくれた貴女を見込んで、どうか頼みたい。もっと何か食べさせてくれないか?!」

「……えっとぉ、」


 両膝を突いたまま右手を胸に当て、この男は神社で神様ではなく、私に頭を下げている。


「……」


 見ず知らずの男。しかも変な人っぽい。


 きっとこれ以上関わるのはよくないのかもしれないけど……


「じゃあ、夜ご飯うちで食べていきます?」

「本当か!?」


 さっきドーナツを頬張っていた時の顔が再び頭に浮かんできてしまった私は、彼を家まで案内することにしたのだった。




 *




 私は十七歳の高校三年生。

 この一軒家で一人暮らしをしているのは、両親も年の離れた兄も仕事で家を空けているから。

 両親は昔から忙しい人で、運動会や授業参観にはろくに顔を出さなかったし、私は母親の手料理を食べた記憶があまりない。よくお金と一緒に出前を取れというメモが置いてあったけど、兄が家にいた頃は兄が何か作ってくれたりもしたし、おかげで今ではすっかり料理が得意になってしまった。


 そんな私は幼い頃から捨てられている犬や猫を放っておけなかった。

 拾っては家に連れて帰り、飼ったり貰い手を探したりしていた。


 だからうちには今でも犬が一匹と猫が二匹、仲良く暮らしている。

 けれど、これ以上生き物を拾っても良かったのだろうか?


 それも、こんな大きな、人間の男性を――。



「どれも本当に美味かった!」

「そう、良かった……」


 神社に倒れていた見知らぬ男性。

 彼を自宅へ上げ、私はいつものようにキッチンでご飯を作った。


 中一の時に拾った雑種の茶太郎は、番犬としてとても優秀。悪意のある人間には決して懐かなくて、うるさく吠える。

 そんな茶太郎が彼には吠えなかったから、本当にただお腹を空かせていた可哀想な人なのかもしれない。


 昨日買っておいたお魚を焼いて、昨夜から味を染みさせておいた肉じゃがを火にかけ、味噌汁を作った。

 お米は多めに三合炊いたのに、私は一膳しか食べないうちに全部男に完食されてしまった。


 やはり相当お腹が空いていたのだろう彼の食べっぷりには驚いたけど、それよりもどこの家庭でも出るような簡単な和食に、まるで初めて食べる料理を前にしたかのような反応を示したことに私の方が困惑した。


 白米ですら「これはなんだ?」と聞いてきたのだ。日本に住んでいて、それはないよね。


 そう思ったけど、彼は箸も使えなかった。だからフォークを貸してあげたけど、肉じゃがをフォークで食べる人は初めて見た。


 コスプレのキャラになりきっているのか、何かとんでもない事情があるのか……。


 それでも食べる顔が本当に嬉しそうで美味しそうだったから、嫌な気どころか私まで嬉しくなってしまった。


 変な人だけど、悪い人ではなさそう。



「自己紹介が遅れてしまったが、俺はクルト・トレース。カトラスク王国で騎士をしている。貴女は?」

「…………あ、私は、結愛(ユア)です……」


 食事が済むと、男は改まったように背筋を正して私に向き直った。


 それにしても、カトラスク王国って。クルト・トレースって……。何人よ。あ、カトラスク人か。って、何のキャラ?


 そんな真面目な顔をして、ここまでしてもらっておきながら本名も名乗らないなんて、失礼ね。それとも笑うとこ? ツッコミ待ち?


 悩みながら、とりあえず私は下の名前だけ名乗った。


「ユア、か。しかし本当に助かった。改めて礼を言う」

「……はあ、」


 あくまで真剣な表情で、男――クルトは頭を下げた。


 うーん。これは付き合ってあげた方がいいのかな? 色々ツッコミたいけど、聞いていいのだろうか。


 警戒したまま相槌を打つと、彼は思い悩んだように凛々しい眉を寄せて話し始めた。


「……実は俺は、カトラスク王国にいたはずなのだが……突然この国に来てしまったんだ。ここは一体どこだろうか?」

「え?」


 彼の口から出た言葉に、私は素っ頓狂な声を上げた。


 突然この国に来た?

 その設定、まだ続いてるの?

 付き合ってあげないとダメ?


「神殿にて祈りを捧げていたところ、目を開けたらあの場所にいたんだ。転移魔法か何かにかかってしまったのかと思ったが、こちらからは戻れないようだ。言葉は通じるようだが、明らかに俺がいた国とは異なる。初めて見るものばかりで頭が痛い……一体ここはどこなんだ?」

「……」


 んーと……これは所謂中二病というやつだろうか?

 となると、どこまで本気で言っているのだろうか。


「……それは大変でしたね。でも元気になって良かったです。それでは、気をつけてお帰りくださいね」


 これ以上関わるのは止そう。


 そう思って苦笑いを浮かべ、適当にあしらって帰ってもらおうと席を立ち、彼のことも促す。


「ありがとう。やはり貴女は優しい女性のようだ。この国の者は俺が道を訊ねても、皆逃げるように目を逸らして行ってしまったんだ……。おかげで俺は丸二日この辺りを彷徨い、あの場所に戻って来たところで力尽き――貴女が現れた」

「……」


 伏せていた視線をパッと上げ、私を真っ直ぐに見つめる瞳と目が合う。


 その途端、ドキリと小さく胸が跳ねた。

 だって、すごく変な人だけど、見た目だけは完璧なんだもん。


 背も高くて身体もがっしりしている。

 そこら辺のアイドルや俳優さんなんかより全然格好良くて、綺麗な髪と瞳の色。


 まるで嘘をついているようには見えない表情。


 キャラ設定が完璧だ。ここまでやられるとすごいけど……その瞳がやっぱりカラコンにしては自然すぎて、ふと疑問を抱き、じっと見つめてみた。


 それに、その服もコスプレにしては彼に馴染みすぎている。剣だって、まるで本物みたいに重そうだし、使い古された演出までされている。

 レイヤーさん事情には詳しくないけど、こういうものってもっと小綺麗なイメージがある。


 物凄くリアリティを追求しているのかな……?


「それで、ここは一体どこなんだ?」

「えーっと……日本? ですけど」


 それが答えで良かったのか悩みつつ、半分冗談で答えてみた。


 街の名前とかを言った方が良かった?

 さすがにその世界観には乗ってあげられないけど。


「……にほん? それはどこだ」

「えっ、どこって……」


 だけどまるで本当に知らないみたいな反応が返ってきて、どう対応すべきか悩み、なんだかだんだん疲れてきた。


 っていうか私が付き合ってあげる必要はないよね。


「聞いたことのない国だな……」


 真剣に考えて顎に手を当てている彼に気づかれないよう息を吐き、そろそろお帰りいただくことにする。


「あの、そろそろよろしいですか? 私これから家事とか宿題とかやらないとなんで」


 男の隣に立ち、腰に手を当てて玄関の方へ誘導しようとしたけど、まだそれを続けるつもりなのか、彼はガタンと音を立てて椅子から立ち上がると、慌てたように両手を胸の前に出した。


「ま、待ってくれ! すまない、確かに君に迷惑をかけているのは承知だ。だが、君以外俺の話を聞いてくれる者は一人もいなかったんだ!」

「それはそうよ。そういうことがしたいなら、SNSで仲間を集えばいいじゃない。私はクルト? だかってキャラも知らないし、興味もないから。なんであんなところに倒れてたのか知らないけど、早く家に帰った方がいいよ」


 きっと優しくしたら図に乗るタイプね。


 そう思って、はっきり言ってやる。

 すると彼は、何かショックでも受けたような顔をして口を開いた。


「……俺のことを知らないのも興味がないもの仕方ないが、本当に困っているんだ……。家は王都にあるが、帰り方がわからない……」

「王都?」


 頭に手を当てて思い悩んでいるその姿は、やっぱり嘘をついているようには見えない。


「あの……、その設定もうやめてくれない?」

「その設定とは?」

「その、クルト? っていうキャラの設定。まずは本名を名乗って。家に来て食事まで食べたのに、失礼よ」

「……君こそ何を言っているんだ。確かに食事をご馳走してもらったのは本当に感謝している。だがキャラとはなんだ。俺の名はクルト・トレース。トレース伯爵家の次男で、王宮騎士団に所属している。この度は東の地、イーズにて魔物討伐の派遣を受けていた。その折、神殿に寄っていてこうなったんだ!」

「……」


 あまりにもつらつらと並べられた完璧なセリフ(・・・)


 伯爵家の次男? 王宮騎士? 魔物討伐ぅ?


 ――ダメだこの人、話にならない。


 そう思い、スマホを取り出して〝クルト・トレース〟と検索してみる。


 該当なし。


 あれ? おかしいな……。


「ねぇ、それって何のキャラ? ゲーム? アニメ? 検索に引っかからないんだけど。タイトル教えて」

「ゲームだのアニメだの、それこそなんだ! ……というか、君が持っているそれはなんだ?」


 今度は少し怒ったように言われて、私のスマホを指さす自称〝クルト〟


「……もういいです。どうせこの剣だって偽物に決まって――」

「触るな――!!」

「!」


 腰に帯びている剣を模した装飾品に触れようと手を伸ばしたら、バッと素早い動きで躱された。

 その身のこなしが常人とは違って、ビクリと身が揺れる。


「……俺が騎士だと信じていないのか? わかった。証拠を見せよう」

「……、」


 私の目の前で、ゆっくりと剣が鞘から引き抜かれた。

 クルトの顔前に掲げられたその剣は、明らかに本物であった。


「……うそ!」

「俺は命を国に捧げると、この剣に誓った。すぐに戻らなければならない。どうかここがどこなのか教えてほしい」


 頼む。と続けるクルトの顔は、やっぱり真剣だった。


 造られたキャラじゃない。

 彼は本物の〝クルト・トレース〟だ。

 その青銀色の瞳を近くで見つめて、私は確信した。


 待って、じゃあ、それじゃあ……

 この人、異世界転移しちゃったってこと?!

 うそ……! 本当に!?


 その手の小説や漫画はいくつか読んだことがある。実は密かにいいなー。なんて、そんな非現実的な物語に憧れていたりした。


 だけど、私が異世界に転移するんじゃなくて、向こうの人がこっちに来ちゃったの!?


 どうせなら私が行きたかったわー。


 なんて。そんなことを考えていたらクルトが剣を鞘に戻して口を開いた。


「……どうやら信じてくれたようだな」

「ん……まだ半信半疑だけど」


 もしそれが本当なら、彼に伝えてあげなければならない。

 これから取り乱すのは、私じゃなくて彼だ。


「いいわ。教えてあげる。その代わり、驚かないでね」


 もう一度彼を椅子に座らせて、私もその向かいに腰を下ろす。


「やはりかなり遠くまで来てしまったのだろうか……」

「……ここは、異世界よ」

「なに……?」

「あなたが住んでいたのとは別の世界……じゃないかしら」

「……なんだと?」


 自分で言いながら、何言ってんだ私。とツッコミたくなる。本気で言っているのか、正直自分でもわからない。


 ここで「何言ってんの? 信じるとかウケる。小説の読みすぎ!」とか言って笑われたら、すごく恥ずかしい。殺意が湧くかも。


「異世界……話には聞いたことがある。一部では異世界人を召喚する儀式があると噂されているが……まさか、本当に異なる世界があるとは……」


 けれどクルトは、私の心配を他所に意外と冷静にことを受け止めている様子だった。


 クルトがどんな世界から来たのか知らないけど、私がよく読む小説や漫画の中の騎士なのだとしたら、中世ヨーロッパ風な世界だろうか。魔物もいたようだから、本当の中世ヨーロッパではないんだろうけど。


 だとしたら現代の日本の街を見て、ここが自分がいた世界ではないかもしれないと、薄々感じていたのかもしれない。


 さすがは騎士。思ったよりも冷静だ。


 けれどそうなってくると、益々彼の言っていることが嘘ではないのかもしれないと思ってしまう。


 けれど、まさかそんなことって……


 未だに信じられないけど、こんな変な嘘をわざわざつき続ける理由が見当たらない。


 ただで食事をしたかったにしてはしつこいし、私のことをどうこうする気もなさそうだ。

 お金が目当てだとしても、もっといいやり方がある。


 うん、つくならもっとマシな嘘があるはずなのだ。


 ともかく彼がそう思い込んでいるのは確かのようだから、家に泊めてあげることにした。


 大きな一軒家のこの二階建ての家は、私たちの他には犬と猫しかいない。

 部屋は余っているし、ダメだと言ううるさい親もいないのだから。



 彼の服は汚れていたから、泊めるならまずはお風呂を貸してあげることにした。

 倒れていたんだから汚いのも当たり前だし、丸二日この辺りを彷徨っていたと言っていたし……。最後にお風呂に入ったのいつだろう……。


「とにかく今日はゆっくり眠るといいわ。その前にお風呂を沸かすから、どうぞ」

「ありがとう……。本当に何から何まで、すまないな」

「ううん。そんな汚い格好の人にお布団貸す方が嫌だから、気にしないで」

「……」


 にっこり笑って言うと、彼は何か言いたそうに目を細めて、けれど何も言わずに頷いた。



「向こうにもお風呂はあった?」

「あったが……なんか違うな」


 お風呂が沸いた頃、浴室に案内してシャワーの使い方を教えた。


 捻るだけでお湯が出ることにも、ボタンひとつでお湯が沸くことにも驚いて、クルトは「これは魔法か?」と聞いてきた。


 どうやらクルトの世界には魔法があったらしい。やっぱり私が向こうに行きたかった!!



「――それじゃあ、上がったらこれで拭いて、これを着てね」


 彼に渡したのはバスタオルと男物のトランクスとTシャツにジャージ。


「わかった」


 全部、兄が使っていたもの。


 クルトがお風呂に入っている間に彼の服を洗濯機に入れて洗った。


 洗濯が終わりの音を知らせる前に上がったクルトが、脱衣所から兄のジャージを着た姿で近付いてきた。


「なんだ、この服は……これでいいのか?」

「ぷ……っ」


 兄が高校生の時に着ていたジャージは、クルトには少し丈が短い。


 イケメンなのに、なんかダサっ。


「大丈夫大丈夫。あってるよ。ちょっと小さかったみたいだけど」

「ううん……この国の服は変わっているな……」


 なんだか少し不満そうだけど、あの汚れた騎士服を着るよりも、裸で寝るよりもマシだと思う。


「そうだ、髪を乾かさないとね」

「魔法でか?」


 彼の髪は私みたいに長くないからすぐに乾きそうだけど。でもこの家に入った時からあちこち物珍しそうにきょろきょろしていたクルトに、今度はドライヤーを見せて驚かせてあげることにした。


 彼は「君は風魔法の使い手なのか!」と、感心していた。




 *




 クルトには家の中のことを教えるだけでも一苦労だった。


 テレビにはビビって剣を抜くし、冷蔵庫は「魔法だな」とか言いながら開けっぱなしにする。洗濯機とは喧嘩して、電子レンジの前にはかじりついて「ほお……」とか唸りながら何度もご飯を温め直していた。そのせいで火傷をしていた。


 うちはIHコンロだから、どうして温まるのか、魔法なのか? とうるさく聞いてくるし、また手で触って火傷をするし……。


 このまま外に出すのは絶対に危険だと判断した。

 一緒に買い物に行くだけでも剣を持って出ようとするのだ。


「そんな物を持ち歩いていたら捕まるわよ」と言ったら、「魔物が出たらどうする!」と真顔で言われた。


 もう、勘弁してほしい……。


 一人で外出させたら間違いなく車に轢かれるか、警察に捕まるかのどちらかだ。


「何度も言ってるけど、この世界には魔物なんていないし、魔法もないの!」

「……不便だな」

「どんな魔法があったのか知らないけど、慣れたらそれなりに便利だから!」


 そんな会話をして、あの中二病丸出しの服は洗ってクローゼットにしまい、兄が置いていった洋服を着せた。


「テレビは見ていいから、色々学んで。わからないことは聞いてね! 絶対勝手にやらないこと!」

「……わかったよ」

「明日は学校が休みだから、一緒に服とか買いに行こ。街も案内してあげるから」

「……わかった」


 そんな会話をしたのは午後十一時。


 もうお風呂にも入ったし、そろそろ寝ようかと思った頃、テーブルの上に置いてある私のスマホが音を立てて震えた。


「何事だ!?」

「誰だろ、こんな時間に」


 そうそう、クルトはスマホにもすごく驚いていた。


 離れたところにいる相手とこんな小さな機械で話せるなんて、確かにビックリだよね。


「ほお。これは魔法道具だな?」と言っていた。魔法はないと言っているのに、しつこい。


「げ……」


 だけど、メッセージの相手と内容を見た途端、私の口からは思わず怪訝な声が洩れてしまった。


「どうかしたのか?」

「ん……なんでもない」


 悠真だ。

 内容は、〝明日デートしよう〟的なこと。本当にしつこい。


 クルトにまで心配をかけるような顔をしてしまったのか、私を見つめている彼に気がついてすぐにスマホをポケットにしまった。


「私はもう寝るから。クルトも早く寝なよ?」


 彼には一階の客間に布団を敷いて寝てもらっている。まだテレビを見る様子の彼を残したまま、私は階段を上った。




 *




「お客様すごくお似合いですよ! 身長あるからかっこいいですね!」

「……うん、これください」


 そして翌日の土曜日。


 午前中から家を出て、私とクルトは買い物をしに街へと来ていた。


 ここに来るまでの格好は、自宅に置いたままになっていた兄の洋服と靴でなんとかコーディネートした。


 クルトは兄よりも少し大きかったから裾が短くなったけど、なんとかオシャレに見えるようなアイテムで合わせた。


 試着させたのはカジュアルなシャツとパンツ。

 とてもシンプルな服装なのに、スタイルのせいかとても様になって見える。


 正直、かなり格好良い。

 元の素材はやっぱり良いんだと思う。


「……」


 じぃっと見つめていると、ふと目が合った彼がニヤリと口元を持ち上げた。


「見蕩れているのか?」

「な……っそんなんじゃないから!」


 なに調子に乗ってるの?!

 なんか悔しい!



 それから同じサイズのTシャツや上着、適当なサイズの下着ときちんと履いて合わせた靴を買ってあげた。


 お金は両親が毎月振り込んでくれている。

 いつだったか、「こんなに必要ない」と言ったことがあったけど、「余った分はお小遣いにしなさい」と言われたことがある。


 普通の高校三年生には多すぎるお小遣いだと思う。

 けれど私は、そんなに贅沢せずに自炊して、余った分はそのまま銀行に預けていた。


 今初めて、こんなにお金があって良かったと思う。



「……しかしこんなに買ってもらって大丈夫だったのか? 自分で払えたら良かったんだが……」

「大丈夫大丈夫。いらないお金が余ってたから」

「いらない金……? この国にはそんなものまであるのか!?」

「あはは、ないけどね。そういう意味じゃなくて……使い道に困ってたお金ってこと」

「なるほど……。とにかく礼をしなければな。俺が向こうの世界に戻るまでの間、君を守る騎士となることを約束しよう」

「なにそれ、大袈裟ね。別に守ってもらうほど危険なことはそう簡単には起きないったら」


 真顔でそんなことを言うクルトの言葉を冗談として受け取り、小さく笑う。


 お礼か。そんなものは求めてなかったかも。

 だけど私はどうしてこの人にここまでしているのだろうか。

 知っている人が誰もいない世界で一人ぼっちの彼に同情してしまったのか……それとも私自身、一人だったのがそんなに寂しかったのだろうか。



「――そうだ! 駅前に新しくできたドーナツ屋さん! 一回行ってみたかったんだ!」


 買った荷物はもちろんクルト自身にすべて持たせて、駅へ足を向けていた私の目に飛び込んだ行列。


「ドーナツ?」

「そう、一番最初にあげたやつ」

「ああ、あれか」


 私は洋菓子が大好き。特にドーナツが。

 クルトは人混みに困惑しているけど、構わず列に並んだ。


 街に出て、人の多さにはもちろん、高いビルや道路を走る車なんかにもいちいち大きな反応を見せるクルトに、一つ一つ説明するだけで実はかなり時間がかかってしまった。


 意外と理屈っぽいところがあるようで、どうして馬もいないのに車が進むのだとか、信号の色はなぜ変わるだとか。


 やっぱり魔法だろう?! と、また聞かれた。


 魔法がある世界は随分と都合が良さそうだ。

 とにかく彼には見るものすべてが未知の世界。


 私は当たり前に見て育ってきたから疑問なんて感じたこともないことに、いちいち説明を求めてくる。


 言うまでもなく、電車に乗るのも一苦労だった。子供の方がまだ大人しく乗ってくれたと思う。


 この様子では、彼自身が疲れてしまわないのかと心配になったくらい。


 ともあれ、用事は無事に済んだし、あとはドーナツを食べて帰るだけ。


 きちんと列に並んでいた私とクルトは、いよいよ順番が来て人気ナンバーワンとナンバーツーの商品を注文した。それからおうち用にも何個かお持ち帰りの箱に入れてもらった。


 空いているイスを探して座り、大量の荷物を抱えているクルトの口元へ生クリームたっぷりのドーナツを運ぶ。


「はい、あーん」

「……子供じゃないんだ。自分で食える」


 そしたら少し照れたように頬を染めたクルトだけど、そのままガブリとドーナツにかじりついた。


「とか言いながら食べてるし! ……って、紙まで食べてる!!」


 ドーナツの包装紙ごとかじりついてしまった彼を見て笑い、今更デートみたいだなんて思って、私もちょっと照れた。


 やっぱりクルトはモデル並に……いや、それ以上に格好良いし、スタイルもよく、目立っている。


 さっきからどこへ行っても女の子たちの視線を集めているのだ。



 ドーナツを食べ終わった後、クルトはトイレのため、席を立った。迷子になったら困るからついて行こうかと聞いたけど、ちょっと頬を染めてムスッとした顔で断られた。


 そんな彼がちょっと可愛く見えてしまった。




「――え、マジ最悪なんだけど」


 荷物番がてら席で待っていたら、聞いたことのある不快な声が耳についた。


「うわ、なんでいるの」

「えー、しかも一人でこんなに荷物散らかして、最悪〜」


 振り向けば、いつもより更に濃い化粧に派手な服装をした理沙たちの姿。


 うわ、最悪なのはこっちだわ。


「あんた混んでるのが見えないの? 一人で席占領すんなよ。つか食べ終わったならさっさと帰れよ」

「言われなくても今帰るわよ。連れがトイレから戻ったら」

「は? 連れ? 誰よ。まさか男じゃないでしょうね。そんなわけないか、こんなブス」

「……」


 あんたたちに関係ないし。


 キャハハと高い声を上げて笑う彼女たちを、そんな気持ちを込めて睨みつける。

 こんな場所で言い争いになることは避けてあげた大人な私に感謝してほしい。


「なんなの!? その目! なんか文句あるのかよ! ブス!」


 だけど学校の外で気が大きくなっているのか、理沙は私の肩を掴んできた。


 ネイルで飾られている伸びた爪が刺さって痛い。


「おい、やめろよ」


 彼女の手を払おうとした時、背の高い男が先に理沙の手首を掴んだ。


 サラリとした茶髪に、甘ったるい香水が鼻をつく。


 ……げ、コイツなんでここにいんの?


「悠真!?」

「理沙、いい加減結愛ちゃんに意地悪するのはやめろよ」

「意地悪なんて……、っていうか、なんで悠真がここに……まさか、こいつの連れって、悠真なの……?」


 大好きな彼氏の登場に、理沙の目が途端に充血していく。


 いや、違う。私の連れじゃない。なんでここにいるのか私も聞きたい。


「いい加減気づいてくれよ。俺は、結愛ちゃんに本気だから」

「うそ……、そんなの嘘でしょう?! こんな女より私の方が可愛いし、オシャレだって頑張ってるし――!」

「あー、もう。そういうところがウザいんだよ。それは俺が決めることだから。俺からしたら結愛ちゃんの方が百倍可愛いの。わかる?」

「……そんな、」


 理沙はうるっと瞳に涙を溜めて口ごもった。

 取り巻きAとBが「理沙……」と、彼女を慰めようと頼りない声をかけている。


「わかったらさっさと行けよ。それでもう、俺にも結愛ちゃんにも構うな」

「……っ、悠真と別れるなんて、絶対嫌だから! 私はそんなの認めないから!!」


 理沙は涙を堪えながらそう吐き捨てると、走ってその場を離れて行った。

 取り巻きの二人も「理沙〜」と、バタバタと彼女を追って行った。



「……結愛ちゃん、大丈夫?」

「え――?」


 やれやれ、とため息を吐き出した私の前に立ち、悠真は彼氏面で顔を覗き込むように屈んできた。


「ごめんね、俺のせいで嫌な思いさせて。でもこれでもう理沙に邪魔されることもないから、正式に俺の彼女になってくれるよね?」

「は――?」


 まるで漫画に出てくるヒーローになったつもりでいるのか、悠真はキメ顔でそんな言葉を囁いた。


 何か、勘違いしてない? 私があなたと付き合わないのは理沙のせいじゃないんですけど。


「昨日連絡したのに」

「あ……ごめん、もう寝てて」

「うん、いいよ。こうして会えたからね」


 そうだ、それ。なんでここにいるの?

 偶然? なんか怖いんだけど……。


「ビックリしただろ? でも大丈夫。俺たちは運命の相手なんだよ。今から俺ん家来る? 今誰もいないからさ」

「行きません……、」


 慣れたような口調でサラリと家に誘ってくるその甘い声音に、寒気がした。


 確かに見た目はいいかもしれないけど、下心が見え見えなのだ。気持ち悪い。


「遠慮しなくて大丈夫だから。行こ?」

「ちょっ……!」


 にこりと気味の悪い笑みを浮かべると、悠真は無遠慮に私の手を掴んできた。


 すぐに振り払おうと力を込めた時、「おい」という男性の低い声が私たちの耳に届いた。


「あ……!」


 振り返った悠真の前には、何やら黒いオーラみたいなものを放ったクルト。

 やっと帰ってきた。やっぱり迷っていたんじゃないかと思う。

 それにしても、とても怖い顔で悠真を睨みつけている。


「あ? なんだよ、あんた……!」

「その手を離せ」

「なんでお前にそんなことを言われないといけないんだよ! つか誰だよお前!」


 クルトは悠真よりも背が高い。それに体格も良い。騎士なのだから、高校生の悠真とは比べ物にならないいい身体をしている。それに、悠真よりもイケメンだ。

 そんな男を前にして、悠真は少し怯んだ様子だ。

 その隙を逃さず、ばっと彼の手を振りほどく。


「……」

「ユアに何か用か?」


 悠真は一度私に目を向けてきたけれど、涼しい顔で受け流してやった。


「結愛って……随分馴れ馴れしいな。お前は結愛ちゃんのなんだ?」


 気を取り直してクルトに言葉を投げかける悠真。あんたこそ馴れ馴れしいけどね。というちゃちゃを入れるのは控えておく。


「別に彼が誰だろうといいじゃない――」

「俺は今ユアの家で一緒に暮らしている者だが。そういう貴様こそ、ユアのなんだ?」

「なに……?」

「あ――」


 クルトが変なことを言う前にと思ったんだけど、ダメだった。

 明らかに親しい知人(・・・・・)には見えなかったのであろう悠真に、クルトは鋭い目を向けて睨みつけた。


「そ、そんな……、結愛ちゃんと、暮らしてる!? ……嘘だよね?」

「……本当」


 ついにクルトの気迫にビビってしまったのか、震えた声で慌てて私に視線を向けてくる悠真に、こうなったらもういいやと、私もにっこり微笑んで肯定して見せた。


「そんな……嘘だ……俺の結愛ちゃんが……」


 一体いつあなたのものになったのでしょうか?


 私がそう口にする前に、クルトが代わりに口を開いた。


「ユアは俺が守りたいと思っている大切な女性だ。彼女は困っているように見えるが……、俺の気のせいか?」

「う……、」


 本物の騎士であるクルトの迫力に、悠真はたらりと汗を流して身を後退させた。


「そんな、そんな……、」


 周りにいる女性たちもクルトに熱い視線を送っていることに気がついたのか、この場に相応しくないのは自分であると悟った悠真は、ブツブツと何か言いながらフラフラと出口へ歩いて行った。




 *




「――なんだったんだ? あの男は」

「うーん、なんだったんだろうね」

「む? ユアの知り合いだろう?」

「そうだけど……」


 帰りの電車の中で、クルトは先程のことを思い出してぼそりと呟いた。


 車内は少し混んでいて、クルトとの距離が近いことに私の心臓はドキドキとうるさく鼓動を刻んでいる。


 それに、さっきのセリフ。あれに深い意味なんてないんだろうけど……でも、ドキドキしてしまった。


 守りたい大切な女性か……。騎士として、単なるお礼をするための忠誠よね? きっと。


 でも――


「……助かったよ。ありがとう」

「……」


 なんだか気恥ずかしくて、目の前にいるクルトから視線を外して俯いてしまう。


 すると彼からスッと手が伸びてきて、くいっと顎を持ち上げられた。


「な、なに!?」

「礼を言う時は、人の目を見て言うものらしいぞ」

「ああ……うん、そうだね。ありがとう……」


 教育番組でも見たのだろうか。それとも純粋に彼の国の教えだろうか。


 正当なことを言われて、もう一度その言葉を呟くと、電車がガタンと大きく揺れた。


「!」


 扉越しに立っていた私の顔の横に、クルトがダンッと腕を突く。


「……」


 まるで壁ドン。


 思わず目を見開いてクルトと見つめ合ってしまい、どきりと心臓が大きく跳ねる。


「……これは〝壁ドン〟というらしいな。テレビで見た」

「は、はぁ?!」


 スッと顔を寄せ、耳元で囁かれる。クルトの整った顔がすぐそこにあって、もう心臓は壊れてしまいそう。


 なに、突然……!?

 っていうかそんなこと学ばなくていいから!!


「女がキュンとくる仕草らしいのだが……どうだ?」

「……どうって、」


 実際にそんなことしてくるキザな男、現実には存在しないと思っていた。

 さっきの顎クイ(・・・)もだけど、こんなことが様になるような人なんて……!!


 そんな、バカな……。


 こんなことされても寒いだけだと思っていたのに、抱きしめられてしまうかと思うほど近いクルトとの距離に、私の心臓は異様なほど高鳴っている。


 まさか、私ときめいちゃってる……?!


「……ん? 顔が赤いぞユア。大丈夫か?」

「だ、大丈夫、大丈夫だから――、ちょっと離れて!」

「しかし後ろも狭くてこれ以上さがれん」

「……っ」


 耳元から彼の顔は離れたけど、代わりに私の顔を窺うように覗かれて、益々顔が熱くなる。


「ユア?」

「…………っ、」



 もう――、早く駅に着いてよ――!




 ああ――私はとんでもない騎士を拾ってしまったようです。





お読みいただきありがとうございます。


今更逆転移ものとか需要はあるのだろうか……と思いながらも気分転換で書いたので上げます。

思ったより長くなってしまった。


もし、面白そ!こんなのもありだよ!需要あるよ!

などと思っていただけましたらブックマークと評価の☆☆☆☆☆をポチッと押していってくれると嬉しいです。


少しでも暇つぶしになるといいです。


ありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[一言] 逆転移もの大好きです!! クルトがお国に帰っちゃって、その後ゆあちゃんがクルトの国に転移しちゃうみたいなお話が読んでみたいです!!! 結生さんの作品大好きです!!!!
[良い点] 逆転移モノは久々に読みましたw 家電にビビってるクルトが可愛いw そしてちゃっかり壁ドンと顎クイ極めているところも抜け目ないww 「よし、今度ユアにやってみよう」とか考えながら見てたのかな…
[一言] かわいい!かわいいけど、このままいくと騎士様、ヒモ……っ。なんとかして向こうの世界に行けるといいですね。二人して。連載、面白そうです!ぜひ!
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